テラーノベル
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小さな休憩所。雪が窓の外でちらつく中、フィンランドは背中を日本に預け、膝の上に置いた毛布の上でおにぎりを頬張っていた。
フィンランド(もぐもぐ)
「……日本、君のおにぎり、やっぱり温かいね……」
日本は静かに彼女の背中を支えながら、手元で茶碗にお茶を注ぐ。
表情は変わらないけれど、肩に伝わる温もりが少し和らぐ。
日本「……落とさないように」
フィンランド「うん…ありがと……」
(おにぎりを小さく頬張りながら、つぶらな瞳で日本を見る)
外の戦場では銃声と爆音が響いている。
だがここでは、少女たちの軍服姿でも、ただの二人の仲間――いや、少し甘えた少女同士の時間が流れていた。
フィンランド(小声で、もぐもぐ)
「君って、怒らないんだね……ちょっと怖いけど……安心する」
日本は何も答えず、ただ静かに彼女を抱きかかえる。
フィンランドは満足そうにおにぎりを握りしめ、ぽんと日本の肩に頭をもたれかけた。
雪の匂いと、温かいおにぎりの香りが混ざる休憩所。
そこだけは、戦争の苛烈さも、口論も、少しだけ遠くにあった――。
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