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現実に引きずり戻された僕は、目が覚めた瞬間に一回だけ嚔《くしゃみ》をした。足元を見ると、掛け布団として使っていた自分の羽織が無くなっている事に気付いた。何処にいったのだろうかと僕が近くを見渡すと、何故か開いている出入口の襖に目が行った。そして、その出入口の襖の近くに一匹の三毛猫が僕の羽織を口に咥《くわ》えていた。僕は部屋にいる人達の迷惑にならぬように小声で優しく三毛猫に話し掛けた。
五条「(小声)こらこら、三毛にゃん。それは僕の羽織だから返してくれるかな?」
僕は三毛猫に向かって優しく話し掛けたのだけど、それは三毛猫には逆効果であり三毛猫は僕のことを警戒してきた。
三毛猫「ナオ〜(警戒中)」
五条「(小声)違うんだよ三毛にゃん。💦僕は君が踏んでいる羽織を取りたいだけなんだからさ。良い子だから大人しく返してくれると嬉しいんだけど。💦」
僕は、僕のことを警戒している三毛猫にもっと優しい声音で話したのだけど、それでも三毛猫は僕のことをずっと警戒していた。僕は、流石に動物に怒って強引に取り返すのは可哀想な気持
ちが強かった為、僕は猫と言ったらの物は何か無いかなと思い、ちらりと自室を見渡した。自室には、机と中には何も入ってない壺、掛け軸、襖の中には布団だけがあった。部屋の中を見ても猫にとっていい物が全く無いと感じた僕は、はぁと小さくため息を着いた。だけど、僕は猫が好きな物が部屋に一つだけあったのをふと思い出した。
五条「よいしょっと。結構重いな、これ。💦」
僕は部屋にあった壺を持ち乍、出入口にいる三毛猫の方に持って行った。壺を持って、猫にどうするのかって?ふふん、僕は教師だからね!猫が興味を示す物がそれだったからなんだよ!
猫は狭い所が好きな為、その特徴を活かして僕の羽織を離した後に、三毛猫は壺に興味を示して中に入るのではと考えたんだよ!☺️
僕はその壺を三毛猫の方に持って行って、それで気に入ってくれると良いなと思っていたのだが、そこで僕は自分でも予想していなかったことが起きてしまった。
五条「三毛にゃん、お待たせ〜。君の大好きな狭い所だ…よ?😲」
三毛猫に壺を見せようと思ったのだが、三毛猫の姿が無かったことに気付いた。しかも、僕の羽織も無くなっており、三毛猫が持ち出して行ってしまったことも理解出来た。僕は慌てて三毛猫を探し始めたが、周りには三毛猫の姿は何処にも無かった。
五条「ちょっと三毛にゃん?一体何処に行ったの〜?💦」
僕はもしかしてと思い、部屋の外に繋がっている左の廊下の方を見ると、丁度角を曲がるところで三毛猫の尻尾と僕の羽織が引きづられているのが見えた。このままでは逃げられてしまうと思い、僕は三毛猫を驚かせないようにそっと追いかけた。
五条「こらこら三毛にゃん〜!僕の羽織を返してよ〜!💦」
僕は三毛猫に見つからないように追いかけ、三毛猫は時々走ったり歩いたり跳んだりを繰り返した。僕は瞬間移動を使って追いかけたりもしたが、三毛猫の方が圧倒的に逃げ足が早かった。
僕は逃げた三毛猫を只管に追いかけた結果、遂にその時がやってきた。三毛猫は、その場に座り込んでおり落ち着く為に毛繕いをしていた。しかも、運が良いことに毛繕いをした後に、ぐっすりと寝る体勢に入った為、今がチャンスと言える程だった。僕は頭の中でガッツポーズをし、三毛猫を起こさぬようにそっと自分の羽織を取り返そうとしたその時だった。
トットットッ…
五条(あっ、マズイ!早く隠れないと!💦)
僕はその場から離れて自分でも隠れられるくらいの大きな柱の裏に隠れて人が居なくなるのを待とうとした。実は、三毛猫がいた場所には誰かの部屋が直ぐ真隣にあった。その為、僕は部屋の中に居た人の足音に気付き、自分よりも大きな柱の裏に隠れたのだ。部屋の襖が開いて僕は息を潜めて、部屋の主に気付かれぬように姿を見ると、その人は先程僕達の屯所案内と僕と風香に話し掛けていた人ーーーそう、それは総司だった。
総司は、自分の部屋の前で寝た体勢になった三毛猫を見つめ、僕の羽織を踏んづけていることに気付いた。
総司「三毛猫?それにこの羽織は誰のだろう。」
総司は、まるで大人の行動を不思議がるような子供の顔をし、その場にしゃがんで三毛猫を撫で始めた。三毛猫は撫でられていることに気付き、あまり驚く様子はなくそのままお腹を見せた。お、確か猫がお腹を見せるのは愛情表現の一つなんだよね。やっぱり、猫って可愛いな〜。❤️(強いて言えば、僕は犬が良かったかな。(シレッ))
僕は大きな柱からその様子を見ていると、総司から驚きの発言が飛んでくるとはこの時の僕も予想もしていなかった。いや、また飛んでくると言った方がいいかな。まあ、どっちでもいいよね!←(良くないから。💢 By 作者)
総司「ねえ、そこの柱の裏に居るのって悟君と風香ちゃんかな?」
五条「えっ!?💦」
僕は驚いて柱の裏から飛び出た。まるで最初からそこに居るのを分かっていたかのような反応で。
ん?え?ちょっと待って、総司。今、「風香」って言った?💦ってことはもしかして…。
僕が背後を向くよりも早く、三毛猫の頭を撫で乍も総司は直ぐに口を開いた。
総司「悟君、君の後ろに風香ちゃんが居るんだよ。」
五条「!?💦」
風香「(´>ω∂`)てへぺろ☆」
総司の言葉でまた僕は驚いた反応をした。そして、振り向いて見たら本当に風香がそこに立っていた。てか、何で風香も居るのさ!それに、その発言はこの時代じゃ伝わらないと思うし、この時代の人に対して使ったら、「何だ此奴、ムカつく奴だな」って思われるからね!?💦でも、僕の可愛い生徒だから許しちゃうかも。❤️
←(五条先生、最後の「❤️」マークを使ったら周りから●態教師扱いされるから辞めて下さい。💢 By 作者)
僕と風香のやり取りを見ている総司は真顔から笑顔に変わり、そのまま声を上げて笑い、「悟君と風香ちゃんって本当面白いよね。w」と言ったのを僕と風香は決して忘れることは無かった。