その瞬間、床一面に黒い液体が広がり、仲間たちの足を絡め取る。光が消え、目を開けたとき、彼らは見覚えのあるようで異様に歪んだ広間に立っていた。
壁一面が赤黒く、奇怪な雲がこちらを見つめている
「……ここ、ゲームの中……?」Astroが青ざめる。
「そんな馬鹿な……私たちが取り込まれたというのですか」Dyleの声も低く震えた。
「ワ、ワン……」Pebbleは尻尾を丸め、仲間の足にぴったり寄り添う。
『へへ、いっぱいここで楽しんでね…』
「楽しめるかこんなもん」
Dandyに似たキャラクターは暗闇の中へと吸い込まれるように消えていった。
「……それで、ここから出る方法は?! 」
「分からない…だけど、ここは安全じゃない。早く安全な所へ行かないと……」
shellyの問いにAstroが周りを警戒しながら答える。
「とにかく…今は歩こう、
そうすればきっと
sproutが言い終わる前に素早い影が高くジャンプし、sproutを攻撃しようとしているのにPebbleがいち早く気付き、「ワン!!」と大きく吠え、sproutのマフラーを強く引っ張る
「うわあっ!」
sproutはそのはずみで尻もちをつくが、その影の攻撃を避けることが出来た。
攻撃し損ねた影はバランスを崩してその場でゴロゴロと転んだ。だがすぐに立ち上がる。その影はこちらをゆっくりと振り向いた。
「……あ、あれって…」
shellyがその影を指差す。
その影、いや、彼女はsprunkiの世界の1人。『wenda』だった。
白いネコのような見た目で、ゲームの中ではリズムを奏でていたキャラだ。だが、今ではその白い毛には赤黒い血がこびり付いており、手にはナイフを持っていた。
「、! 皆逃げて!!」
Dandyの声を合図に皆一斉に走り出した。
それを見たwendaはニイッと不気味な笑みを浮かべ、追いかけ始めた。
最初に狙われたのはveeだ。
「ハァ、ハァ…なんでワタシがっ、」
必死に逃げるがスピードもスタミナもそこまでないのですぐに追いつかれてしまう。veeが終わりを悟った瞬間、
「ワンワン!!」
とPebbleの力強い鳴き声が後ろからした。
wendaはそれに反応し、ターゲットをPebbleに変えた。
「Pebbleが気を逸らしてくれているうちに皆逃げて!! 」
sproutがそう叫ぶ。
Astroはveeの元へ駆け付け、スタミナを回復させた。
「さあ、いこう……!」
「ありがとう、Astro。感謝しよう」
遠くにはうっすらとだが倉庫のような建物があった。
皆そこへひたすら走り続けた。
そして建物の中に滑り込むように入る。
Pebbleも遅れてその建物の中に入る。
「はあ……よかった…」
一時的にだが、安全な場所に避難できた為、皆安心したように力を抜いた。
「Pebble、あのキャラクターは?」
「アーフ!」
Pebbleはどうやら皆が行った後、wendaを引き離し、気付かれないようにここまで走ってきたようだ。
「さすがだねPebble…!」
shellyが軽くPebbleの頭を撫でる。
ここで暫くは休憩出来るかと思っていると、どこからか小さい物音が聞こえた。
それは人の足音のようにも聞こえる。
「…もしかして、バレた……??」
「皆、声を出さないで、物陰に隠れて…」
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