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忘れられた記念日
今日はまろと付き合ってちょうど2年目の記念日
そりゃもう朝から今までずっと浮かれてて
まろにも連絡入れちゃったりして
もうほんとに楽しみだったの
でもその気持ちは1件のメールで壊された
それは、
「今日なんかあったっけ?」
このメッセージ。
いやさすがにわざとなんだろうと思ってたよ
すかさず送られてくる文字
「後、今日仕事延びてるごめんな」
残業だなんて聞いてないし、俺が仕事を渡したはずもない
きっと誰かの仕事を手伝ってるんだ
まろは普段からこのようなメールの送り方だから一瞬でわかった
本気で記念日を忘れてること
今のおれを見てよ
りうらに選んでもらった良さげの服に下着は可愛いのにして、まろが気に入った香水つけて、ピアスもネックレスも指輪も全部まろから貰ったやつにして、
あきらかに記念日の人の装いでしょ?
二人暮らしにしては大きい。なんて笑いあった食卓の上には俺からのプレゼントと手紙
華やかなそれとは真逆に今でも泣き崩れてしまいそうな俺
服を選ぶのもアクセサリーをつけるのも全部まろを考えながら、ひとつひとつ丁寧に時間をかけて身につけた
香水だってそう
まろがあの時いい匂い、ないこに合いそうなんて笑いかけるから買ってきた、
決して安いものじゃなかったし普段の俺なら絶対買わない
でも、まろが好きって言ったからこれだけを買いに行ったのに
この日この時の為にね
少なくとも、仕事に負けるだなんて思ってもなかったから
しばらく経っても驚きを隠せない俺は近くにあった椅子に腰掛ける
この後、なんて返信したら良いのだろうか
相手はどうせ覚えてないのに
もういいや、なんにも返信しないでおこう
なんかもうめんどくさくなっちゃったし
桃「俺この後どうすっかな 、 …笑」
桃「とりま風呂入るか、」
なんて名残惜しいんだろう
さっき支度したばかりの綺麗な姿なのに
桃「…ちょっくら出かけるか」
せっかくなら出かけよう
その方が手っ取り早く忘れられる
にしても夜の街は怖いかも
なんか色々ギラギラしてるわ
当たりを見渡せば露出をして踊っている女性、酔いつぶれてフラフラな男性、淫らな姿で男性に腰を振る中性的な人とか
そんな人がうじゃうじゃいる
もう時刻は23時
あれ、もう記念日終わっちゃうじゃん
そんなことを思いながらスマホに目を向けると
「どこおる?」
やべ、急いでかえらなくては
あと家まで100mと言ったところだろうか
もうすぐつくと思ったのも束の間
視界がぐらりと揺れて、人気のない路地裏へと導かれる
?「… 、 っ / ♡♡」
桃「あの、…」
息切れというか発情というか
なんだか分からない40中頃の男性に壁ドンをされている
?「はぁ、♡♡ はぁ、 ♡♡」
この息切れ……
やばいやつだ、逃げないと
なんて思った時にはどうやら手遅れだったらしい
ちゅ
桃「ん、…ッ!?!? ふ、…、ッ」
舌に何かが絡まれる感覚
あ ~ あ、最悪
記念日の初キスがこいつかよ …、笑
口内がずっと生ぬるい感覚に襲われる
こんなはずじゃなかったのに
桃「ん、… っ」
下にするすると動くこいつの手
やけにやらしくて反応してしまいそう
記念日を忘れたまろが悪いか
このまま犯されてもいいやなんて馬鹿らしい答えが浮かびあった時、俺の口内からそれが引き出されるような感覚があった
?「お前、誰だよ」
ふと目を開けると、そこにはまろがいて
蒼「これ、レイプ?」
?「ち、違う…けど、っ??」
?「ちゃんと同意を得てるんだけど…、?♡」
蒼「ほんまなんですか?」
蒼「ないこ」
名前を呼ばれ少しドキッとする
桃「… っ、 同意の上です、」
少しの悪戯心でそう嘘をついてみた
元はと言えば忘れたまろが悪いんだから
蒼「ふ ~ ん、」
?「だから、帰ってくれ!」
蒼「いや、こいつ貰ってきます」
ぐい、
桃「うわ、っ」
そう引っ張られた手はまろの手跡がはっきり残りそうなほど掴まれた
ちらりと見える横顔
怒っているに違いない
がちゃ、
蒼「…、」
部屋中にある重たい空気
双方口を開くことなく沈黙が続いている
時刻はもう0時を過ぎた
