雲雀視点
アキラが部屋から出て行った。俺は隠し持っておいた救急箱で出来るだけ急いで手当てした。セラおは目をバツにして呼吸を整えている。肩をさすると、目を開けて俺を見つめてきた。
hb「セラお、大丈夫だぞ!偉いな、頑張ったな!ごめんな、守ってやれなくて…。」
困惑したような顔のセラおの手を引っ張り、部屋の窓から外に出る。裏道から開いた道路に出て、近くの公園のベンチに座った。
hb「ちょっとごめんな~」
そう言ってセラおのピアス、つまりGPSを取り外して、踏みつける。そうすると簡単に粉々になってしまった。あとは粉々になったそれを公園のゴミ箱に捨てれば完璧!
hb「うしゃっ!セラお!ラナキュラのとこ行こ!」
sr「ぇ‥ラナ、キュラ…今から…って、こと…? 」
hb「おう!」
セラおは少し考えてるみたいだ。そうだよな、信じてた奴らに裏切られたようなもんだからな…。でも出来るだけ早くここから離れたい。奏斗達がいつ気づくか分からない。少し焦ってきたとき、
sr「…ぃく、」
良かった。セラおの賛成意見が聞けて。そうと決まれば早速向かう!…ところだけど、今のセラおじゃあ自力で動くのは難しそうだ。この公園に来るまでにも体が重たそうだったんだ。どーしょうかな。…そうだ!
hb「セラお!カモン!」
sr「…ぇ、良いの…?」
hb「任せろ!」
俺は背中を向けて左膝をつく。おんぶするぜってことよ!少しの間のあと、仕方なく乗りに来てくれた。立って走り出したのは良いもののセラおは重いな…筋肉が凄いのよ!まぁ見くびらないでくれ。俺にかかればセラお背負って走るのくらいちょちょいのちょいよ!…でもセラお‥冷たいなぁ、そりゃあんなやられっぱなしじゃ貧血くらいなるわな。様子を確認しようと軽く振り返ると、すぅすぅと寝息をたてて俺の右肩に顔をうずめるセラおがいた。もうそろ着くから起こそうとも思ったが、やめることにした。申し訳ないからな!
インターホンを押すと、家主である《天ヶ瀬 むゆ》が出迎えてくれた。
am「何?今日は皆オフなのに何でむゆのことろに来るの!」
hp「あれ?渡会さんじゃん!…って背中のダズズ!?」
となりのト○ロじゃあるまいし。
pn「となりのト○ロじゃあるまいし。」
あ…同じ事言った。じゃなくって!
hb「とにかく失礼しま~す!」
am「あ、ちょ!待ってよ!」
家の中に押し入って案内されたベッドにセラおを寝かせ、俺はソファーに座った。
am「他人を自分のベッドに寝かせる時が来るとは…よりによって巨大男だし。」
pn「まぁまぁ、…でさ、何があったの?」
なんか真面目な雰囲気になった。俺は切り替えて、話せるだけ話した。3人とも真剣に聞いてくれて、少しホッとした。
am「…大体は分かった。じゃあ、セラダズと地下に居て。あともう一人居てくれる?」
hp「はいはい!海妹がいく!」
am「w…決まりだね。」
pn「…もしセラダズ達の居場所がバレそうになったら私がこの家に引っ越して来たって言うからそしたら裏口から私の家に行って。裏口出て右に真っ直ぐ行けば着くから。マンションの1階、103号室。セキュリティーかたいからこのカードがないと入れないし、窓も外から内側が見えない素材だから。分かった?」
ヤバい、全く分からん。早口だし。何て言ってた?マジで分からん。
am「そうだね。それが一番安全そうだし、二人も賛成?」
hb「お?おん!」
hp「賛成!」
pn「絶対分かってないじゃん。wまぁ、さっそく作戦実行!」
hp\hb「おー!」
am「おーw」