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そう。天はいつもわたしの味方なのだ!
名前は向けられたカメラにピースサインしてウィンクした。
「ご用件をお伺い致します」
名前はにっこり制服姿で受付から頭を下げる。
「あのねぇ…」
はあっ、とおばちゃんは腕を組む。
「前の彼氏がうちの犬、返してくれないの!どうしてくれる!?」
ちら、と隣の交通課の由美がそれを見た。
また変な…しかも相手は……と名前も見る。
名前は身を乗り出した。
「まあ!大変!内縁関係は成立していますか!?」
「してるわよ!5年も一緒なんだから!」
写真には可愛いパピヨンが映っている。
名前は写真にしがみつく。
「可愛い~」
「でしょう。なのに毎日あげる餌は乾燥フード…誕生日さえ祝わないし散歩だって家のまわり!なんて惨めな子!」
「なんてこと!」
うっうっ、と泣くおばちゃんに、名前はパーティションを出ていき肩を押さえる。
「大丈夫!取り返しましょう!内縁関係性があれば財産分与は半分です!今すぐに乗り込んでーー」
「はい」
由美が名前を押す。
「こちらで話を伺います…次の方」
「あ、あのねぇ…」
腰の曲がったお婆さんに、名前も腰を屈める。
「湿布代が高いの…」
「えぇ!それは大変だわ!毎日使うものなのにーー」
「名前えっ」
佐藤がまた名前を引っ張りあげる。
「あのねぇ!受付の意味わかってる!?警視庁に用事がある人を最適な場所へご案内する!それが当番!」
名前はびしっと敬礼してピースしてきた。
「もちろんです!わたしが受付にいるだけでほらぁ…」
案の定長い行列になっていた。
「みーんなわたしに会いたくて警視庁に用事ができちゃいます!へへっ!すごい才能!」
佐藤は頭を抱えた。
「あのド天然ポジティブどうしたらいいのよ」
結局立っている佐藤は、横にいる由美に尋ねる。
「無理よ」
由美は首を振る。
「生きてる世界が違うの。ご用件をお伺い致します…」
「えと、窃盗の被害届は…」
「刑事課でお伺いしまーー」
「佐藤さん!」
階段から高木が叫ぶ。
「公安部がーー!」
「どういうこと」
佐藤は喪服みたいな刑事らを睨み付ける。
「話すことはなにもない。どけ」
「させないわ!」
「佐藤さん!」
高木が佐藤に手を伸ばす。
「私たちが足を使い頭を使い心を砕いて調べた証拠なのよ!あなたたちは…いくらでも都合のいいように真実を動かす!我慢の限界よ!」
「佐藤さん!」
白鳥と高木が両側から佐藤を押さえるが、佐藤は噛みつかんばかりの顔のまま顔にそよ風を感じる。
見れば、名前がうちわで佐藤と公安の刑事を扇いでいた。
高木が顔を下にそらす。
「…何してるの」
佐藤は目だけ向ける。
「え?だって喧嘩してるんでしょ!どっちも頑張れ!」
「煽ってどうするんだ!」
白鳥が小さく囁くように怒鳴る。
「ぶつかるというのはお互いに本気なの」
名前はうちわを揺らす。
「だからどちらも引かないし私たちは刑事でしょ、佐藤さん」
「!」
佐藤は力を抜いた。ウィンクする名前。
「また取り返しましょう!必ずできるわ!だって仕事のできる私だものっ」
公安の刑事が少しずつまたがさがさ始めて、名前はそいつらの汗をふきだした。
外科医じゃないんだから…と高木はよれ、とデスクに手をついた。
「名前…あんたって子はーー」
「でも、そのとおりだ」
白鳥が手をやる。
「ほい!がんばれっ!」
未だに扇いでまわる名前に公安の刑事らは鬱陶しそうにする。
「…最強メンタルすぎ」
「はい所轄…なんだって?自殺志願者?まずい、高木!」
「あーあー…」
高木は上着を羽織る。
「こちらが終わったら行くわーー」
「いえ佐藤刑事っ」
名前はばっ!とまた敬礼する。
「わたしと高木で十分ですわ!あっ、はい。うちわ」
とうちわを公安のやつに渡す名前。
「それがいちばん心配なのがわからない!?」
「佐藤さん」
