「ねえ、ドス君、そんなに今の僕が面白い?」
爪を噛むのを辞めたドス君が此方を見つめる
ドス君はあの日の約束を果たし僕は撃たれ最後の時を迎えようとしていた。
「ええ、とても滑稽ですから。」
立ち尽くすドス君の袖を引っ張って引き寄せる
どう見てもこの状況には不似合いな甘美なリップ音が木霊した
「ドス君、僕はさ、この世界に救い何て無いって自惚れてた。そう思い込んで居ないと世界の、僕の価値を見いだせなかった」
でも、
「ただの凡人がこうやって天才様の脳裏に刻み込まれるのを僕はとても光栄に、そして僕も滑稽に思うよ」
これでドス君を殺す必要は全て無くなった
私は自由だ!!
「感情からの開放に、肉体からの解放。こんなに主人に世話を焼かせるなんて正に駄犬ですね。」
目を瞑り呆れ果てる彼はまるでアダムのように妖艶で、彼の操り人形、手駒として生きた人生が何とも愛おしく思えた
僕の頭に巻かれた包帯をドス君は優しく優しく撫で下ろす
「愛していますよ。コーリャ」
そうドス君が耳元で囁く。
僕の身体も限界が来たのか、床に倒れ込んだ。
はは。ドス君も性格悪いなあ、ドス君の異能を使えば一瞬で死ねるのに
でも態々直接殺してくれた事がとても嬉しかった。
「最高のクリスマスプレゼントだ!!!!!ちょっと早いけどね!」