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ああ、いつからこんなことになったのだろう。
別に俺は、何かを欲していたわけじゃないのに。いや、違うな。欲したから、友達を失ったんだ。
恵まれていたわけではない。もともと家庭環境は悪い方だったし、
俺を息子とは思っていない親などいらなかった。
ただ唯一、俺に優しく、更にこの情けない親にまで情をかけてくれるのが祖母だった。
親は、祖母に関しては何も言わなかった。
何故に疑問が出てきたこともあったが、余計な追及は期待ごと殺していく。
どうせ汚い話なのだ、聞かなくてよかったと思う。
俺が小学校を卒業するくらいの時、祖母が、俺に言った。
「あんたは私と同じだねぇ…」
訳が分からなかった。というか、謎の嫌悪感が沸いた。
「…は、何言ってんの」
「縛戸家のしきたりだよ。」
そう言われて、俺の名前が縛戸ホタルということに気づいた。
忘れるくらいどうでもいい名前だったんだな。
「しきたり…?」
「あんたは知らなかったかい、縛戸家にはー」
「母さん!その話は蛍にするなと何回言ったら分かるんだ!!」
居間から父親が出て来た。
今日は仕事が休みらしい父親が、珍しく祖母に歯向う。
「うるさいねぇ!!大体、あんたがあの役を蹴ったからいけないんだろう!?」
祖母が見たことのない、真っ赤な顔をして、父親に怒鳴っていた。
「っそれは」
息が詰まる。
「なんだい?」
まだ怒りを隠している。
「…母さんも母さんでやめろといったはずだ」
「ッ!!」
祖母が言い返した。父が必死に言い訳を探している。
…なんだろう、この子供みたいな喧嘩は。
聞いてられなかった俺はその部屋を出た。
その翌日、祖母が死んだ。
俺はあのまま家を出たはずなのに、いつの間にか家にいて、祖母の手を握っていた。
帰ってきた記憶がないのに。
記憶を思い出そうとしても、真っ暗なだけ。
ただ、ずぅっと死という文字がその暗闇にぎっしりと浮かんでいる。
それだけ。
両親が離婚した。母はこの1年後に死んだそう。
俺は親戚の所を転々としながら生活を送っていた。
前の家よりも人並みの扱いは受けられず、学校ではいじめられて。
「おれはいらないの、?」
そう笑顔で親戚に言ったことがある。
「お前は呪いの子だからね」
呪いの意味を知りたくて質問したけど、いつも通りの無視だった。
高校受験に受かり、この地域から離れた高校に行くことになった。
親戚たちに「やめろ」と大批判だったが、必要とされている気がして、
話しかけられて嬉しかったので何も言わなかった。
結局入学当日。
「っはぁ~っここが高校かぁ」
新しい校舎に意気揚々と入っていった。