白鳥が首を振る。
「ていうかさ、僕きみの先輩じゃない?何で僕だけタメ口…」
「行くわよ!」
名前は髪を後ろになびかせて歩きだした。
警部が額を押さえ、白鳥に指差した。
「生きていれば運命は変わります!」
ビルの屋上で高木は両手を広げる。
「わたしなんて生きていたって…」
「まあ!」
名前はつかつか前に出ていき高木は本当に肝が冷えて息を止めた。
「(名字ーー!)」
「あなた!すごく髪の毛がきれい!」
は?とドアから聞いていた白鳥も、自殺志願者も高木も同じように言った。
ばっ!と手すりにつかまる片手をとる。
「爪もぴかぴか!なにか資格があって?」
名前は首をかしげる。
「…ね、ネイリストの資格があるの…」
「ならお店を開いたら?」
にこっと名前は首をかしげる。
「わ、わたしなんか…なにをやってもだめ…」
うっうっと泣き出す志願者に名前はまた続ける。
「だめよ!マイナスから始まっては!あなたはプラスにいるのよ!わたしを見て!」
男ふたりはただ固まっていた。
「プラス過ぎて定規が足りないわ…!」
ばっ!と手を空にやる名前に、男ふたりも空をゆっくり遠い目で見る。
「あぁ、いいお天気…」
白鳥がさらに遠い目で頷く。
「振られたの…」
志願者はまた泣き出す。
「8年付き合ってた…わたしはこんなに自分を磨いたのに…ううっ」
「よかったじゃない!」
名前は両手を握りしめる。
「あなたは美しいわ!それをわからない男が消えてくれたの!最高に運がいいわよ!嫉妬するくらいだわ!」
はっと高木が頷く。
「そ、そうだ!そのとおり!」
もうよくわからないが乗るしかない。
「天は君の味方だよ、きっと」
白鳥はため息をつく。
「そのとおりっ!」
名前はまた顔の前でピースする。
「必ずいい男が現れるし、鏡を見たら言うのよ!なんて可愛いの!そうやって!」
パトカーを見送り、名前はくるりと回って男ふたりを見た。
「あれ?疲れた?だめねー10キロくらい走ったら?」
「自衛隊じゃないんだから…」
高木は頭を垂れる。
「せめて2、3キロ…」
「高木。そこじゃない」
パトカーに寄りかかる白鳥がため息をつく。
「あぁ、お腹すいちゃった。まだモーニングやってる喫茶店あるかしら」
「あぁ、あるよ」
白鳥がパチンと指を鳴らした。
「あれ。高木刑事に白鳥刑事…」
おはようございます。とキッチンから笑う男に、名前は口を開けた。
「ああっ…」
ふら…と名前は倒れそうになり、安室は咄嗟に手を出す。
「っと…」
「イケメン!」
「はい?」
安室は中途半端な笑みで尋ねる。そのまま名前はがっ!と顔を引き寄せなんと口付ける。
げえっ!と白鳥と高木はのけぞった。
「おっと…」
きょとんとする安室に名前はようやく足を伸ばして立ち上がる。
「やだわたしったら!」
名前は片足をあげてからだをくねらす。
「またイケメンひとり幸せにしちゃった!あはっ」
「あはっ?」
安室はついに高木たちを見た。完全にクエスチョンが頭上に浮かんでいる。
だろうね、とふたりはさらに疲れながら席についた。
「すみません…安室さん…」
「いいですけどーー」
ばっ!と名前は安室に指差す。
「わたしにキスされると幸せポイントがたまるのよ!あはっ、よかったね!」
「たまるといいことあるの?」
「安室さん…」
コーヒーとメニューを渡す安室に、白鳥は首を振り続ける。
「えぇ!あ、わたしオレンジジュースにして。あー、幸せポイントはたまるとねっ」
ぱん!とメニューを閉じて名前はまたピースする。
「またわたしに会える!ハムチーズ!」
「ぷははっ…それはためなくちゃね…」
安室は伝票を書きながら笑っていた。
「(そういえば来たばかりの頃も僕言われましたけど、毎日会うじゃんって)」
「(は?僕もキスされたよ)」
「(うそ!?あれっなんで僕は!?)」
「おふたりは?」
名前は手鏡を見て肌を左右に見ていた。
「化粧ノリ最高すぎちゃう」
「…おなじので…コーヒーください…」
