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【プロローグ】
夜の帳が落ちると、宮殿には静寂が訪れた。
天井に描かれた無数の天使たちは漏れ光に照らされ、こちらを見下ろしている。神の声を待つ数千人の信徒たちは床に額を押し付けるように這いつくばり、大広間は重苦しい緊張に沈んでいた。
静寂の中、男の低く凛とした声が響く。
「セリオ様のおなりである__。」
その声に合わせて、広間の前方にかかっていた幕がゆっくりと揺れ動き、しばらくして、1人の少年が姿を現した。
少年は煌めく巨大な王座に鎮座し、群衆を一瞥する。その瞳の片方は青に淡く光り、星のような美しさを持っていた。
彼の表情は冷たく、世俗的なものとは遠く離れた存在感を携えていた。
「星導者セリオ様、 御出座! 」
その一言に合わせて広間の空気が一層引き締まり、すべての視線が王座に座る少年へと集中した。
少年は表情を一才変えず、淡々と、ただその薄い唇を動かしこう述べた。
「今より、我らが神ミルナクの聖なるお告げを、ここに示す。」
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