テラーノベル
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「じゃあふたりはお互いに教えあってやってくれ。高井戸さんは咲坂さんにうちの会社のことを。咲坂さんは、一般の受付業務のやり方を教えてくれればいい。うちの会社はそもそも来客は少ないんだ。他の会社のセキュリティ管理をする以上は相手方に行って作業することのほうが多いし、打ち合わせも電話かメールがほとんどだから、さらっとでいいよ」
「はい」
「午後から来客がくるから、その時に成果を見せて」
「は?」
「じゃあ俺は別の仕事があるから」
あっさりと私を放って、別の部屋へと言ってしまう。
残されたのは高井戸さんと私。二十七歳には見えない丸顔に、人なつっこい笑みをのせて私に向けてくる。
「あの、……なんか急に言われて、私実は訳が分かってなくて」
「あー、私もですよー。なんか訳ありみたいですよね。でもせっかくなので、受付業務について教えてください」
「でも二十七歳ってお伺いしました。前にもどこかでお仕事されているんでしょう? 私なんかが教えるよりずっと……」
「前は営業事務なんです。でも私、電話応対とか苦手だしー。まあ一通り? せっかくだから遊び気分で。ね」
全然気取らない人なんだな、と思った。
少人数だからか、TOHTAとは全体的に雰囲気が違う。
「とりあえずは社内の説明を先にしますね」と高井戸さんが言い出し、私と彼女はふたりで会社内を回る。
そう広くもないオフィスだ。
区画を間借りしていると言ったけれど、受付スペースのすぐ後ろにデスクが島を作るように五列並べられている。
みんなノートパソコンに向かって仕事をしていて、場所の移動も結構気軽にやっているようだ。
奥に会議室と応接室、社長室と並び、やたらに空調が効いたコンピューター室には大型の機械が入っていた。
「うちは、セキュリティ管理が仕事だから、仕事内容に関してはみんな秘密主義になるんですよ。だから顔を合わせると逆に仕事じゃない話が多くなったりして、だらけた感じに見えるんですけど」
「そうなんですね」
「意外と有能な人材が多いと思います。中途で入って来て、ちょっと気後れしていたので、咲坂さんが来てくれてホッとしました」
童顔で自分より若く見えても、やっぱり年上の人だ。
気遣って私の緊張をほぐそうとしてくれているのが分かって、私はようやくホッと一息つくことができた。
臣桜
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鷹槻れん

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#年の差
水無月 京
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#大人の恋
月詠 涼
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コメント
1件
第30話読みました! 高井戸さんの「遊び気分で」って言葉が印象的でした。前の会社と違って、少人数のゆるっとした空気がちゃんと伝わってきて、読んでてホッとしました。主人公が「年上の人だ」って気づくところ、すごく共感。坂野さんの人間関係の描き方、好きです🌙