「はあー今日も仕事頑張ってるなぁわたし…なんて偉いんだろうなぁ」
「偉いね、うん偉い偉い…」
「白鳥しゃんアイス食べたいでしょ?」
はあ?と白鳥は寄りかかったままひっついてくる名前を見る。
たしかに可愛い顔してるけどあまりに性格が飛びすぎてて手に負えない。
「食べたいの君だろ。口にトーストの粉ついてるよほら…」
「やしゃしー」
へへっ!と笑う名前はぎゅっと腕にしがみついてくる。それを見下ろしたまま高木が耳を押さえていた。
「はい!わかりましたーー」
「事件!?」
「バスが急に暴走してると佐藤さんから!」
サイレンが聞こえてきてポアロの前に止まる。
「乗って!」
安室は領収書を持ったまま手を振った。
「あれだ!」
ばっ!と名前は後ろから顔を出す。クラクションが鳴ったままだ。
「佐藤さん!」
「え?わかってる!」
ぐわ!とスピードがあがり皆でシートに張り付く。
隣に並ぶと、高木が窓から顔を出した。
「運転手さん!運転手…だめだ!気絶してる!」
ちら、と後ろの乗客を見ればパニックになりかけていた。
急に名前が高木の上に乗って来たので全員がぎょっとした。
「ちょ、名前!」
「飛びうつる!」
「なにバカなことーー」
名前は険しい顔で振り向いた。
「白鳥!救急車は!?」
「はいはいーー!」
「高木!」
今度は高木に振り向く。
「窓を割る!こちらも窓からからだを出すわ!押さえてちょうだい!」
「本気なの!?誰かに開けてもらっ」
佐藤が叫ぶので名前も叫ぶ。
「乗客を危険にさらせない!椅子に全員座らせて!」
ばっ!と佐藤はスピーカーを取る。
「バスが暴走しています!危険ですから今すぐ建物のなかへ!こちら警視庁ーー繰り返しますーーバスの中の方は椅子に戻って!」
「救急車がくる!」
「高木!」
「ああもう!」
名前は窓からからだを出し、運転手のそばで首を振っている乗客を下がるように手でやる。
「佐藤!」
「はいはい!せーの…」
がん!と名前の肘が当たるが、窓はびくともしない。
「くそっ」
「名字!これで!」
白鳥がビニールに入れた小銭を出してきて、名前はにやりとする。
「あとでキスしてあげる!」
ぶわ!と思いきりそれで窓を叩くと、小銭分の小さな穴が開いた。
「佐藤!もう一度…」
「はいはい!せーの…」
ばりん!と今度は鳴ったとき名前は唸った。肘から血が滲みだし、はっと高木が叫ぶ。
「白鳥さん上着を!」
言われたとおり白鳥は上着を脱ぎ、高木がそれを名前に渡す。
窓ガラスにかけると、名前は高木に頷いた。
「乗客の皆さん!椅子に座って!頭をさげて!」
佐藤がスピーカーで叫び続ける。
「手をかけた!いい!?3、2…」
いち!で高木は思いきり名前を押す。がしゃっ、という音と共に名前は運転手に飛び付くようにバスに飛び込んだ。
ぐら!とバスが大きく揺れる。悲鳴と共に佐藤がバスの前にパトカーを思いきりぶつけた。
「立たないで!大丈夫!信じて!」
名前は運転手を抱いたまま乗客に叫ぶ。
「止まった…!」
わっ、と歓声が上がる間、名前は運転手をひっくり返した。
「う…」
震える手で指差すのは注射器だった。低血糖ーー!
名前は思いきり太ももにそれを刺す。
「だれかジュースを!100パーのやつとかない!?」
「フルーツジュースなら!」
投げられたそれを名前は運転手に飲ませる。救急車のサイレンが聞こえてきて、佐藤たちが乗り込んできた。
「お怪我は!?」
「ああ、大丈夫です!」
「ありがとう!」
「きみは天使だ!」
「運転手は!?」
「低血糖よ…」
ふう。と名前は汗をぬぐってふっと笑った。救命士が担架で運転手を担ぎ上げる。
「あ、ありが…」
名前はまたピースしたが、息があがっていた。
「ほんとにとんでもないわね、あなた…」
「これくらい朝飯前ですよ!名前ちゃん最強ー!」
ざわざわしていた野次馬がシャッターを切っている。
そう。天はいつもわたしの味方なのだ!
