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「ちょ、潔!?大丈夫そ!?」
「医務室医務室」
***
「体調は大丈夫か?最高傑作1号」
機械的な開閉音と共に絵心さんが現れる
「やめてくださいよ…俺は、この世界から消えた俺は最高傑作でもなんでもないです」
よく言う…俺を殺した癖に…
起きたのは3日後だった
その間に体力測定は終わり、フラグ回収のように二代目QBKは脱落
肉体強化へと移っていた
「お前には才能の原石共の動作観察を行ってもらう。そこで、如何に原石共を踏み躙るか考えろ」
「うわー辛辣…」
さすが絵心さん…この感覚が痛いほど懐かしい…
本当は帰りたいが、一回受けた仕事を取り下げるなど、社畜ができることではない
「分かりました。」
***
「失礼します」
『なぁ…聞いたか?潔選手吐いたって…』
『え、やっば』
『大丈夫か…?あれが俺らのコーチって…』
入るなり、流出場所不明のゲロ事件について語られる。
きっついなぁ…自分の悪口ってここまでハッキリ聞こえるんだ…
やっぱ俺、帰った方が良くない?
「お前ら…つまんねぇこと言ってる暇あったら動け。ザコに一々反応すんなノロマが…」
冷たい声が頭上から降ってきた。
鋭くて、突き刺すような音…けど、どこか懐かしい…あいつの声。
『え?なんで…?』
『どうしていんだよ…あの人今日担当じゃ…』
鬼の形相で、未来のスター達を睨むこいつに怖気付いたのか、ピタリとヒソヒソ話は終わった。
見上げると、そこには予想通り…
サッカー界のエースストライカーーーーーーーー
糸師凛が俺を一点に見つめていた。
「…ありがとな。」
そう礼を言う。言動はムカつくけど、助けてくれたことに変わりないからな。
「勘違いすんな。お前がザコであることは、変わりないし、逃げた奴に俺は興味ない」
「……相変わらず口悪いな」
「黙れ。見るに堪えねぇんだよ。その情けねぇツラ…」
またしても、吐き捨てるように凛は言った…
そして、
「…勝手に消えて、勝手に壊れて、勝手に戻ってきやがって。お前みたいなザコ、もうどうでもいい」
そう捨て台詞を吐いて、凛は俺に背を向けた。
でも、俺は知ってる…
お前は俺が吐いた時、真っ先に異変に気づいたことも、気を失った俺を抱えて医務室へ運んでくれたことも……
お前は、あの頃と何も変わってない。今だって俺に会いにきた。
お前はどこかでまだ俺を探している。
お前はまだ、
***
俺は、弱気にならぬように、パン!と一回手を鳴らしてから言う。
「さぁ、じゃあ始めよう。
サッカー界から逃げた俺が担当することに不満を持つものが居るかもしれない。
だけど、そんな奴は…
うーんなんて言うんだろう…絵心さん風に言えば…
そうだね。
LOOKOFF。帰ってもらって結構だよ。」
ほんとは俺がかえりたいけどーーーーーーーーーーーーーーー
一際大きく、輝いたような…希望に満ち溢れたみたいな声で俺を呼ぶ奴がいる
「君は確か…
モニター室で見た、あの子…
プレースタイルも、能力も至って普通。なんでここに選ばれたのか不思議なほどに…
けれど人を惹きつける何かがある。
そう、まるで昔の自分を見ているようで。目が離せなかったんだ…
「おっ、俺!一ノ瀬です!一ノ瀬悠馬!ずっと潔選手に憧れてて…その、なんて言うか!」
だから眩しい…澄んだ瞳したその子が眩しすぎて一瞬目の前が眩む。もう…
「見たくない。」
「…え?」
ッ!!しまった!
「ご、ごめん…嘘!こっちの話…!その、一ノ瀬くん…君の目が眩しくて、それで…」
あぁ…何やってんだろ自分…こんなんでコーチとか本当に…
「あぁ…なんだ、嫌われちゃったかと…すみません」
「いや!あやまらないで…こっちが悪いから」
***
はぁ…なんとか終わった。
終始地獄の雰囲気なんとかしてほしい。
……あの子、今のままだと俺みたいに破滅するな
To be continued