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ある夜、Dandyが不思議なゲーム機を仲間たちの前に置いた。
「じゃーん!最新の音楽パズル《Sprunki》だ! 僕が仕入れてきたんだよ」
画面にはカラフルで個性豊かなボタンと顔がいくつも並んでいて、ボタンを押すと可愛らしいキャラクターが リズムに合わせて音色を奏でる
「自分でキャラクターを置いて音楽を作る感じ……?」 Astroが眉をひそめる。
「なるほど、最高の音楽を作ればいいって事だろう?」Veeは楽しそうにボタンを押している
「あ、このキャラクター綺麗な音出すね!」Sproutはワクワクとした表情で眺めている。
「すごーい!かわいいキャラもいる!」Shellyは無邪気にボタンを連打。
「……妙ですね。このデザイン、どこかで見たような……」Dyleは冷静に観察する。
Pebbleは「ワン!」と尻尾を振って画面をのぞきこんだ。
最初はただのゲームだった。キャラクターを組み合わせて音を作るたび、面白い旋律が流れてくる。
だが、夜が更けるにつれ、ゲーム画面のキャラが勝手に動き始めた。
「……ねえ、これ押してないのに勝手に歌ってない?」Shellyが声を震わせる。
「ワタシの指示じゃないけど?」Veeは音を止めようとするがそれでもキャラたちは歌い続ける。
「…このボタンって……」と、Astroが興味で黒いボタンを押す。
すると突然、スピーカーから不協和音が鳴り響き、照明が一瞬消えた。
再び灯りがつくと、画面の中のキャラの顔が、まるで彼ら自身に似ていた。
ゲームの世界の背景も先程までは明るい青空色だったのに今では赤く、目のついた雲まである。先程まで楽しそうに演奏していたキャラクターはとても悲惨な姿へと変わっていた。
その変わり様に皆悲鳴をあげた。
「待って!なんで僕そっくりのがいるの!?」Sproutが叫ぶ。
「私に似てるキャラもいる!」Shellyが怯えた声でそう述べる。
「…これは実に興味深い」Dyleだけは冷静だが、その目はほんの少し怯えていた。
Vee似のキャラが画面越しに問いかける。
『問題:あなたたちは、このゲームから出られるでしょうか?』
「ワタシの偽物の癖に勝手に司会進行しないで」とVee本人が突っ込む
恐怖の空気。Dandyも流石にこれは予想外だったようだ。
「…これってそんなにヤバいゲームだったんだ!!」
画面の中のキャラたちは、リズムに合わせてこちらへじわじわと近づいてきていた。
まるで、ゲームの世界と現実が混ざり合っていくように。
画面の中のキャラたちは、ぎこちない動きでこちらへ歩み寄ってくる。
不気味な音色を奏で、現実の部屋に影が伸び、壁を這い、ついには床から這い出そうとしていた。
「ひっ……!」Sproutが後ずさる。
「ワン!ワンワン!」Pebbleが吠えるが、その声さえリズムに吸い込まれるように歪んで響いた。
『さあ、続けよう。音楽を止めてはいけない』
そう“影”が囁いた瞬間、Shellyのスカートの裾を、画面から伸びた手がつかんだ。
「きゃああっ!!」
彼女は必死に振り払い、Astroが慌てて引っ張り上げる。
「これはもうゲームじゃない……侵食だ!」
Dyleが低い声で告げる。
「この《Sprunki》は、私たちを“素材”にしようとしている。音楽の一部に……」
「ワタシが道具扱いされるなんてごめんだね!」Veeは怒鳴り、尻尾のように動くマイクを振り回して影をはじいた。
それを遠くから見つめるキャラクターがいた。そのキャラクターはDandyのような姿をしていた。
『ようこそ!sprunkiの世界へ…』