テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ー 探し求めて ー
灰谷蘭 。
俺はずっと弟の竜胆と一緒に過ごしてきた。何をしててもずっと一緒で、ずっとそばにいた。だけと、俺はずっと探してた。「愛情」というものを。竜胆と俺は兄弟愛だけだ。俺は本物の愛情が欲しい。兄弟だからってそんな甘い理由ない愛じゃない。ずっと探し求めてるんだ。いつの日か本物の愛をこの手で包むことが出来ると信じて。
「 竜胆、コンビニ、お前も来る? 」
リビングのソファで座っていた竜胆に声をかけると顔を上げて、こくりと頷くと
「 行く、俺アイス買うわ 」
そう言って立ち上がり、俺ら2人は靴を履いて家を出た。こつ、こつ、と2人の足音が響く。俺らが街中を歩くと意外と目立つ。竜胆はずっと俺の横に、俺は竜胆の横に、ずっといた。コンビニに着くと店員さんのいらっしゃいませ、という声が聞こえた。竜胆はアイスコーナーで何を買う、と考えていた。俺は適当にお菓子のグミを一つ取る
「 竜胆決まった? 」
「 待って、……これ美味しそうだな、。 」
俺は先に買ってるぞ、と言って会計を済ませると、外で竜胆を待って。数分するうちにあいつはアイスを二つ持って出てきた。
「 兄ちゃーん!ほら、 」
「 あ? 」
竜胆は片方のアイスを俺に渡した。いらない、と言ってもしつこく押し付けてくるのでしばしば貰って、一口食べた。きーんと冷える冷たい感触。
「 つめた 」
「 兄ちゃん知覚過敏? 」
「 多分 」
たわいのない会話をしながら俺らは家に帰った。俺は自然と、こんな生活がずっと続けば良いのに、と思った。互いに、互いの花の蔦を絡ませて、解けなくなるほどに絡んで、繋がって、離れられない。俺はまだ知らなかった。「俺が依存の一歩手前」にいることに。
懺悔愛
#灰谷竜胆
カルピス
118
🎭 @不定期投稿
2,167
コメント
1件
読了しました。第1話、静かで切ない空気感に引き込まれました。 灰谷蘭の「本物の愛情を探している」という内面と、竜胆との何気ない日常の対比が絶妙です。コンビニでの「兄ちゃん」呼びやアイスを渡すシーンの自然さが、かえって蘭の孤独感を引き立てていて。最後の「依存の一歩手前」という一文が、これから始まる物語の影を予感させてゾクッとしました。続きが気になります。