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― シェアハウス 午後 ―
数日前の熱が嘘みたいに、〇〇の体調はすっかり元通り。
むしろ元気すぎて、今日はひとりで張り切って晩ごはんを作っていた。
〇〇(3人ともテレビ収録か〜。がんばってるんだろうなぁ)
お気に入りのエプロンをつけ、鼻歌を口ずさみながら、キッチンで野菜を炒める。
〇〇(♪青に似たすっぱい春とライラック
君を待つよこ〜こでね〜)
自然と歌っていたのは、ミセスの曲「ライラック」。
私が大好きな歌。
― 夜・テレビ収録帰りの3人 ―
玄関のドアが開く音がして、バタバタと足音が近づく。
藤澤「ただいま〜〜〜!疲れた〜〜!!」
若井「収録めっちゃ長かったなー!」
大森「いやでも、盛り上がったからよかったじゃん」
と、そのとき。
キッチンから、ふわっと鼻歌が聞こえてくる。
〇〇(♪青に似たすっぱい春とライラック〜)
大森「……え、なに……ライラック?」
(そっとキッチンに近づいて)
大森「なにライラック歌ってんの〜〜〜♡」
(いきなり背後からギュッとバックハグ)
〇〇「わっ!?!?ちょっ、もっくん!?!?!?」
大森「ただいま〜〜。ってか、 かわいすぎ♡」
〇〇「や、やめてよ〜〜〜!不意打ちはダメってば!」
藤澤「おいおいおいおいおいおいおい!!!!」
若井「それずるすぎんだろ!なんで元貴だけ先にハグしてんの!?」
大森「早いもん勝ちだもーん♡」
藤澤「はいはい、僕は横から行く〜!ぎゅっ!!」
若井「俺も反対側からな!!よいしょっ!!」
〇〇「ちょ、3人がかり!?苦しい〜〜!!(笑)」
3人「「「おかえりハグ〜〜♡」」」
〇〇「かえってきたのはみんなでしょ!?」
大森「でも俺らは〇〇が待っててくれてたってだけで超うれしいの!」
若井「ほんとそれな。元気になってよかったわ、マジで」
藤澤「てか、なんかいい匂いしてるんですけど!?これ、もしかして……」
〇〇「ふふん♪ 今日の晩ごはん、私が作りました!」
3人「「「うぉおおおお!!!」」」
― ダイニング ―
テーブルに並ぶおかずたち。
煮物、唐揚げ、ポテトサラダ、味噌汁、そして炊きたてのごはん。
藤澤「〇〇、もしかして……プロ?」
若井「いやこれ、母親レベルじゃなくて、もはや花嫁レベル」
大森「これ毎日作ってほしい……いやマジで」
〇〇「うるさいなぁ、たまたま頑張っただけだよ(笑)」
若井「いただきますっ!!……うんっ!!うっま!!!」
藤澤「唐揚げ、外サクサク!!中じゅ〜し〜!!」
大森「この味噌汁、俺が作るよりうまいの認めるわ……くっそ、、悔しいけど……」
〇〇「いやいやいやいや、そんな持ち上げなくていいってば(笑)」
若井「てかお前、ほんと無理しないでよな。元気だからって張り切りすぎんなよ?」
藤澤「そうそう。調子乗ってまた熱出すとかナシな?」
大森「でも張り切ってくれたのは正直めっちゃうれしいから、これからも…甘やかしてくれ♡」
〇〇「も〜〜〜〜、結局甘えたいだけじゃん!」
3人「「「バレた?(笑)」」」
― 食後 ―
食後のまったりタイム。
ソファで横になりながら、3人に囲まれてテレビを見る。
〇〇「……なんか、すごい幸せかも」
若井「“かも”じゃなくて、絶対だろ」
藤澤「このシェアハウス、世界一あったかい説ある」
大森「俺ら、〇〇がいてくれてほんと良かったって、毎日思ってるから」
〇〇「……ありがと」
3人「「「こちらこそ♡」」」
(その夜の空気は、「ライラック」の歌みたいに、
あたたかくて優しくて、ずっと忘れたくないほど甘かった)