元貴 side …
「…緊急手術が終わりました。」
医者は眉間に皺を寄せて、難しそうな顔をしている。心臓がドクンドクンと音を立てる。すると、黙っていた涼ちゃんが口を開く。
「若井は大丈夫なんですか…?」
医者は深呼吸をしてからゆっくりと話し始めた。
「一命は取り留めたましたよ」
その言葉にホッとした自分がいた。だが、次の医師の言葉で更に胸が締め付けられるような気がした。
「ですがあまりにも怪我が多く、体への負担が大きいため、いつ息を引き取ってもおかしくない状態です…」
若井は生きている。でもいつ死んでしまってもおかしくない。その事実をどう受け止めればいいのか、もう分からなくなってしまった。
その後、俺と涼ちゃんは若井の居る病室へと案内された。
部屋に入ると、点滴やら心電図につながれた若井の姿があった。若井は頭に包帯が巻かれていて、首にはコルセットをつけていた。そして右手と左足にもギプスが巻かれていた。部屋には人工呼吸器や心電図、点滴の音が響いていた。
「…若井」
涼ちゃんが若井の左手を優しく握る。若井から反応はない。そんな姿に胸が苦しくなる。
「…もっと3人の時間作っとけばよかったね」
つい口から思っていたことが零れた。すると涼ちゃんがゆっくりとこちらに振り向く。
「もっと3人だけの時間作ってればさッ、このまま若井が目を覚まさなくても、後悔なかったかもしれないじゃんッ…?」
声が震える。その時、さっきまで黙って聞いてた涼ちゃんが俺の肩を強く掴んできた。
「そんなこと言わないでよッ!!!」
突然のことに固まってしまう。涼ちゃんの瞳は真剣で、俺の瞳をじっと見つめてくる。俺はつい目を逸らしてしまった。
「若井は絶対大丈夫だよッ!!!だって若井、強いもんッ…」
涼ちゃんの瞳がうるうると揺れる。いつの間にか彼の頬には涙が伝っていた。彼の泣く姿に、胸の奥がぎゅうっと押しつぶされるような感覚がした。涼ちゃんだって辛いはずなのに、俺は何やってんだろ。俺は涼ちゃんみたいに誰かを励ましたりなんて出来ない。涼ちゃんに泣きついて不安なことぶつけて。本当にみっともない。
「若井が死ぬわけないじゃんッ…元貴、信じよッ…?泣」
俺は頷くことしか出来なかった。今は若井を信じるしか道はない。涼ちゃんが優しく俺のことを抱きしめる。あぁ、この温もりだけはどこにも行かないで欲しい。
2024年12月23日_
それから、数日後。俺たちは若井を信じることが唯一の希望だと信じて、前を向いて普段通り過ごしていた。
いつも通り、家で制作をしていた時だった。医者からある連絡を受けた。
「若井滉斗さんが、今朝、亡くなりました。」
「…え?」
若井が死んだ。今まで信じていた物は完全に打ち砕かれた。なんで?今まで特に体調が悪くなることはなかったはず。信じられない事だったが、不思議と涙は流れなかった。
その後、葬儀などが行われたが、涼ちゃんはいつもの様に周りを励ましたりする様子はなく、ずっと俯いて暗い顔をしていた。
若井さん…😭
勝手に考えて、勝手に書きながら
悲しんでます… ((
葬儀のシーンなども書きたかったのですが、
もう作者の頭が電池切れです🙄
このお話が完結したら
未公開の特別シーンなどを出そうかな!
これからのお話の展開も
楽しみにしていてください!!
ではまた次のお話で^^
コメント
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若井っ ̯ ‹。՞