レコーディングスタジオには、ピンと張りつめた空気が漂っていた。
Mrs. GREEN APPLEの新曲「天国」のハモリ部分を録り直している最中。
大森元貴は、何度も何度も高音に挑戦していた。
元貴「っ、ゴホッ……はぁ、ごめん、ちょっと咳出ちゃった……」
涼架「無理しないでよ、元貴。喉、限界きてない?」
若井「あー、やっぱ高ぇな、ここ……詰めすぎると良くないぞ」
〇〇「……もっくん、大丈夫?」
元貴「あ、〇〇……ん、大丈夫。ちょっと乾燥してただけ」
〇〇「そうは見えなかったけど……無理しないで。今日はハモリだけなんでしょ? 少し休んだら?」
元貴は少し照れたように笑って、スタジオの椅子に腰を下ろす。
元貴「ありがと。〇〇にそう言われると、ちょっと休む気になったかも」
若井「やれやれ、〇〇が言わなきゃ休まないのかよ」
涼架「まぁでも、〇〇ってほんとタイミング良いよね。俺らが言うより効果あるし」
〇〇はふわっと微笑みながら、元貴の隣に座る。
〇〇「……もっくんの声、ちゃんと届いてるよ。だから、無理に張り上げないで」
元貴は驚いた顔で一瞬〇〇を見るが、すぐに照れ笑いに変える。
元貴「うわ、言い方……ズルいな。癒されるわ」
若井「はいはい、収録終わったらイチャイチャタイムな」
涼架「おい若井、それ僕のセリフだって」
若井「いや俺だって思ってたから!」
レコーディング終了後──
機材を片付けて、スタジオを出た4人。夜風が少し冷たい。
〇〇「もっくん、喉まだ変じゃない?」
元貴「んー……ちょっとヒリヒリするかな。でも、だいぶ平気」
〇〇「……帰ったらハチミツ湯飲んでね」
元貴「あぁ、〇〇の作ったやつ飲みたい。優しすぎて泣く」
涼架「うわ、出た出た。甘やかされ隊の隊長だ」
若井「こりゃ完全にダメ人間化するな……」
〇〇「ふふ、じゃあ涼ちゃんと滉斗には甘やかし無しでいい?」
涼架「えっ、なんで!? 俺、今日ピアノで指つりそうになってたのに!」
若井「俺もギターで指先ガッサガサなんだけど? めっちゃ痛い」
〇〇はちょっと困ったように、でも優しく笑う。
〇〇「もう……。涼ちゃん、指大丈夫?痛くない?」
涼架「っ……やば、可愛い言い方……。うん、大丈夫。でももう一回言って」
〇〇「えっ……涼ちゃん、指大丈夫?痛くない?」
涼架「んぁ~~~~~~~~!!!!!今日生きてて良かった~~~!!!」
若井「あーもう、俺も言ってもらう。〇〇、俺の指も心配して」
〇〇「滉斗、指、大丈夫?ちゃんとケアしてね」
若井「ふっ……優しさが沁みるわ……。ギターやっててよかった……」
元貴「……え、俺の時だけ”もっくん”って呼んでくれたのになんで二人は名前呼びなん?」
涼架「嫉妬か?」
若井「嫉妬だな」
元貴「……違うし」
〇〇「……ふふ。もっくんだけ特別だも〜ん」
元貴「……あーもう無理。最高。ちょっと〇〇、こっち来て?」
〇〇「え?なに?」
元貴「こう。おでこ、くっつけたい気分」
元貴は〇〇の手を軽く引いて、おでこをそっと重ねる。
夜風の中、静かに交わるぬくもり。
元貴「……ありがと。今日、めっちゃ救われた」
〇〇「ううん。こっちこそ、もっくんの歌……すごく響いたよ」
涼架「ちょっ……なにこのリアル少女漫画展開」
若井「寒い中でそれやるのマジで羨ましすぎて凍る」
元貴「お前らは〇〇が指心配してくれたろ。十分やん」
涼架・若井「……それはそう」
4人の歩く帰り道。
寒さなんて忘れるくらい暖かかった。
玄関ドアを開けると、ほんのりアロマの香り。
涼架が昨日焚いていたラベンダーオイルの名残だ。
涼架「あー寒かったぁ~~~……風呂先入っていい?」
若井「ダメ。俺が一番汗かいたし」
元貴「いやいやいや、咳してた俺が優先じゃない?」
〇〇「もっくんは最後でしょ。乾燥してる中お風呂入ったら逆効果だし」
