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発達障害の弟     赤桃   少し紫

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発達障害の弟 赤桃 少し紫

13 - 手をつないで。【出張シリーズ】

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2025年08月06日

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手をつないで。【出張シリーズ】




















出張4日目。


毎晩なーくんから送られてくる写真と動画は、ちょっとずつ変わってきてる。



最初は、泣き顔ばっかだったのに。

今日は、にこって笑って、なーくんの袖をぎゅっと握ってる莉犬が写ってた。




「そろそろ、お外も行けるかもです」




なーくんの報告に、俺は驚いた。



まだ距離があると思ってたけど……

手を繋いで、近くの公園まで行ってみよう、って提案したのは莉犬だったらしい。





「……おててつないで、おそといきたい……」




そう言って、なーくんの手に自分から手を伸ばしたって。



莉犬にとって、ままもりの母性は安心感があったのだろう。



公園までの道のりは短いけど、莉犬にとっては大冒険だったはず。



小さな手が、ぎゅっと握られて、揺れている写真。

その中で、莉犬は少しだけ、誇らしそうに笑っていた。







(ななもり。視点)




公園が近づいてきたとき、

「少し休憩する?」と声をかけようと思った矢先だった。



ピーポーピーポー……遠くから救急車の音。



莉犬くんの手が、ぴくっと震える。

次の瞬間、足を止めて小さくうずくまってしまった。



「いたいねっ……いたいねッ!……」



俺はすぐにしゃがんで、莉犬くんの顔をのぞきこむ。



「だいじょぶ。音、ちょっとだけだからね。お耳、ぎゅってしてみよう?」



手で莉犬くんの耳をふさいで、背中をゆっくりなでる。


そのとき、さらに追い打ちをかけるように バイクのエンジン音が響いた。

すぐ後ろで、小さい子たちの笑い声と叫び声も重なる。


莉犬くんの肩が跳ねて、顔がぎゅっと歪んだ。



「やだ、やだ……っ、いやあああ……!!」



そのまま、俺の胸にぶつかるように飛び込んできた。

小さい手で服をぎゅっと掴んで、涙をこらえるように震えてる。



「よしよし……お耳しんどいね。なーくん、ここにいるからね」



耳に近づけた声で、ゆっくり、何度もそう繰り返した。





家に戻ってからも、莉犬くんはしばらく動けなかったけど、



お昼寝のあと――



「これ、つける…」



と、小さな声でイヤーマフを指さした。


新しいイヤーマフをつけて、鏡の前でくるっと回って、

「どう?」と笑うその姿は、ちょっとだけ、冒険を終えた勇者みたいだった。











発達障害の弟 赤桃 少し紫

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コメント

4

ユーザー

ままもり安心感強そうすぎる

ユーザー

鏡の前でくるくるまわってるとか絶対可愛いじゃん!続き待ってます

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