テラーノベル
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こんにちは!僕の名前は安倍晴明。
百鬼学園で弐年参組の担任をしているよ!
そんな僕は今――
「ねぇねぇ、いいじゃん。ちょっとだけ付き合ってよ〜」
「いや〜……その〜……」
「お腹すいてるでしょ? 奢ってあげるからさ〜」
……ナンパされている。
どうしてこんな事態になっているのかというと、話は数時間前にさかのぼる。
〜数時間前〜
「晴明先生、危ない!!」
「えっ?」
次の瞬間――
バシャッ!
「ギャッ!? なにこれ!?」
「ごめんごめん、晴明先生〜。かかっちゃった☆」
「『かかっちゃった☆』じゃないよ!! どうしてくれるのさ!!」
「あはは〜。まぁまぁ、それは置いといてさ」
「置いとくな」
「その薬はね〜」
ボンッ!
「えっ?」
「性別が逆転する薬だよ〜」
「はぁぁぁあぁあぁぁぁ!!!」
あまりの事実に、僕は言葉を失った。
しばらくしてようやく落ち着き、自分の体を確認する。
「……うわ……まじで女の子になってる……」
「晴明先生、めっちゃ似合ってるよ〜」
「似合ってないよ〜! ていうか、これいつ戻るの!?」
「ん〜、わかんない☆」
「はぁ!? 困るんだけど!?」
「まぁまぁ安心してよ〜。たぶん明日には戻ってるから」
「安心できるかッ!!」
「てことで、Bye☆」
ビュン!
「なんで最後だけ英語!? ……はぁ……」
ため息をつきつつも、僕は気持ちを切り替えた。
「……まぁ、女の子の体でも授業はできるし、いっか」
そんな呑気なことを言いながら、教室へ向かう。
ガラッ
「みんな! 授業はじめるよ!!」
弐年参組『!?』
「せ、せーめー……なのか?」
「女の子になってる!?」
「あ〜、実はね……」
僕は、なぜ女の子になってしまったのか、すべてを説明した。
「なるほどね〜。おい、そこのクソ布。ペナントにするからちょっと来い💢」
「やなこったい☆」
ビュン!
「おいコラ、逃げんなこのクソ布💢」
「あはは……」
その後、柳田くんと狸塚くんの戦いは、放課後まで続いた。
〜放課後〜
「はぁ……疲れた……」
「にしても凄いなぁ。放課後まで喧嘩するなんて……」
「まぁ、そんなことはさておき。仕事、ちゃっちゃと終わらせるか」
そう言って、僕は机に向かった。
〜1時間後〜
「ふぅ……終わった!!」
「もう終わったのか。早いな」
「えっ!? 晴明くん、もう終わったん!?
なら僕の仕事もちょっと手伝ってくれや!」
「え〜、やだよ」
「お願いやで!」
「……はぁ。もう、わかったよ……」
「ほんま!? ありがとうな、晴明くん!」
「はいはい。ちゃっちゃと終わらせるよ」
〜さらに1時間後〜
「はぁぁぁ……終わったーーー!!」
「お疲れ様!」
「なんで晴明くんはピンピンしとるん?」
「セーラーのこと考えながらやったからね!!」
「……(引)」
「ちょっと引かないで!?」
「今の発言に引かへんやつおるんか?」
「もぉ〜酷いな〜……って、えっ!? もうこんな時間!?」
時計を見ると、時刻は午後十一時を回っていた。
「帰らないと!!」
「なんか用事でもあるんか?」
「うん! 新しいセーラー服買ったから、早く会いたいんだ!」
「……(引)」
「また引かないでよ!! じゃあ、ばいばい!!」
「さいなら」
僕はセーラー服への期待に胸を躍らせながら、職員寮へと走った。
〜職員寮〜
「はぁぁぁ……やっぱりセーラー服は最高♡♡」
グゥゥ〜。
「……あ」
「そういえば、晩ご飯食べてなかった……買いに行くか」
そう言って寮を出て、コンビニへ向かった。
「ありがとうございました〜」
「よし! 買いたいものは買えたし、帰るか!」
その時だった。
「お姉さん、今ヒマ〜?」
「えっ……」
そして、冒頭に戻る。
「ね? いいでしょ? 奢るんだから」
「いや……ちょっと急いでるんで……」
「まぁまぁ、そんなこと言わずにさ?」
ガシッ。
「ッ……いや! 離して!
(誰か……)」
「何してるんですか?」
「!?」
「この子、嫌がってますよ」
「お前には関係ないだろ!!」
「そーだそーだ! 部外者は引っ込んでろ!」
「確かに、私はこの子とは関係ありませんが」
ガシッ。
「!?」
ボキッ。
「痛っ!!」
「これ以上この子に絡むなら、次は肋骨を折りますよ」
「ヒィッ……!」
「チッ……覚えとけよ!!」
そう捨て台詞を吐いて、二人は逃げていった。
「……大丈夫ですか?」
「あっ、はい! 助けてありがとうございま――
って、暗さん!?」
「え? 私たち、面識ありましたっけ?」
「僕ですよ僕! 安倍晴明です!!」
「えっ……安倍先生?
どうして女性に……?」
「えっと……かくがくしかじかで……」
「なるほど。そういうことでしたか」
「……はぁ。あんたじゃなければ、このまま食事に誘ってたのに」
「最低だな」
「それほどでも」
「褒めてない」
「とにかく、気をつけてください。夜道は危険ですから」
「わかってますよ。暗さんも気をつけて」
「ええ」
「では、さようなら!」
にこっ。
「さようなら」
そう言って別れた後、暗は歩き出す。
トコトコ……
「……あの顔は反則だろ……///」
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