元貴「マジか、そこまで見られてんのか……こわいくらい嬉しい……」
3人は争いつつもどこか楽しげにじゃれ合っている。
〇〇はキッチンへ直行。全員分のホットミルクを用意する。
リビングにて
カップを渡して回る。
〇〇「はい、涼ちゃん」
涼架「え~~~やった……ありがとう。てか、カップ俺専用のやつじゃん」
〇〇「うん、涼ちゃんこれ好きでしょ?」
涼架「……あーもう、好き。〇〇のそういうとこほんと好き」
涼架は不意に〇〇の頬に、軽く唇を触れさせる。
一瞬の出来事に、〇〇がぱちくりと瞬く。
〇〇「っ……涼ちゃん?」
涼架「え、僕だけじゃないからな。今日のレコーディング、褒められること多すぎて溶けそうだったし。ご褒美ね」
若井にもカップを手渡す。
〇〇「滉斗には、シナモンちょっと入れてみたよ」
若井「マジ?うわ、わかってんじゃん。好きなの完全にバレてるな」
〇〇「前、言ってたから。覚えてただけ」
若井「……こういうの、好きになるなってほうが無理だよな」
若井はカップを両手で持ったまま、〇〇をまっすぐ見つめる。
若井「俺、今日の〇〇見てて思ったけど……隣で支えてくれる人、もう決まってんのかなって。なんか、そう感じた」
〇〇「滉斗……」
若井「それでも、俺も手あげとくから。こうやって甘えてくれんなら、俺も甘え返すからさ」
〇〇「ふふ……甘えていいよ、滉斗」
〇〇が優しく微笑むと、若井はそのまま〇〇の頭をそっと撫でた。
お互いに目を閉じて、少しの間だけ時間が止まる。
最後に元貴。
すでにカウチに寝転んでいて、完全にオフモード。
〇〇「……もっくん、こっち来て」
元貴「んー、動けない。もうダメ……エネルギー切れ……」
〇〇「仕方ないなぁ……じゃあ行くね?」
そう言って、〇〇は元貴の隣に座り込む。
そのまま彼の髪を優しく撫でながら、ホットミルクを差し出す。
元貴「うう……甘やかされて生きてたい……一生こうしてたい」
〇〇「……いいよ。ずっとそうしてても」
元貴「ん、やっぱ好き……いちばん好き……」
若井「おい、聞こえてるからなそれ」
涼架「僕のキスはノーカウントか?」
元貴「……は!?なにしてんの!?」
涼架「うるせぇ、僕も好きだし」
若井「俺もだってば」
〇〇は少し困ったように笑いながら、3人の間に座り直す。
左右から寄りかかってくる若井と涼架、ソファから手を伸ばす元貴。
みんな、子どものように甘えてくる。
〇〇「……もぉ、みんな一人ずつね」
涼架「じゃあ明日は僕だけ甘えていい?」
若井「おい、明日は俺のターンな」
元貴「絶対俺な。譲らん」
〇〇「ふふ……順番なんて、決めなくてもいいのに。ちゃんと、みんな大事だよ」
リビングの灯りは優しく、ぬくもりで溢れていた。
誰もが心から安らげる、幸せなこの家で。
しばらくして
10月31日。
ハロウィン当日。街が仮装の人たちであふれるなか、ここはとあるシェアハウスのリビング。
4人は恒例の「ハロウィンコスプレパーティー」の真っ最中だった。
テーブルにはお菓子とカボチャランタン、そして派手な衣装をまとったミセスの3人と、ひときわ注目を集める存在——〇〇。
🎭 コスプレ発表
元貴「どう?俺の吸血鬼、決まりすぎじゃない?」
黒いマントの裾を翻しながら、不敵な笑みを浮かべる元貴。
赤い裏地が揺れ、口元にはフェイクの血が滴っていた。
若井「いやいや、俺のヴァンパイアのほうが“貴族感”あってイケてるっしょ?」
ゴシックなブラウスに、ワインレッドのベスト。髪の毛は少しオールバック気味にセットして、目元は濃いめのシャドウ。
涼架「僕は警察官。……ふふ、こういう格好、〇〇好きじゃない?」
涼架はぴったりと体にフィットした制服に、手錠を腰にかけ、やけに余裕のある表情。
そんな中。
〇〇「……おまたせ」