名前は向けられたカメラにピースサインしてウィンクした。
「忙しい1日だわねほんと…」
「仕方ありません詐欺グループのガサは元々の予定ですから…」
「見て!」
と名前がスマホを出す。昼間のバスの記事だった。
天使が飛び込んで止めたバス暴走ーーの記事の一面は名前のピースサイン。
「天使だってあははは!やーん!今日髪の毛もつるつるだし映りも最高にきゃわわ…」
「よかったね…君にしがみついてた僕は落とさないように汗だくだったよ…」
高木はまた頭を下げる。
「ん…あのバンまさか…」
ガラリ!とドアが開いた瞬間に名前にはスローモーションに見えた。
降りてきた眼鏡をあげるスーツの男が、バインダーを持ったままぺら…とそれをめくる。
「公安だわ…なにしてるの」
「むむ!」
名前はオペラグラスを覗いており、高木は2度見した。
「なにそれ?」
「イケメンよく見るために買ったの!ひっかかった!」
3人はぎょっとして一斉に名前を取り押さえる。
「やだちょ!なに…」
「やめなさい!公安の刑事と関わらないで!」
「風見刑事なんてまじでだめ!」
高木は大きく首を振る。
「これ以上いま問題を作るな!名字!」
白鳥も珍しく叫び散らかす。
「名前ちゃんにできないことはないの!ていやっ!」
名前はごろりとドアから転がる。
ふ、と風見が気づいたように目を向けた。
「所轄のガサとかぶっていますので」
耳から入る通信に風見は無視してバインダーを見る。
「あれぇ。名前さんだなぁ」
と降谷の声に風見は耳を押さえる。
だっ!と走ってくる名前に風見はぎょっとする。
途中で転んだので、風見は目の前のパトカーを見た。だめ!とか首を振ったり手を振ったりもう必死。
今度は後ろを見る。バンの中も同じようなもんだった。耳から降谷が爆笑するのだけが聞こえる。
「あいつは名字…」
「警視庁いちのド天然ポジティブ女」
「顔はいいんですけど頭がおかしい。知らないやついないですよ」
「へぇー」
降谷は唇にふれてにやにやする。
「以前風見刑事がいないときに…」
「公安部さーん」
と名前が言うので刑事らはぎょっとした。まっピンクの段ボールをカウンターに起き、上に証拠書類、と専用の段ボールを置く。
「持っていき忘れだよ!はいっ」
「…おい、段ボール…」
すん、とにおいを嗅いだ。なんかにおいついてる…。
「ちょっと!もってきたんだからクッキーくらいないの!?もぉ…だからいけないんだよぉ…」
「…」
「え!?ほんとにないのっ!」
ビックリする名前にビックリする公安部。
「じゃあ次会ったらね!チョコチップ派だよ!」
バイバイ!と名前はスキップして消えていき、公安部は唖然とした。
降谷はさらに腹を抱える。
「あいつが通るとわかるよな…」
「あぁ…なんか…においするし」
「スキップしてるし」
「歌ってる」
「風見知らないの?」
「なんかレーダーあるみたいに名字いるといないんすよ…だからここまでは…」
「ちょっと!」
ばっ!と顔をあげる名前はつかつかやってくる。
「やり直し!」
「はあ?」
「あっ…」
ふら、となる名前に思わず手をだす。
「…?」
風見は顔をしかめた。なんだこいつ。
「あはっ!信用できるじゃない!」
今度は逆に倒れそうになるのでまた手を出す。
「おいっ。何やっーー」
あぁあ!とパトカーの中は皆絶望した。
「!!!?」
キスされた風見がばっと離れる。
「なにを…」
「やだ!今日はふたりもイケメン幸せにしちゃった!神様!」
うふっ!と名前は片足をあげる。
「お前まさか名字か…」
「えーっ!」
名前は目をぱちくりする。
「今更!?わたしみたいな天使知らないなんて…」
ばっ!と名前は手を空にやるので風見は空を顔をしかめて見上げた。
「はいっ」
にっこりする名前はピンクの名刺を差し出す。
意味不明なまま受け取る風見。なんかにおいする。
「それからはいっ」
ピンクのふやふやしたのがついてるボールペンと警察手帳を差し出す。
「電話番号!」
「!」
にこっとする名前に風見は目を見開く。
「幸せにならなくちゃ、ね?」
「…なんでお前に教えなくちゃならな…」
「わたしに教えないのおっ!?幸せポイント減っちゃうよ!イケメンなのにっ」
「名刺渡しなよ…引き下がらないよ…」
と降谷。クスクス面白がる。
「イケメ…」
かああ…と風見は赤くなりながら顔をしかめる。
「名前ちゃんの目に間違いはないのだ!ははん!」
あなたもわたしが大好きになっちゃうんだから!
