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うい、我です。
(以下略)
ーーとーます視点ーー
「うん、お願い。ありがと。」
そう答えて、ソファーに戻り、抹茶をもう1口。
甘さもあるが、その中にかすかな苦味も感じる。
その頃、かえるくんは慌ててキッチンに向かっているようだった。
冷蔵庫の扉を開け、中を確認しているみたい。
何作ってくれるのかな~。
しばらく待っていると、美味しそうな匂いがしてきた。
これは…うどんだ!
『はい、持ってきたよ。』
かえるくんが、うどんをよそった深めのお皿を2つ運んできた。
「美味しそ~!」
「いただきます…!」
箸を手に取り、うどんをすすった。
「美味しい…!!」
本当に美味しい。
やっぱりかえるくんは天才か…。
うどん自体はシンプルであるが、かえるくんからの愛情を感じられる味だった。
『そんだけ美味しく食べてもらえると、僕も嬉しいな。』
かえるくんがそう言いながらニコッと笑いを見せた。
俺もその笑顔が見れて嬉しいな。
そんな中、ふとある考えが頭をよぎった。
これを言ってしまったらかえるくんに迷惑かもしれない。
それでも俺の口は動いていた。
「ねぇ、かえるくん。」
『…何?』
かえるくんが少し緊張した様子で、俺に視線を向けてくる。
「いきなりで申し訳ないんだけど…」
「今日…泊まってもいいかな…」
『えっと…その…///』
案の定、顔を少し赤らめて言葉を濁された。
…可愛いな…。
「ごめん…!嫌だった…かな…?」
『そんなことない…!!』
『…ただ…、心の準備が……。』
やっぱり…。
かえるくんはそっちを誘ってると思っちゃうよね…。
「ふふっ、大丈夫だよ。」
「何も無理強いしないから。」
優しく微笑みかける。
ーーかえる視点ーー
「うん、お願い。ありがと。」
とーますはそう言うと、再びソファーに戻っていった。
さて…僕もご飯作るか…。
と、少し急ぎながらキッチンに向かう。
『えっと…何があったっけ…。』
冷蔵庫の中には、卵、ねぎ、豚肉、豆腐、うどんなど、簡単な食材がいくつか入っていた。
他に何か入っていないかと探しながら、何を作るか考える。
『う~ん…うどんならすぐ作れそうかな。』
簡単な料理ではあるけど、暖まることもできるから、とーますも喜んでくれるはず…。
僕は作るものを決め、早速調理をし始める。
まずは豚肉を炒めることから。
そしてねぎも加えて炒め続けていく。
そうしたら、醤油、みりん、砂糖などの調味料類を入れて味付けをし、だし汁も加える。
ぶくぶくと沸騰してきたら、うどんを投入し少し待つ。
うどんが食べられる固さになったら、お皿によそい、最後に溶き卵を回し入れて完成…。
『はい、持ってきたよ。』
作り終わったうどんを2皿持ち、とーますのいるリビングに運んでいく。
「美味しそ~!」
ありがとう!
と、目を輝かせながら皿を受け取ったとーますは、僕が座るのを待ってくれていた。
「いただきます…!」
誰かに料理を食べてもらうのは初めて。
どんな感想をもらえるか…。
「美味しい…!!」
とーますは目を丸くしてそう言ってくれた。
『そんだけ美味しく食べてもらえると、僕も嬉しいな。』
彼が喜んでくれるのは、僕にとって何よりも嬉しい。
僕も箸を持ち、うどんを食べ始める。
「ねぇ、かえるくん。」
『…何?』
2人とも集中して食べていたときに、突然とーますが声をかけてきた。
「いきなりで申し訳ないんだけど…」
「今日…泊まってもいいかな…」
言われるとも思っていなかった言葉にドキッとした。
泊まり…?
それってつまり……。
『えっと…その…///』
自分でも顔が赤くなっていることが分かる。
「ごめん…!嫌だった…かな…?」
『そんなことない…!!』
慌てて否定する。
むしろ………。
『…ただ…、心の準備が……。』
「ふふっ、大丈夫だよ。」
「何も無理強いしないから。」
そんなとーますの言葉に、少し安心できた。
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