コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
次の日。
今日は土曜日で学校が休み。
手紙も確認できないし、少し残念。
学校がないのは気が楽でも、毎日の楽しみが学校にあると考えると
平日が羨ましく感じる。
そうぼんやりと考えながらベッドに寝転がり本を読んでいた。
でもその本も今では3往復目くらい 。
他の本も読んだんだけど暇だから何度も読み返してるんですよね。
まぁ、流石にこうしてるだけだと暇。
どこか出掛けようかなぁそう思ったんだけど、
近くのショッピングモールとかはあるんだけど一人で行くのは気が引けるし、
だからって くれ を誘うにも、断られそうだし。
さぁ…何しましょう。
そう考えていると、何かの気に本を見つめて思いついた。
そうだ、本屋さんに行けばいい!!
本屋さんに行って、新しい本を買ってそれで暇潰ししたらいいんですやん!!!
私は心の中でナイスアイデア!と喜びながら、早速 出掛ける準備をした 。
ガチャッ
家のドアの鍵を締め、私は出発する。
といっても5分くらい行けば本屋さんがすぐあるんだよね。
本好きの私としては最高!
そう思いながら優雅に歩いていると、例の本屋さんが見えてきた。
本屋さんに入店すると外との雰囲気がガラッと変わる。
この静けさが私、大好きなんですよねぇ!
そうこの空気感を堪能しながらも、購入する本を選ぶ。
本を探しながらたくさんの本棚を見ていると、ふと見覚えのある本が見えた。
これは…。
思わず近づいてみると思っていた本であっていた。
いつも手紙が挟まっている本。それで間違いない。
でも一つ疑問が浮かんだ。
この本棚、新しい新作の本が置かれているコーナーだよね……?
どうして新作の本が学校にあるんだろう?
新しい本が入ったなんて情報は学校で聞いたことないけど…。
翌々考えていると、あの本…バーコードついてたっけ?
改めて考えていると、いくつかの筋が出てくる。
もしかして…手紙書いている相手の本だったり…?
その発想にドキドキと心臓が大きく跳ねる。
そう思うと、その本を読んでみたくなってしまう。
そう手に取ろうとした、その時。
ピタッ
誰かと手があった。同じ本を取ろうとして触れちゃったみたい。
「ご、ごめんなさい。」
私は思わず謝って、去ろうとするとちらりと相手の顔が見えた。
…あれこの人………
「 えっと…お、同じクラスの、茶柱さん…? 」
そう、そこに見えたのは同じクラスで、私の友達くれと瑠夏の友達。
同じ図書委員でも合って副委員長をやってる方。
同じく茶柱さんも私と同じ本を取ろうとしていたことに驚いたのか、
少し間をおいて声をあげた。
「 あぁ … 墓守さん … ? 」
それを言うと同時に茶柱さんが私を見つめてきて目があった。
お互いに目があって気まずくなっちゃったけど、それを吹っ切り、本について尋ねてみた。
「 えっと茶柱さんもこの本を買おうと…? 」
「 あ…いえ買おうというわけではなくて … とある方におすすめしようとあげようかなって。
俺は既に一冊持ってるんで… 」
意外な答えに内心びっくりしながらもまた聞いてみる。
「 あげる方って、瑠夏さん?茶柱さん瑠夏さんと仲いいですよね 」
「 あ、いえ今回あげるのは瑠夏じゃないんですよね。ちょっと詳しくは言えないんですけど。 」
これまた意外な答えにびっくりした。
瑠夏さんにあげないってなると誰なんだろう。
気になりつつも詳しくは言えないと言っていたので追求しないことにする。
今思えば瑠夏さんって本あんま読まない系だった気がする。
「 そうなんですね… 」
「 あ … そういう墓守さんは…どうしてこの本を? 」
茶柱さんに聞かれてドキッとしてしまう。
図書室にあった、なんて言うと新しい本なんだから、おかしな話になるし…
「 えっとその、仲のいい後輩がおすすめしてたんです。それで、買ってみようかなって。 」
ウソを付くのは少し苦しいけれど、仕方がないと押してなんとか見つけた言い訳を言う。
別に嘘なのは嘘だけど、悪い嘘ではないはずだから大丈夫………だよね?
「 なるほど … この本面白いのでぜひ見てください、笑 」
茶柱さんは納得したように頷いて、その本を手にとって私に渡してくれた。
「え…茶柱さんはいいんですか?」
少しその行動に驚いて聞いてみる。
せっかく茶柱さんも買おうとしていたのに私が買っていいのですか…?
ここに一冊しかないから一人しか買えないですけど…?
段々申し訳なさが込み上げてくる。
「 俺はいいですよ。先程も言った通り自分のは持ってますし、すぐにあげれるものでもなかったので 」
そう事短く理由を述べて私に渡してくれる。
本当にいいのですか、とか思いつつもあっさりいいよって言ってくれるんだからお言葉に甘えさせていただく。
「 なら、ありがたく購入させていただきます。ありがとございます✨️ 」
私は本当に感謝して、ペコリと一礼する。
すると茶柱さんは今までにないくらいかっこいい笑顔で言った。
「 いえいえ、ぜひその本、たくさん読んでみてください。面白いですから笑 」
思わずキュンと心臓が縮む。
どこか手紙を書いてるときと同じような感覚がどうにも馴れない。
そのまま、茶柱さんとは別れ、私は本を購入した。
本を無事に買えたから、家に帰ろう。
満足な足取りで家へ向かった。