紅のチャイナドレス、体のラインを美しく魅せるシルエット。
深く入ったスリットから、すらりと伸びる脚が覗く。
ツヤのある髪はアップにまとめて、揺れるピアスが顔まわりを彩る。
その瞬間、空気が一変した。
元貴「…………っ、は?」
若井「ちょ、マジ……」
涼架「…………ぶふっ!」
\ぶっしゃぁぁあ!!/
3人、見事に鼻血噴射。
〇〇「え、なに!?ちょ、鼻血!?だ、大丈夫!?!?」
元貴「や、やばいって、それは反則すぎ……」
若井「なんでそんなもん着てんの、え、天使?女神?」
涼架「〇〇……その脚、今日だけ?明日も見せて……いや、今のうちに脳に焼き付けなきゃ……!」
:元貴(吸血鬼)
みんなで写真を撮ったあと、ソファでくつろぐタイム。
〇〇が紅茶を淹れて戻ると、元貴がすっと近づいてくる。
元貴「なぁ、ちょっとこっち来て?」
〇〇「え?なに……」
ぐい、と手を引かれ、マントの中へ。
元貴のマントの内側は意外と暖かくて、甘い香水の匂いがする。
元貴「吸血鬼ってさ、ハロウィンだけ許される存在じゃん?」
〇〇「……うん」
元貴「だったら今日だけは、何しても許されるよな」
そのまま、首筋に指をすべらせる。
ひんやりとした指先が、ゆっくりと〇〇の肌に触れると——
〇〇「……っ!」
柔らかく、でも確かに“そこ”に、元貴の唇が触れた。
フェイクの牙で、軽く——本当に軽く“甘噛み”される。
元貴「……ごめん。これ、我慢できなかった」
〇〇「……もっくん、ズルい……」
元貴「ねぇ、ずっとここにいて。今夜は、お前の血だけで酔えそう」
その声は低くて、震えるほどに甘く、心臓を撫でるようだった。
:若井(ヴァンパイア)
少しして、〇〇がキッチンへ行こうとすると、後ろからマントがふわり。
若井「待って、ちょっとだけ」
〇〇「ん?どうしたの、滉斗」
若井は静かにマントを広げて、〇〇を中に包み込む。
若井「そのドレスさ、スリットの位置……えっちすぎ」
〇〇「ちょ、見すぎ」
若井「見るだろ、そんなの。俺、今日〇〇の脚しか見てないし」
彼の指先が、チャイナの布の上から太ももをなぞる。
若井「俺の前だけで着てるって、信じていい?」
〇〇「……もちろんだよ」
若井「うん、……よかった」
少し照れたように笑った若井は、そのまま〇〇の手を取り、自分の胸元にあてる。
若井「今、すごいドキドキしてるのわかる? ……これ、ぜんぶお前のせいな」
:涼架(警察官)
そして夜も更けて、3人でハロウィン映画を観ていると、涼架がスッと隣に移動してくる。
涼架「〇〇、こっち来て」
〇〇「え、なんで?」
涼架「……お仕置き」
そのまま、すっと手錠を取り出し、〇〇の手首をつかんでカチャッ。
〇〇「え!?ちょ、涼ちゃん!?」
涼架「静かに。これは、僕に鼻血を出させた罪です」
〇〇「罪って……っ、そんな」
涼架「逮捕した以上、僕のものになってもらうよ」
〇〇の耳元に顔を近づけ、低く囁く涼架。
息がふっと肌にかかって、鳥肌が立つ。
涼架「……ねぇ、〇〇。僕じゃダメ? 甘えてほしいの、君にだけは」
その声は優しくて、でも逃げられないくらい本気だった。
🌙 夜の終わりに
パーティーの後。
みんな仮装のまま、ぐだぐだとソファでくっついてる。
〇〇は元貴の肩にもたれながら、若井の膝を枕にして、涼架に髪をなでられていた。
〇〇「……幸せすぎて、困る」
元貴「いや俺のセリフ」
若井「これ、夢じゃねぇの?」
涼架「僕も……こんなハロウィン、毎年してほしい」
〇〇は目を閉じて、3人のぬくもりに包まれながら、小さく笑った。
〇〇「……来年も、みんなで。絶対だよ」
3人「……うん、ぜったい」
ハロウィンの夜。
〇〇は誰にも選べなくて、3人とも“好き”だった。
そしてそれは、3人にとっても、同じだった。
了解です!!