記念日なんてものはあっさり終わってしまったようだ
蒼「さっきのあれ、どういうこと?」
そう聞かれ、俺は何も言えなくなる
言い訳するのも実は嘘だったって白状するのも全部いやだ
察してくれたらいいのに
桃「どういうことって、なに?」
蒼「あれ、同意したんやろ?」
桃「…、っ」
今更後悔してるとか、俺馬鹿かも
でも、俺がこんなに楽しみにしてた記念日を忘れられてたのにそれを全部許してあげられるほど大人じゃない
蒼「俺がおるんちゃうの」
蒼「…、なぁ」
桃「… 、お仕事、楽しかった … 、?」
自分でも分かるほど震えた声
鼻先がつんと痛くなる感覚と体の中から何かが出てきそうな感じ
蒼「ないこ、… ?」
だめだ、俺
桃「ぉ、れを 、置いて… たのしかった …?」
蒼「泣いてるん … 、?」
桃「ひどい、よ ね… 、」
桃「ぉ、ぉれ … っ たのしみに、待ってたのに … っ 泣」
柄にもなくぽろぽろこぼれ落ちてくる涙
あ、俺悲しかったんだ
まろに記念日を忘れられたこと
なんともない気がしてたのに
蒼「ごめん、泣かせる気じゃ、」
桃「昨日、記念日だったよ …っ? 泣」
ふいっと顔を時計向けるまろ
なにかに気がついたみたい、
目を見開いて何かを悟ったようにこちらを向いた
蒼「…、ごめん俺、…っ!」
とん、
弱々しい力でまろの胸元を殴ってやる
桃「ごめんじゃねぇよ、ぉ… っ 泣」
桃「ばか、… ばか、ぁ…っ なんで忘れちゃうんだよ、…っ 泣」
蒼「ほんまにごめん 」
蒼「やからこんな可愛らしい格好して俺があげたアクセサリー付けて、香水してるんやんな、」
ぎゅ、
やっと、まろの温かさを感じた
夜風が冷たかったせいか、それとも心にぽっかり空いたもののせいなのか
俺の体は芯のほうまで冷えきっていたからこの温かさが心地いい
少し落ち着いたところで問い詰めてみる
桃「せっかく可愛くしたの … 、っ」
蒼「うん、」
桃「なんで忘れちゃったの…、っ」
蒼「ごめん」
桃「ごめんじゃないでしょ、なに?なんで?」
蒼「ほんまに、ほんとに最低やと思う、」
桃「答えになってないじゃん、俺はなんでって聞いてんの」
バツが悪いように顔を曇らせるまろ
こいつ、何を隠してやがる
蒼「ぁぁぁぁぁ、ごめんねないこた ぁぁぁぁ~ ん、…っ」
蒼「ごめんね、まろもっといい記念日にしようと思ってたのに 、…っ」
蒼「でも家帰ったらないこいなくて、心配で外探しに行ったら変なおじさんとキスしてるんだもん、…っ」
蒼「まろ着替えたりしてお寿司もプレゼントも準備してずっとずっと待ってたの…、っ」
蒼「ないこもう帰ってるかと思ったのに家にいないし既読もつかないし」
桃「は、…?」
桃「なに、覚えてたの…、?」
蒼「ぇぇ、もちろんやんかぁぁ…っ」
蒼「まろが忘れるはずないじゃんか…っ?」
桃「忘れてたじゃん、完全に…、っ!」
桃「今日なんかあったっけって、」
蒼「いや、それはテレビの話題やった時にやばい楽しみって来ててなんかの特番とかあるんかなって思ってたんよ…、っ!」
蒼「まさか、記念日のことやとは思ってなくて、っ」
桃「で、でも… 仕事が延びてるって」
蒼「仕事は確かにいっぱいあったで?」
蒼「でも帰るの遅なるとは言ってないやろ?」
桃「そう、だけど… っ」
蒼「今日やって帰ったん20時やで…っ?」
桃「いつもより早い、…」
蒼「やろ…、っ?まろ頑張ったの…、っ 」
桃「俺、記念日忘れられたかと思って、」
蒼「まろも、伝え方が悪かった…、ごめん」
桃「いや、っ 俺が勝手に勘違いして…、っ」
桃「ほんと、ごめん」
食卓にはお寿司やお酒でいっぱいいっぱい
あの時見た景色とは全然違う
まろの椅子にはきっと出掛けるように出してきたコートが掛けられていて
しかもそれは俺とお揃いのやつ
そのコートの近くにぽつんと置かれた紙袋には俺の好きなフレグランスショップの名前が綴られていた
蒼「ぁ、あれな…、」
俺の視線に気がついたのかこちらを向きにこりと笑うまろ
蒼「ないこにって買ったやつ…、笑」
蒼「今渡してもええ?」
桃「いや、俺… 貰う価値ないでしょ… 笑」
あんだけ勘違いしてた上に知らない男とキスした俺が、こんなもの貰えるはずない
浮気も同然じゃん…、?
