貴方「本当に、この先にエマちゃんがいるのかな……?」
学園長の依頼を受けたアゲハ、ジンペイ、コマ、マタロウ、メラ、フブキ
の6人は、不気味な薄気味悪い森の中を歩いていた
アゲハは周りをキョロキョロと見ながらそう声を上げる
マタロウ「確か、剣の塔って言ってたよね?」
フブキ「でも、1人で閉じ込められてるなんて、可哀相……」
メラ「余程酷い悪霊みたいだな」
マタロウに続き、フブキとメラも深刻そうな顔をする
そんな暗い空気の中、ジンペイが張り切ってカンフーキックを繰り出す
ジンペイ「ま、どっちにしても、その悪霊を退治すれば一発解決なんだ!
シンプルでいいよな!」
そんなお気楽なジンペイを見て、アゲハは困り顔で笑う
少しして、アゲハ達6人は森を抜け、剣の塔の前までやってきた
天に届きそうなくらいの高さがあるその上には、不気味な暗雲が立ち込めており
雷が鳴り、稲妻が迸っている
コマ「これが、剣の塔……」
コマは塔の天辺を見上げながら呟く
マタロウ「何か書いてある」
地面に突き立てられてある看板をマタロウが発見し、アゲハが読み上げる
アゲハ「『これより建付けの古い螺旋階段。重さ制限により定員1名』だって…」
メラ「なんだそりゃ!?行けるのは1人だけってことか!?」
メラが驚いて声を上げると、
コマとフブキが、如何にも上りたくないとでもいうような言い草をする
コマ「僕、高いとこ無理かな」
フブキ「暗いとこイヤ」
メラ「俺じゃ体重がアウトだろうな」
そう続くメラの言葉に、ジンペイの視線がマタロウの方に…
ジンペイ「そうなると……」
他の皆も息をするかのような自然な流れでマタロウの方に視線が行く
マタロウ「……えッ!?ナニナニッ!?;」
ジンペイ「じゃあ頼んだぞ、マタロウ」
コマ「頑張ってね」
ジンペイに続き、コマにそう言われ、汗をたらたらと流すマタロウ
マタロウ「………」
言葉を失って固まるマタロウを意にも介さず、他の5人は来た道を引き返し始めた
マタロウ「皆待ってよ!僕には無理!絶対に無理!!
『たまたま』ここまで来た『たまたま』男だよ!?
良い事があっても『たまたま』だろうって言われるくらいだし!?
そもそもそんな目立つポジションはらしくないっていうか、日影がいいっていうか…」
ヒステリックに叫んだのち、体育座りをし、ブツブツとマイナスな事を呟くマタロウ
そんな情緒不安定なマタロウを見て、思わず立ち止まるコマ。
コマ「なにも、そこまで卑屈にならなくても…;」
すると、アゲハが控えめに手を上げる
アゲハ「じゃあ、私が行ってもいい?」
その途端、その場にいる全員が慌て始めた
ジンペイ「駄目だ!!」
コマ「アゲハちゃんにこんな危険な事はさせられない!」
フブキ「そうよ!ここはマタロウ君に任せちゃえばいいのよ!」←ん??
マタロウ「フブキさん酷っ!?でも、確かにそうだよ!
アゲハさんが行くなら僕が行くし!」
メラ「ああ、俺も全力で反対する」
………皆、アゲハの事となると滅茶苦茶必死になりますねε- (´ー`*)
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