テラーノベル
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それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
朝。
いつもと同じ部屋。
いつもと同じ景色。
なのに、
🤍「……静かすぎる。」
ぽつりと零れる。
ドアの向こうから、あの声はもう聞こえない。
代わりに来る使用人は丁寧で、完璧で、何も間違っていない。
なのに_
🤍「違う。」
はっきりと分かる。
全部、違う。
ーーーーー
鏡の前に立つ。
映るのは、“完璧なお嬢様”。
🤍「……こんなの」
指先で、そっと触れる。
🤍「意味ないじゃん。」
あの人がいないなら。
ーーーーー
あれから数日後。
彼女は別の場所に配偶されたようで会う機会は格段に減った。
同じ場所にいるはずなのに、会えない。
そんなむず痒い感覚を來亜は味わっていた。
コンコン、と彼女の部屋がノックされる。
💛「お嬢様。」
🤍「…入って。」
静かに扉が開かれる。
🤍「なに。」
💛「……私情ごとで動いて誠に申し訳ございませんが、伝えた方が良いと思いました。」
🤍「何それ。」
💛「……以前お仕えしていた執事の方が、」
心臓が跳ねる。
🤍「なに。 」
💛「任務中に負傷し、療養中とのことです。」
一瞬、何も聞こえなくなる。
🤍「どこ……」
声が低い。
💛「え……」
🤍「どこにいるのって聞いてるの。」
空気が張り詰める。
💛「市内の医療施設に…、」
その瞬間、來亜は立ち上がっていた。
🤍「車、用意して。」
💛「ですが、……」
🤍「今すぐ。」
反論は許さない。
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白い部屋。
静かすぎる部屋。
ベッドの上にいる姿を見た瞬間。
🤍「……っ、」
足が止まる。
🤍「……なに、これ。」
動かない。
静かすぎる。
🤍「ねぇ。」
1歩近付く。
🤍「……なんで。」
🤍「なんで、動かないの。」
呼吸が上手くできない。
視界が霞む。
🤍「……やだ。」
ぽつりと零れる。
🤍「置いていかないでよ。」
はっきりとした言葉。
その瞬間。
少しだけ、彼女の手に力が入った気がした。
🤍「やだよ……お願い、お願いだから。」
🤍「居なくならないで。」
自分でもやっと理解した。
“居なくなること”がこんなにも怖いなんて。
自分で彼女を突き放したはずなのに。
苦しい。
🤍「私…、」
言葉が詰まる。
でも、止められない。
🤍「私、貴女が居ないと_」
言いきれない。
でも、もう分かってる。
その時。
🩵「お嬢様…、」
掠れた声。
NEXT.
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