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うい、我です。
(以下略)
ーーかえる視点ーー
「大丈夫だよ。」
「何も無理強いしないから。」
いつも僕の気持ちを尊重してくれる。
そんなとーますだから、一緒にいて安心していられるんだ。
『うん…ありがとう。』
感謝を伝えるように、小さく呟く。
そしてその夜、僕たちはリビングで映画を見たり、たくさんお話ししたり…。
2人だけの空間を楽しんでいた。
その後、ベッドに入り、寝る準備をする。
僕が横になると、とーますが抱きついてきた。
「おやすみ、かえるくん。」
『おやすみ…。』
僕もとーますのことを抱きしめ、愛をお返しする。
そしてそのまま眠りに落ちた。
翌朝、僕が目を覚ますと、隣にとーますの姿はなかった。
あれ…?もう帰ったのかな。
重たい瞼を擦りながら、リビングに向かう。
机の上に、1枚の紙を見つけた。
とーますからの置き手紙かな…?
「朝ご飯は作っておいたよ。またね。」
そう書いてあった。
とーますはわざわざ僕に手紙を置いていってくれたんだ。
少し寂しくもあるけど、そんな優しさに心が温かくなる。
手紙の横に目をやると、朝食が置かれていた。
『いただきます。』
昨日は僕がお礼として、ご飯を作ったのに、結局とーますも作るんだったら意味ないじゃん…。
ほんとに申し訳ないんだけど…。
朝食を済ませ、食器の片付けをしていた時、ふと昨日の事を思い出す。
付き合ったばかりで一緒に寝た…。
何も起きなかったとは言え、さすがに展開が早すぎる。
それでもとーますと一緒に過ごしていると心が落ち着く。
『とーますのばか…//』
顔が熱くなるのを感じながら、部屋の掃除やベッドを整えた。
ーーとーます視点ーー
「ふふっ、大丈夫だよ。」
「何も無理強いしないから。」
かえるくんは頑張ってくれてるしね。
ゆっくり時間をかけて、お互いのペースで進んでいけばいい。
だって…それだけでも幸せでしょ?
『うん…ありがとう。』
そう小さく呟く声が聞こえた。
その夜はずっとリビングで過ごし、2人の時間を楽しんだ。
映画をみているときも、話している時もかえるくんはずっと隣に座っていてくれた。
俺はかえるくんの綺麗な手にそっと触れて。
時間も遅くなり、そろそろ寝る準備をしようと寝室に向かう。
ベッドに入り、かえるくんを抱きしめる。
「おやすみ、かえるくん。」
『おやすみ…。』
長い間想い続けてきた君と、今こうやって過ごすことができている。
かえるくんの事は絶対に手放さない。
朝、カーテンから漏れてくる日の光で目が覚めた。
横を見ると、かえるくんの寝顔。
まだ起きていないみたい。
かえるくんを起こさないようにと、ゆっくりベッドから体を起こす。
かえるに感謝を表そうと思い、キッチンへと足を動かす。
朝ごはんだけでも作って帰ろうかな…。
リビングのテーブルの上に手紙を残し、そっと家を後にする。
「お邪魔しました。」
いきなり泊まってもいいかを聞いて、こうやって泊まらせてもらえて…。
すごい迷惑掛けちゃっただろうな。
ありがとう。かえる。
手紙だけでも見て喜んでくれるといいな。
今度お詫びとして俺からも何かしなくちゃ。