テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ペケ
232
2,438
かわそ🍼💙🤍
13,448
⚠️注意お名前を借りてるだけで、ご本人様とは一切関係ありません。デリケートな界隈ですので拡散等は絶対にしないでください。
初書きです。下手くそなので苦手だと感じたらすぐ逃げてくださいm(_ _)m
攻💛
受💙
連休明けから投稿頻度落ちますm(_ _)m
✂︎———————————–————-✂︎
吉田さんと付き合える。
その事実が、まだ信じられなかった。
昨日までなら、隣にいるだけで嬉しかった。
それが今は、恋人。
……恋人、なんや。
「太智」
『ん?』
「何ニヤニヤしてんの」
『え?』
慌てて口元を抑える。
『してへんし』
「してるよ」
『してへんって』
「……してるじゃん笑」
そういって吉田さんが笑った。
ああ、幸せやな。
告白して、よかったぁ。
────────────────────────────
付き合い始めてから、いくつか変わったことがある。
仕事終わりにふたりでご飯を食べに行くようになったり、休みの日に会うようになったり。
たまに寝る前に電話もしたりと、中々順調なお付き合いだと思う。
『吉田さん、あそこのラーメン寄って帰ろ』
「分かった。荷物まとめるから待ってて。」
俺らの仕事が終わる頃には、夜も更けて人通りが昼と比べて一気に少なくなる。
帰り道。
並んで歩いていると、何度か手がぶつかった。
繋ぎたい。
付き合ってるんだから、ええよな?
そう思って、でも少し迷ってから手を伸ばした。
吉田さんの指に触れる。
吉田さんは一瞬驚いた顔をしていたが、何も言わず握り返してくれた。
「手ぇつめた」
『吉田さんがあったかいんやろ』
「そう?」
『そう』
ぎゅっと強く握ると、吉田さんも少し握り返してくれた。
それだけで胸がいっぱいだった。
*
そんな日が、何日か続いた。
吉田さんは優しかった。
俺が好きだと言ったものを覚えていてくれたり。
仕事終わりに、
「このチョコ太智好きでしょ」
って買ってくれたり。
俺が「もうちょい一緒にいたい」と言えば、嫌な顔ひとつせず付き合ってくれた。
俺は、そのたびに嬉しかった。
吉田さんも、俺のことを大切に思ってくれてる。
そう思っていた。
ある日。
俺は楽屋で佐野さんと話していた。
くだらないことで笑って。
気づけば、結構長いこと話していた。
ふと視線を感じて、顔を上げる。
少し離れたところに、吉田さんがいた。
目が合う。
でも、何も言わない。
その日の帰り。
二人で歩きながら、なんとなく聞いてみた。
『……吉田さん』
「ん?」
『今日、俺と佐野さん話してたやん』
「うん」
『見てた?』
「見てた」
なんて事ないように言われて、
『そっか』
それだけ言って、黙る。
しばらく歩いてから、胸の中で思った。
――嫉妬、しないんだ。
俺なら。
吉田さんが他のやつと、あんな楽しそうに話してたら。
すごい嫌だけど。
……まあ、吉田さんはそういう人やし。
そう思って、その違和感を飲み込んだ。
その夜。
ベットに寝転がりながら、吉田さんに『明日のオフ、昼ぐらいに会えない?』とメッセージを送る。
吉田さんならすぐ返してくれるだろう、
吉田さんとのトーク画面。
付き合い始めてからのやり取りを、上から順番に眺めて暇を潰す。
『今日終わったら飯行かへん?』
『いいよ』
『明日空いてる?』
『夕方なら』
『今度ここ行こ!』
『いいよ』
『電話してええ?』
『うん』
指が止まった。
……あれ。
もう一度、遡る。
『今日空いてる?』
『今なにしてる?』
『終わった?』
『飯行かへん?』
『次いつ会える?』
『また二人で行こ』
『今度いつ会える?』
全部。
俺からや。
多少なり温度差を感じることはあった。
でも、ここまで露骨だったか?