蒼「…、わかった」
ちゅ、
桃「ん、…む 、 …っ ?! /」
あんなことを言われかと思えば急に口付けをされた
動揺するしかない俺を見て何かを決心したまろが俺の顎をぐいっと持ち上げ舌を絡めるように深い深いキスをする
桃「は、む… 、っ ぁ、…ぅ … 、//」
蒼「ん、ふ… 、っ 笑」
桃「ぁ、… ふ … 、っ //」
蒼「ん、…」
桃「は、ふ…、っ//」
桃「ちょ、急になんだよ…、」
蒼「今のでチャラな」
桃「…うん、ありがと」
多分まろは俺が貰う資格がないって言ったからその原因をなくそうとしてくれたのだろう
それが、あのおじさんとのキス
それを今上書きしたから全部チャラって言ってくれたんだよね
さりげなくだけど色んなことを考えて行動に起こしてくれる、ここだよまろの好きなとこ
誰よりも俺のことを見てくれてて見つけてくれる
そういうとこが特に好き
蒼「だからこれ、貰ってくれる?」
桃「もちろん…、っ笑」
蒼「ん、…笑」
そう言い放ち頭をわしゃわしゃ撫でられる
この大きい手も大好きなの
蒼「はい、これ…、」
桃「うん、ありがと、…笑 」
箱を開け包み紙をとり中身を見てみると
桃「ぁ、これ…、」
まろと香水を見に行った時に見ていた香水
値段があれで買うのを辞めたけど
蒼「ないこ、すっごい欲しそうにしとったからさ…、っ」
蒼「どうしてもプレゼントしたくて、」
桃「やば、…」
蒼「どした、…?」
桃「うれしぃ、… 、っ」
桃「おれ、ほんとに… 、っ」
そういう俺に心配していそうな視線を向け、手で何かを拭ってくれるまろ
蒼「ないこ今日泣き虫さんやね、笑」
蒼「まぁ、半分は俺のせいか…、」
どうやら俺は泣いているらしい
嬉しくて泣くとかださい、
桃「変、だよな…、っ」
桃「こんなんで泣くとか、俺らしくないし…、っ」
蒼「変なんかじゃないよ、ないこらしくないとか関係ない、泣きたい時に泣いたらええやんか…?」
蒼「そのためにまろがいるんでしょ?」
桃「めい、わく… だから、っ」
蒼「ん ~ ん、ないこがこうやってしてくれるとまろも安心するんよ、」
蒼「ちゃんと吐き出してくれたって、」
ぎゅって抱きしめられて頭もぽんぽんってしてくれてまろの匂いが沢山する
泣きたい時に泣いていいんだ
まろにだったら、こんな姿見せたっていいんだって思えたらさらに溢れ出す涙
桃「まろ、ぉ …、っ すき、…だいすき 、… っ 」
蒼「うん、俺も大好き」
その言葉を聞いて抱きしめる力をぐっと強くする
このままずっと離さないように
この一瞬を噛み締めるかのように
ないふが描きたくて衝動書きしてしまった……🙄🙄
最近下手すぎて全く伸びない😭😭😭😭
ってことで練習してきます
コメント
5件
はつこめ…です🥲 りゅのさんのお話全部読んでるんですけど、🔞じゃないやつの中でこのお話がすごい刺さったのでコメントさせて頂いちゃいました…( ߹ㅁ߹) ほんとに涙が出てきていつも文章書くの上手いなと思って尊敬してます😭💘これからも最高のお話待ってます🥹💭
んばあああああああああああああああ😭 みるの遅れたぁああああ😭😭 友達にブロックされてるの気づいた後に見たから 余計涙が、、、😇🥲 こういうお話大好きです!💕💖
最高の供給ありがとうございます()