「…それより今夜だが、お前たち所轄の出番はない。帰るんだ」
「え?」
降谷は真顔になる。
「後ろのお仲間にそう伝えろ」
「なんで?」
名前はきょとんとして首をかしげた。
「自分で言いなよ」
「!」
降谷はにやりとする。
「自分でできないのに、人に言うのはダメよ」
ははははは…と降谷の笑い声がして、風見は顔をしかめた。
「お前…」
「にょ」
風見はぺし、と名刺を胸元に投げつける。
「風見…裕也警部補…へぇー!」
「とっとと行…」
「名前!」
ばん!と一斉に出てきた詐欺グループは散らばっていく。
「バレてた!追って!」
「はい!」
散り散りになる刑事らに、名前は警察手帳に風見の名刺を挟み胸に入れる。
ガチッ、と聞き慣れた音に顔をあげる。車に乗り込もうとした風見もはっとした。
「風見刑事いっーー!」
バァン、という音と共に名前は両手を広げたままくるり、と回って倒れていく。
「名字!」
「名前えぇえっ!」
佐藤が足でひとりを踏んだまま叫んだ。
「くそ野郎!」
がっ!と白鳥と高木に取り押さえられ、からんからんと銃が落ちる音がした。
「名字!!」
風見は倒れた名前を抱き上げる。胸元を押さえたまま名字は震えていた。
「うっ…」
「すぐ救急車を!ああ!なんてバカなことをーー」
「け、がは…風見…刑事…」
名前は辛そうに笑って見せる。雨が降りだしてきた。
「見せろ!」
「だ、大丈夫です…痛かったけど…」
「撃たれて大丈夫なわけがーー」
ばっ!と胸元を開くと、白いシャツは真っ白だった。
「…は?」
「あーー」
名前は濡れた手で、震えながら警察手帳を取り出す。弾丸は警察手帳のーー風見の名刺の位置で止まっていた。
二人は目を合わす。雨が降り注ぎ、まるでドラマみたいな状況に、全員が首を振った。
「そう…天はいつも」
白鳥が空を見上げる。高木も。
「彼女の見方なのね…」
佐藤の安堵の声に、どしゃぶりの雨のなか、風見は顔をくしゃくしゃにした。
「か…」
「名前えっ!」
抱き締められて、降谷は車を出せ、と言う。その通りにしたバンは走り去り、道路にはやがてドラマの中のふたりだけになった。
「うわぁぁあーん!あぁああー」
「高木!うるさい!なんとかせんかっ」
「八つ当たり!警部!そんな無茶な」
「なにやってるの」
佐藤が出勤し、じっ、と泣きわめく名前に腕を組む。
「今朝は警視庁ではないほうへ風見刑事が行かねばならず…一緒に出勤できなかったそうです…」
「それだけ!!」
それだけ!と所轄中は口にして耳を塞いだ。
「うわぁぁあん」
「いつものポジティブはどうしたのよ」
「違うじゃん!」
名前は佐藤を見る。
「可哀想なのは裕也さんじゃん!わたしといられないんだよ!あぁ!なんて可哀想っ…」
はー、と白鳥は椅子にのけぞった。
「そっちか…」
「あっ、ほら名前!週刊誌にきみのページあるよ!」
ばっと名前はもぎ取った。
警視庁の天使ーーバス暴走止める…
「大変!」
がばと名前は立ち上がった。
「超盛れてるっ!さっすがぁ!」
「ねぇ?だからお仕事もできちゃうよねぇ?」
高木は伺うように見る。
「裕也さんがね!」
佐藤はもうため息もでなかった。
「あー!またイケメン幸せにしちゃった!なぁんて天使ちゃんなんだろう!うふふっ♡」
「もういいわ」
「いずれ風見刑事も慣れますよ」
「言うて僕らも…彼女に力もらってますしね…」
名前はウィンクしてピースサインした。
そう。天はいつも私の味方なのだ!
#風見裕也
#ポケモン夢小説
#女主人公
コメント
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読み終えたよ〜っ💗 もう名前ちゃん、最強すぎるでしょ…!「天は味方」って断言しちゃうメンタル、しかもそれが現実になるっていう(警察手帳に名刺で弾丸止めるの、鳥肌立った…😭💗)。バス暴走のシーンも、♡♡♡志願者の子をネイリスト資格で励ますのも、全部ぶっ飛んでてでもすごく温かくて。風見刑事にキスしちゃうとことか、もうイケメンみんな名前ちゃんの虜になっちゃう展開にニヤニヤが止まらなかったよ…! 「ポジティブって武器になるんだな」って心から思った。続きすごく気になる…!早く次が読みたいよ〜🥀💗