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ポレ
104
「 いよいよ体育祭を始めます ! 」
朝のグラウンドに先生の声が響く 。
赤や白ではなく 、 それぞれのクラスカラーのTシャツを着た生徒たちが歓声を上げる 。
「 今年こそ優勝だ ! 」
ウェンが拳を突き上げる 。
「 朝から元気だな ー w 」
リトは笑いながら肩を回した 。
「 そりゃ気合い入るだろ ! 」
「 その元気 、 最後まで残しとけよ ー 。 」
「 もちろん ! 」
クラスメイトも集まってくる 。
「 最初は障害物競走 ! 」
「 応援頼むぞ ! 」
「 任せろ ! 」
円陣を組んで 、 全員で声を合わせる 。
「 優勝するぞ ー ! 」
スタートの合図と同時に選手たちが飛び出した 。
ネットをくぐり 、 タイヤを跳び 、 平均台を渡る 。
「 ウェン速い !!! 」
「 いけいけ !! 」
応援席から大きな声援が飛ぶ 。
最後のハードルを飛び越え 、
「 二位 ! 」
「 ナイス ! 」
ウェンが戻ると 、 クラスメイトがハイタッチで迎えた 。
「 惜しかったなあ 」
リトがスポーツドリンクを差し出す 。
「 次は一位取る 。 」
「 その意気その意気 !! 」
「 せ ー の ! 」
全員が一斉に綱を引く 。
「 あと少し ! 」
「 踏ん張れ ! 」
砂ぼこりが舞う 。
最後の最後で綱がこちらへ動いた 。
「 勝った ー ! 」
クラス全員が飛び跳ねて喜ぶ 。
「 今何位 ? 」
「 総合二位 ! 」
「 一位まであと十点 ! 」
「 まだ逆転できる ! 」
レジャーシートを広げ 、 クラスみんなでお弁当を囲む 。
「 午後は借り人競争か ー 、」
リトがプログラムを見る 。
「 変なお題引くなよお ? 」
「 ウェン 、 お前が言うとフラグだぞ ー ww 」
「 やめろってえ ! 」
みんなが笑う 。
「 でも借り人って面白いよな 。 」
「 去年は 『 先生 』 だったらしい 。 」
「 今年もありそうじゃない ? 」
「 それならすぐ見つかるな 。 」
そんな話をしているうちに 、 昼休みはあっという間に終わった 。
「 現在トップは三年四組 ! 」
実況が順位を読み上げる 。
「 二年二組との差はわずか五点 ! 」
クラスのみんなが息をのむ 。
「 リト ー !! 」
「 頼んだ ! 」
スタートラインでリトは軽く手を振った 。
パンッ !
スタ ー ト
途中の机に置かれた封筒を開く 。
中には ――
『 この学校で一番可愛いと思う人 』
「 …… 。 」
一瞬だけリトの動きが止まる 。
周りの選手はもう走り出している 。
リトは顔を上げた 。
「 ウェン ー !! 」
「 え ? 」
応援席で旗を振っていたウェンがきょとんとする 。
「 来い !! 」
「 僕なの !? 」
「 早く !! 」
周りからも 、
「 呼ばれてるぞ ! 」
「 ウェン急げ ー ! 」
と背中を押される 。
「 何のお題 !? 」
「 あとで !! 」
ウェンは慌てて走り出した 。
「 待っ 、 速っ …… ! 」
運動は得意な方だけど 、 全力疾走のリトとの差は少しずつ開いていく 。
「 リト ー !! 」
「 ウェン ! 急げ ! 」
「 ご 、 ごめん ! 」
ウェンは必死に走る 。
でもゴールまではまだ距離がある 。
リトは振り返った 。
「 …… ごめんウェン ! あとで謝る !! 」
「 え ? 」
次の瞬間だった 。
ひょい 、 とウェンの体がふわりと浮く 。
「 はああああ ?! 」
リトはウェンをお姫様抱っこしたまま走り出した 。
「 っちょ 、 ちょっと待って ! 」
「 この方が速いんだわ ! 」
「 速いけど恥ずかしい !! 」
「 暴れんな舌噛むぞ ! 」
「 無理無理無理 ! 」
実況席も大盛り上がり 。
「 まさかのお姫様抱っこ ー !! 」
校庭中が黄色い歓声に包まれる 。
「 リト ー !! 」
「 そのまま行け ー ! 」
「 ウェン落ちるなよ ーー !! 」
「 だあから落ちねえってえ !! 」
そのまま二人は一直線にゴール 。
テープを切った瞬間 、 大歓声が響いた 。
先生がお題を読み上げる 。
『 この学校で一番可愛いと思う人 』
「 おお ーー !! 」
「 ウェンかわいいってよ !! 」
「 あんま迷ってなかったよな ! 」
「 お姫様抱っこまでしてたし ! 」
ようやく降ろされたウェンは真っ赤な顔で抗議する 。
「 普通 、 肩貸すとかあるだろ !? 」
「 時間なかったじゃん ! 」
「 だからって担ぐ !!? 」
「 一番速いと思ったから !! 」
「 絶対ほかにもあっただろ ! 」
クラスメイトは笑い転げている 。
「 今年一笑ったわ ! 」
「 写真撮れてない ! 」
「 もう一回 ! 」
「 だあれがやるか ! 」
借り人競争で勢いづいたクラスは 、 最後のリレーでも大健闘 。
アンカーがゴールした瞬間 、 みんなで抱き合って喜ぶ 。
「 優勝 ! 」
発表を聞いた瞬間 、 クラス中から歓声が上がった 。
「 やったああ !! 」
ウェンが飛び跳ねる 。
リトもとびきりの笑顔を見せる 。
「 借り人競争のおかげだな ? w 」
誰かがそう言うと 、
「 いやいやいや !! 」
ウェンがすぐにツッコむ 。
「 僕担がれただけなんだけど !! 」
「 でも一番印象に残ったし ! 」
「 まあそれは否定できないか 」
リトが静かに言うと 、 みんなはまた大笑い 。
夕日に染まる校庭には 、 優勝トロフィーよりも大きな笑い声がいつまでも響いていた 。
コメント
1件
借り人競争でウェンをお姫様抱っこしたリト、迷いなく「来い」って叫んだの最高すぎるだろww ウェンが真っ赤になって抗議してるのも可愛いし、クラス全员で笑い合える空気が体育祭の醍醐味って感じでじんわり来た! 優勝おめでとう🏆 このノリのまま二人の関係性もっと見たいな〜