あれから数時間後ーー
念の為もう一回寝た〇〇
― 夜、シェアハウスのリビング ―
目を覚ました〇〇は、ふかふかのベッドの中でぼんやり天井を見上げていた。
熱はだいぶ下がっていて、体も少し軽くなった。
そんなとき、ドアが開いて、そーっと誰かが入ってくる。
若井「起きてる?」
〇〇「うん……」
若井「そっか。少し顔色、戻ってるな。よかった」
〇〇「……なんか、ごめんね。心配かけて」
若井「もう“ごめん”禁止。お前が元気なのが一番なんだからさ」
(そう言って、優しく頭を撫でてくる)
若井「で、喉渇いてない?なんか食べたいもんある?」
〇〇「え、そんな全部お願いしていいの?」
若井「いいよ。何がいい?」
〇〇「……んー、りんご剥いてほしい」
若井「おっけー、りんごだな。ちょっと待ってろ」
(すぐに立ち上がってキッチンへ)
藤澤(奥からひょっこり)「ていうかさ〜、僕もいるんですけど〜?」
〇〇「うわ、涼ちゃんいたの!?」
藤澤「最初からいるし。てか、俺の冷えピタのおかげで熱下がったよね?感謝して?」
〇〇「ありがと、涼ちゃん大天才!」
藤澤「よーし、いい子〜!ご褒美に〜〜」
(そう言って、突然もふもふのブランケットを肩にかけてくる)
藤澤「これ、俺の大事なやつ。貸してあげるから、超大事にしてね?」
〇〇「なにこれ…ふわっふわ……!やば、落ち着く……」
藤澤「でしょ?俺のぬくもり入り。最高の癒し効果あり」
(そこに、大森がパジャマ姿で乱入)
大森「え〜!?ずるい!!俺の出番まだ〜!?!?」
〇〇「もっくん、パジャマ派手(笑)」
大森「ほっとけよ〜!てか!はいこれ!おかゆ!冷ましといた!」
〇〇「えっ、まさか、もっくんの手作り!?」
大森「そう!俺が手間ひまかけて10分で作った!天才味だから食べて!」
(スプーンを持って、口元に差し出してくる)
大森「さ、あーん?」
〇〇「え!?ちょ、さすがにそれは恥ずかしいって!」
若井(戻ってきながら)「やってやって〜。〇〇、あーんしてもらいなよ」
藤澤「俺もその絵見たい〜!」
〇〇「ほんとにやめて!やめてってば!!」
大森「はい、あーん♡」
〇〇「…………あーん……(食べた)」
若井「素直でかわいすぎる……」
藤澤「俺らの姫かな???」
〇〇「ちょっとやめて〜〜〜〜っ、恥ずかしい!!」
― しばらくして ―
(食べ終わって、3人に囲まれながらリビングでくつろいでいる〇〇)
〇〇「……なんか、幸せすぎて逆に泣きそうなんだけど」
若井「泣いてもいいよ。俺の胸、貸す」
藤澤「ていうか、こういうとき甘えてくれないと俺らが寂しい」
大森「〇〇がさ、俺らに気つかってるの、なんとなくわかってたんだよね」
〇〇「……そりゃ、だって、みんなすごい人だし」
若井「お前、俺らの何見てそう思ってんの(笑)ただのアホ3人だぞ?」
藤澤「それな。〇〇のほうがずっと頑張り屋さんで、偉い」
大森「てか!今日倒れたんだから、もうしばらくお世話させてくれないと納得いかん!」
〇〇「わかったわかった、じゃあ……もうちょっとだけ甘える」
若井「“だけ”じゃなくて、いっぱい甘えな。俺らが全力で受け止めるから」
〇〇「……みんな大好き」
(その言葉に、3人とも目を見合わせて、ふっと微笑んだ)
大森「それ、録音しとけばよかった〜〜!!」
藤澤「いや、動画撮って投稿しようぜ。『姫からの尊い告白』ってタイトルで」
若井「やめろ(笑)〇〇が照れるだろ」
〇〇「ほんとにやめて〜〜〜!!(笑)」
(みんなの笑い声が、夜のシェアハウスに優しく響いた。)
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