コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
百合のバットエンドだよ^^
そして!このお話はジェンダーレス社会の今なのにも関わらず!
この馬鹿餅は性について触れています!
本当に申し訳ありません。
でも、これしか私には表現ができないんです!本当にごめんなさい(泣)
由紀「つ、付き合ってください!」
一人の女の子から告白されたのは普段と何ら変わりのない秋の日だった。
昼休憩に急に呼び出されたかと思えば、女の子からの告白だ。
私は、告白をされた瞬間、頭の中が真っ白になった。
もちろん、今まで告白されることなんてなかったし、されるとも思っていなかったから正直、驚いた。
だって、私がいつもあこがれていて、大好きな人だったから。
罰ゲームじゃないか、と疑いもした。
だって私は、何の特徴もない平凡な人間だったから。
でもそれは即座に否定されて、周りに人がいないことも確認させてくれた。
だから、私はOKを出した。
沙織「こんな私でよければ、是非!」
この時の私たちの周りの空気は、幸せな空気で満ちていたと思う。
少なくとも、由紀があんな目に合うなんて想像もつかなかった。
私の大好きな先輩に告白した。
私は、思ったよりも情けない声で言っていたと思う。
先輩は驚いたような顔をして、弱々しい声でこんなことを言った。
沙織「罰ゲーム…じゃ、ないよね?」
おどおどとしている先輩は正直、可愛かった。
私は、罰ゲームなんかじゃない!と言って、周りを先輩の目で確認してもらった。
先輩の目で確認してもらって、まさか、本当に?という小さなつぶやきが聞こえた時、罰ゲームじゃないことを理解してもらえたみたいでそのことに安堵していると、
沙織「こんな私でよければ、是非!」
と、まさかのOKを出してくれた。
この時の私は浮かれていて、私は幸せの絶頂にいてこれからもずっと、この幸せが続いていくことを信じて疑わなかった。
放課後、私は由紀と同じ帰り道を歩んでいた。
甘い甘い金木犀の香りがふわりと香る帰り道はこの恋の実りを祝福してくれているようで、愛おしく思えた。
いつもと同じ帰り道のはずが、美しく煌めいて見える。
由紀「私から告白したってことは、私が彼氏ってことになるんですかね!?」
沙織「う~ん?どうなんだろう?今じゃ、女の子から男の子に告白することだってあるみたいだし」
由紀「う~ん?」
由紀「でもでも!私は沙織先輩が彼氏ポジションだと思ってます!」
沙織「へっ?私が!?」
由紀「歳だって沙織せんっぱいの方が上じゃないですか!」
由紀「ってことで!沙織先輩は今から彼氏です!」
沙織「私そんなに向いてないよ~!」
由紀「え~向いてると思うけどな~」
沙織「あっ!そうだ!両方彼女じゃダメ?」
由紀「 ! それいいですね!」
沙織「てか由紀!恋人関係になったんだから敬語はずしてよ!」
由紀「へぇっ!?そ、そんな恐れ多いですって!」
沙織「えーさおりって呼んでよ~!」
沙織「ほら!私の言ったこと繰り返して!」
由紀「えぇ?!」
沙織「さ」
由紀「さ」
沙織「お」
由紀「お」
沙織「り」
由紀「り!」
沙織「じゃぁ、繋げて?せーの!で言おう!」
由紀「裏切りませんよね⁉」
沙織「ウン!」
沙織「せーの!」
由紀「沙織!」
由紀「ちょっ!何で先輩言わないんですか!」
由紀「裏切らないって信じてたのに!」
沙織「あはは」
由紀「もうっ。んふっ」
由紀「あははっ」
それからも、些細なことで笑いあって、他愛ない会話をして、週末にはカラオケにも行こうね!なんて話していると、いつの間にか二人の家の分かれ道まで来ていた。
由紀「今日はなんだかいつもより帰り道がはやく思えましたね!」
沙織「だね~。ビックリしちゃう!」
由紀「あ!先輩!明日も一緒に帰りましょうね!」
沙織「うん!」
由紀「週末の予定忘れないでくださいよ!」
沙織「うん!また明日!」
由紀「また明日会いましょう!」
今日はなんだか充実した日だったなと、ちょっぴり後ろ髪を引かれる思いで帰路に着こうとした。
が、
ゴッ
っという鈍い音がして振り向く。
音の方向には、たしか由紀がいたはずだ。
由紀の姿を探すが、そこに彼女の姿はない。
目の前に広がっているのは、ヘッドライトに血の付いた大型トラックと…
ぐしゃりと潰れた真っ赤な肉片だった
トラックの運転手であろう人物が出てきて、真っ青な顔をしている。
呼吸が荒くなる。先ほどまで由紀がいた場所に肉片が落ちている。
信じたくない。理解したくない。
そんな思いが廻ればめぐるほど、目の前の制服に目が行ってしまう。
それは間違いなく自分の今着ている制服と同じ制服だった。
カバンからノートが少し覗いている。
名前には 「西条 由紀」
と、可愛い丸文字で書かれていた。
嘘だ。先ほどまであんなに元気にしゃべっていたではないか。
笑いあっていたではないか。
週末の予定も立てていたではないか。
予定を忘れるなといったのは彼女ではないのか。
祝福のように思えていた金木犀の心地よい香りすら甘ったるく気持ち悪い香りに思えてくる。
もう、彼女の顔を見ることも、笑いあうことも、声を聴くことですら叶わない。
簡単な願いも、もう叶わない。
これからの予定だってもうない。
こんなにも簡単に幸せは崩れ落ちるものなのかと、深くこの世界に絶望した。
_______________________________________
翌日のニュース
ニュースキャスター「次のニュースです。先日○○県○○市で女子高生一人がトラックに轢かれるという事故が起きました」
「名前は西条由紀さんで即死だったそうです」
「犯人はいまだ捕まっておらずで、警察は捜査を進めています」
「同じ市、同じ県のニュースで、栗田沙織さんが自宅で首を吊った状態で発見されました。」
「警察はなぜ、そのようなことに繋がったのか調査を進めているとのことです」
「次のコーナーは!私のわんにゃん写真集です!今回もたくさんの応募が集まりーーー」
END