続きは——**コスプレのまま4人でカラオケへ行き、歌って騒いで、イチャイチャしまくるハロウィン延長戦!**です🎤🎃
甘々テンションも継続、3人の個性を活かしながら、しっかり長めにお届けしますね。
リビングでゴロゴロしながら、パーティーの余韻に浸っていた4人。
〇〇のチャイナドレス姿に鼻血を出した3人は、ようやく呼吸を取り戻し始めていた。
涼架「……ねぇ、さっき思いついたんだけど」
若井「ん?」
涼架「このままの格好でカラオケ行かない?」
元貴「それだーーー!!」
若井「マジか、俺この格好で外歩くの?」
〇〇「え、行くの!?みんなノリ良すぎじゃない!?」
🚗 移動中:ハロウィン深夜、コスプレ4人組
都内某所のカラオケボックス。
繁華街は仮装だらけで、元貴の吸血鬼も、若井のドラキュラも、涼架の警察官も、〇〇のチャイナ服もまったく浮かない——
……いや、〇〇は浮いてた。美しすぎて。
道行く人の視線が〇〇に集中していた。
元貴「見んな見んな見んな、俺が見てんだよ」
若井「いや俺も。マジで俺のチャイナだぞ」
涼架「君たち落ち着いて。職質かけるぞ」
🎤 カラオケルームにて
カラオケボックスに入った瞬間、テンションMAX。
広めのパーティールーム、薄暗い照明、ハロウィンの飾り付き。
元貴「歌うぞーーーーー!!!!!」
若井「喉は!?お前吸血鬼やろ!?」
涼架「まぁでも歌わなきゃ始まらないしな、行け行けー!」
🦇元貴(吸血鬼)のターン
まずは元貴がマイクを握る。
選曲は『青と夏』。
音楽が流れると、彼の目つきがガラッと変わる。
ステージに立つ“あの”元貴の顔になり、力強い声が響き渡る。
元貴「♫あ〜の頃の青を覚えていようぜ〜〜!!」
〇〇「もっくん、かっこよすぎ……」
涼架「ずるいよね、歌うと本気で惚れ直すもん」
若井「〇〇が鼻血出す番だな……」
歌い終えた元貴はマイクを置き、息を少し切らしながら〇〇のもとへ。
元貴「どうだった?……惚れ直した?」
〇〇「うん。声、めちゃくちゃ響いた。……吸血鬼のくせに、心臓まで奪いにくるのずるい」
元貴「はぁ〜〜〜〜……〇〇、今すぐキスしてぇ……」
若井「おい、歌のご褒美にそれアリかよ」
🧛若井(ヴァンパイア)のターン
続いて若井が選んだのは、ロックな1曲『インフェルノ』。
ギターを弾いてるときのあの目つきと同じ。
ちょっと色気混じりの声に、〇〇の喉がゴクリと鳴る。
若井「🎵永遠はないんだと無いんだと云フ〜〜〜」
歌いながら、自然に〇〇のそばに来て、膝をついて歌いかけるように視線を合わせる。
若井「……全部、俺に燃やされろ」
〇〇「え、歌詞より破壊力ある……」
歌い終えた後、若井はマイクを放り投げ、ドリンク片手にソファへ。
若井「どうせ燃えるなら、俺の手の中がいいだろ?」
〇〇「えぇ……もうダメ……」
👮涼架(警察官)のターン
最後に涼架。
選曲は……まさかの『点描の唄』。
若井「バラードきた!?てかデュエット曲だろ」
涼架「〇〇、一緒に歌お?僕、サビ入ったら下ハモするから」
〇〇「わ、うん、いいよ……!」
〇〇と並んで立ち、マイクを持って優しく微笑む涼架。
〇〇「🎵わ〜た〜しの」
涼架「🎵ぼ〜く〜の〜」
二人のハーモニーが響き渡る。
他の2人も静かに聴き入っていた。
終わると、拍手喝采。
元貴「やっば、ふたり……まじ結婚しろ。やっぱだめ」
若井「声の相性エグいな……俺も混ぜて」
涼架「……ずっと、歌ってたいね。〇〇と一緒に」
イチャイチャ最高潮
そして時間は深夜。
みんな少し酔いが回って、テンションも甘さもMAXに。
元貴「ねぇ、そろそろハロウィンの“ご褒美”ほしいんだけど」
若井「お前だけじゃねぇぞ」
涼架「〇〇、僕ら3人に公平に、ちゃんと……甘えてね?」
〇〇は笑って、ひとりずつに、軽くキス。
〇〇「はい、吸血鬼も、ヴァンパイアも、警察官も、みんな優勝。今日は特別だよ?」
3人「……好きすぎる」
カラオケの帰り道、チャイナ服でマントに包まれた〇〇は、3人の中心で笑っていた。
〇〇「ねぇ、また来年も……一緒にハロウィンしようね?」
元貴「当たり前」
若井「ずっと一緒」
涼架「来年どころか、再来年も、もっと先も」
おわり!ゆゆなと話してくる!
ゆゆなだいすき!
みんな!口角押さえとかな、なくなんで!!
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あーもう口角またどっか行ったわ(??)