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俺には悩みがある。
それは加藤春、という男が最近俺の事を避けているのだ。
なにか嫌われることをしてしまったのだろうか。心当たりはない。
俺は加藤が好きだ。愛している。
自分なりに好意を伝えているつもりではあるが
加藤がどう思っているかなどわからない。
だからなぜ避けられているのかも分からない。
明日にでも聞いてみるとするか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
その日、俺はいつもより少し早めに現代本部へと着いた。
そして加藤が来るのを待っていた。
「神戸さんいつもよりくるの早いっすね」
…亀井か。こいつは加藤とそれなりに仲が良かったはず。
「最近、加藤の変わったところとかないか?」
亀井は「特にないと思いますよ?」と答えた。
やはり俺の間違えだったのか。
しかしこれではスッキリしない。
やはり本人に聞くのが1番のようだ。
俺はソファで葉巻を片手に待っていた。
「おはようございます」
と加藤が入ってきた。
その後、加藤を人気のない場所に呼び出した。
「加藤 お前最近俺の事を避けてないか?
何かしたか?」
「…別になんでもねぇよ。」
とはぐらかしたようだった。
俺は少し眉に皺を寄せた。
加藤は仕事がある、と戻って行ってしまった。
その日、加藤の帰りは早かった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
次の日の朝、加藤は二日酔いの状態で職場へ来た。
俺と加藤はすれ違った。…その時にいつもは俺がスキンシップを取っているため(少し抵抗されるが)、俺の香水の匂いがするはずなのだが
今日は違った。俺の匂いではない。
誰か別の男か。
俺は苛立ちを憶えた。
加藤は今日も早く帰ってしまった。
…後を追うか。
「ヒュスク 加藤を追え。」
『了解しました。』
加藤を追っているカメラを見ながら部屋で葉巻を吸う。
するとそこには星野と加藤の姿があった。
星野…加藤元後輩らしい。
しばらく様子を見ていると、2人で呑み始めた。
さらに見ていると加藤が酔い始め、星野に膝枕をされている。俺だってしたことは無いのに。
加藤は星野に何か話しているようだ。酒のせいなのか顔が赤い。
そして俺は気づいてしまった。
加藤は星野が好きなのでは。と
俺は胸の奥がちりりと痛んだ。
このままでは星野に取られてしまう。
明日からさらにスキンシップを増やそう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
次の日、加藤がやってきた。
加藤が挨拶すると同時に頬にキスをしてやった。加藤は驚きながらも照れていた。
…かわいいな。
その後も俺は話をする事に手などを触り、
スキンシップを取ってみた。
が、その日も加藤は星野と呑んでいた。
………なぜだ。俺はこんなにも加藤が好きなのに。愛しているのに。と嫉妬心が生まれた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今日、俺は加藤の家へ行くことにした。
星野よりも早く加藤に話しかけ、許可を貰った。
俺と加藤は同時に仕事を切り上げ、一緒に帰った。2人きりなのが嬉しい。
以前加藤の家へ来た時とほぼ同じような時間を過ごした。
呑んでいた俺と加藤は酔い始めた。
俺はこの勢いで加藤にキスをした。
とても驚いている様子だった。
「お前 なぜ俺を避ける。 俺が嫌いなのか?」
「別にそういう訳じゃ…」
「じゃあなんだ。 ずっとずっと俺はお前を愛しているのに 」
その言葉を聞いた加藤は目を丸くし、こちらを見ていた。
「え、 はぁ!?」
いきなり恥ずかしそうな素振りを見せて。
なんとも愛らしい。こいつはいくらで買えるのだろう。だがこいつは金では買えない。分かっている。だからこそそう接していけばいいのか分からないのだ。
「神戸… 実は俺もお前が好きだ。」
…驚いたな。まさか加藤も同じことを。
しかしなぜ星野と呑んでいたのだろう。
俺に好意を寄せながらも。
「実は星野に色々相談乗ってもらっててな。 お前のことで」
俺を嫌っている訳ではなく、単に恥ずかしいからだと言う。
なるほど。少しだけ安心した。
たが俺は独占欲が強いのだ。
もう星野と呑んで欲しくはない。
俺は加藤の首にキスマークをつけ、そのまま寝てしまった。
その後、俺と加藤は付き合った。ずっと片思いだと思っていたので嬉しい。
この先もずっと一緒にいたいと思える相手。
それが加藤春だ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
おわり