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コメント
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いやもう、このエピソードめっちゃ沁みたわ…。千景くんの看病が細かく描写されてて、一つひとつの仕草に「にぃに」としての愛情が詰まってるのが伝わってきた。「僕はどこにも行かないよ」「朝までずっと一緒」とか、胸にグッときた。あと、遥くんと千景くんの連携も良いなあ。親友ってこういう時に助け合えるんだなって。千弥くんの「はるにぃ…」が可愛すぎて悶えたわ。次回も楽しみ🔥
第八章 にぃにの看病
午前一時。
結城家は静まり返っていた。
リビングの時計だけが、静かに時を刻んでいる。
その静寂の中、千景は急いで救急箱から体温計を取り出し、千弥の部屋へ戻った。
「ちーちゃん、大丈夫。熱を測ろうね。」
「……うん。」
千弥は少しぼんやりとした様子で頷く。
体温計を脇にはさみ、じっと待つ。
部屋には電子音だけが響いていた。
ピピッ。
表示された数字を見た千景は、小さく息をのむ。
38.2℃
「……。」
やはり熱が出ていた。
「にぃに……。」
「うん。熱が少し上がっちゃったね。」
千景はできるだけ穏やかな声で話しかける。
「でも、大丈夫。僕がいるからね。」
その一言に、千弥は安心したように小さく頷いた。
「……うん。」
まずは枕元へ冷たい飲み物を置く。
「少しお水飲める?」
「……のむ。」
コップを両手で持とうとするが、少し力が入りにくい。
千景はそっと支えた。
「ゆっくりでいいよ。」
ごく、ごく……。
少しだけ飲むと、千弥は「ふぅ」と息をつく。
「えらい。」
「……。」
褒められると、少しだけ笑顔になる。
それを見て、千景も少し安心した。
次は冷却シートと氷枕。
「ちょっと冷たいよ。」
「うん。」
額へそっと貼る。
「ひゃっ。」
少し肩をすくめる千弥。
「びっくりした?」
「つめたい。」
「すぐ慣れるよ。」
そのあと氷枕を頭の下へ入れ、掛け布団を整える。
「寒くない?」
「だいじょうぶ。」
「暑すぎない?」
「うん。」
一つひとつ確認する。
千景はスマートフォンで時間を確認した。
「薬を飲もうか。」
熱が高くなった時のために、医師から処方されている解熱剤がある。
「飲めそう?」
「……うん。」
ゼリーと一緒に飲ませる。
「えらいね。」
臣桜
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saon
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「にがくなかった。」
「よかった。」
時計は午前二時を回った。
千景はベッドの横へ椅子を持ってきて座る。
今日は社長ではない。
ただ一人の兄として、弟のそばにいる。
「眠れそう?」
「……。」
千弥は小さく首を横に振った。
「くるしい?」
「ちょっと……。」
その声は弱々しかった。
千景はそっと手を握る。
「大丈夫。」
「……。」
「僕はどこにも行かないよ。」
その言葉を聞くと、千弥は安心したようにぎゅっと手を握り返した。
「にぃに。」
「なあに?」
「いて。」
「もちろん。」
「ずっと。」
「うん。朝までずっと一緒。」
千弥は目を閉じる。
その頃。
遥のスマートフォンが震えた。
『ちーちゃんが熱を出した。今日は会社へ行けないかもしれない。』
短いメッセージだった。
遥はすぐに返信する。
『分かった。会社は僕に任せて。ちかはちーちゃんのそばにいてあげて。』
数秒後。
『ありがとう、はる。』
遥は画面を見つめ、小さく微笑んだ。
「無理するなよ、ちか。」
親友だからこそ分かる。
今夜の千景は、一睡もしないつもりなのだろう。
午前四時。
千弥が小さく目を開けた。
「……にぃに。」
「起きた?」
「ここ?」
「ここにいるよ。」
千景はずっと手を握ったままだった。
「おみず。」
「飲もう。」
少しだけ水を飲み、また横になる。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
「にぃに。」
「うん?」
「おしごと。」
「今日はお休み。」
「だめ。」
「大丈夫。」
「……。」
「会社のみんなも、はるも、『ちーちゃんのそばにいて』って言ってくれたよ。」
その言葉に、千弥は少しだけ安心したように微笑んだ。
「はるにぃ……。」
「優しいでしょう?」
「うん。」
夜が明け始めた。
カーテンの隙間から朝日が差し込む。
千景はもう一度体温を測る。
ピピッ。
37.8℃
「少し下がった……。」
思わず安堵の息が漏れる。
まだ熱はある。
それでも、先ほどよりは楽そうな表情だった。
「ちーちゃん。」
「……ん?」
「もう少し寝よう。」
「うん。」
千弥はくぅちゃんを抱きしめ、静かな寝息を立て始めた。
その寝顔を見つめながら、千景は小さく呟く。
「今日も、ちゃんと守るからね。」
部屋には穏やかな朝の光が差し込み、兄弟を優しく包み込んでいた。
第八章 おわり
第九章へ続く