…なんだか、俺ばっかり。
少しずつ思考にモヤがかかってくる。
…なんか今日だめな日かもな。見るのやめよ。
トーク画面を閉じようとしたそのとき、
吉田さんからの返信が来た。
『いいよ。行きたいとこあるの』
…あ。
一瞬で嬉しくなる。
明日、会える。
それだけで口元が緩む。
けど。
すぐに、さっきまで見ていたトーク画面が頭に浮かんだ。
今回だって。
俺が誘ったから。
吉田さんは、空いてるって返してくれただけ。
『……』
別に、それが悪いわけじゃない。
吉田さんは断ってない。
ちゃんと会ってくれる。
俺が行きたいって言った場所にも、一緒に行ってくれる。
それなのに。
なんでやろ。
「会いたい」って言ってるのは、いつも俺だけみたいに思えてしまう。
スマホを握る。
明日、楽しみ。
めちゃくちゃ楽しみ。
でもその「楽しみ」の中に、
吉田さんも同じくらい楽しみにしてくれてるんかな
っていう疑問が、ずっと残った。
『この前舜太が言ってた駅前のお店行きたい!』
そう送ると、すぐ
『じゃあそこ行こう。昼前集合で。』
と返信がくる。
それを見て、トーク画面を閉じる。
⋆. ݁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ݁.⋆
次の日。
予定通り、ふたりで出かけた。
いつも通り、飯を食べて。
歩いて。
くだらない話をして。
吉田さんがツッコんで。
笑う。
楽しい。
ちゃんと楽しい。
だからこそ。
胸の奥にずっと引っかかっていたものが、消えなかった。
薄々感じていた温度差が。
今日になって、会話の合間にやけに鮮明に感じられる。
俺は今、吉田さんと一緒にいられることが嬉しい。
この時間が終わってほしくない。
もっと一緒にいたい。
でも。
吉田さんはどうなんやろ。
ふと、足を止めた。
『…吉田さん』
「ん?」
『俺のこと、好き?』
吉田さんの足が止まる。
少しだけ、目を伏せた。
ほんの一瞬。
本当に、一瞬だった。
「……好きだよ」
そう言って、吉田さんが俺を見る。
優しい声だった。
いつもの吉田さんの声。
でも。
分かる。
俺には分かってしまう。
何年も一緒にいる。
吉田さんが本当に嬉しいときの声も。
困っているときの声も。
無理して笑っているときの顔も。
全部、知ってる。
だから。
分かってしまった。
『……そっかぁ、』
笑ってみせる。
「うん」
吉田さんも笑う。
その笑顔を見て、胸が痛くなった。
ああ。
やっぱり。
俺が薄々感じていたものは、気のせいじゃなかった。
吉田さんは、俺を好きじゃないんだ。
大切にしてくれてる。
優しくしてくれてる。
きっと、俺を傷つけたくないと思ってくれてる。
だから。
頑張ってくれてたんや。
恋人みたいに。
俺が喜ぶように。
でも。
それは俺が欲しかったものとは、少し違った。
『ごめん』
『俺、もう無理かも』
視界が滲む。
「え」
『別れよ』
言葉にした瞬間、涙が溢れそうになった。
泣くな、泣くな。
「なんで?」
吉田さんの声が、少し揺れた。
『俺ばっかり好きやん。』
「そんなこと、」
『あるよ』
遮った。
『吉田さんがわるいわけやないで』
吉田さんは何も悪くない。
俺が勝手に好きになって。
勝手に期待して。
勝手に寂しくなってるだけ。
『っ俺、吉田さんにもっと好きになって欲しかった』
言いながら、喉が詰まる。
『でも、無理やろ?』
吉田さんは何も言わなかった。
『俺の事好きになろうとしてくれてるのはわかる、優しくしてくれてんのも。』
『……でも俺、そういうのじゃ嫌なんよ。』
沈黙が落ちる。
『俺と会いたいって、吉田さんから言って欲しかった』
自分で言ってて泣きそうになる。
『俺、吉田さんが俺のこと好きなふりしてんの、もう見てられへん』
「…太智、」
『ごめん』
今度はちゃんと頭を下げる。
『付き合わせてごめんな。』
「…違う」
「俺が……」
顔を上げる。吉田さんが困った顔で俺を見ている。
ごめんなぁ、困らせちゃって。気づくの、遅すぎたなぁ。
そんなこと、有り得ないのにな。
『もう、大丈夫や。今までありがとう』
そう言ったら、吉田さんは何も言わなくなった。
俺も、それ以上は言えなかった。
これ以上ここにいたら、本当に離れられなくなりそうだった。
『じゃあね』
背を向ける。
一歩。
二歩。
吉田さんは、呼び止めなかった。それが答えだった。
我慢していた涙が溢れ出す。
────これでいい。
これで、吉田さんは自由になれる。
明日から、元に戻るだけ。
10何年の月日に比べたら、ここ数週間のことなんて大したほどのことじゃない。
俺も、そのうち平気になる。
……帰ったら、目冷やさな。
コメント
13件
初めてコメントさせて頂きます。また素晴らしい作家様と素敵な作品に出会えたと感動しております🥹 このペアが大好きなので、細かい心理描写とかリアルな会話が刺さる刺さる😭 主さまのペースで良いので、ぜひ続きをお待ちしております♡
はじめまして‼️‼️ 一気読みしました🙋♂️かきかたが上手すぎて没頭してしまいました🥲︎🥲︎ フォローとブクマ失礼します( ᐡᴗ ̫ ᴗᐡ)
初コメ失礼いたします! おすすめで偶然見かけたのですが、切なくて本当に素敵なお話で、一気に最新話までたどり着いてしまいました><♡ この展開からどのように両思いになるのか…! 続きを楽しみにしています♪