テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
俺は元来、人間だった。神に拾われた捨て子だった。
神と同じ場所で息を吸い、寝て起き数十年が経った。そうして俺は知らずのうちに神となっていた。
残念ながら神といえど寿命は存在する、人や動植物よりは長いけれどもいつかは命の灯を吹き消される。俺を拾ってくれた神だって例外では無い。
神が亡くなってからは、炎眼村の神は俺になった。訳の分からない事が犇めく世界でそれでも俺は耐えていた。
『!お前が…神様?』
それがアイツとの初めて交わした言葉。
「だ、だれ」
「俺は__–ーー_だ」
「俺と友達になってくれ!」
「ともだち…?」
「おう!」
俺にはその言葉が輝いて見えた。毎日ソイツは境内にやってきて遊んだ追いかけっこ、かくれんぼ、子供だった俺には全部が魅力的だった。
10年経っても一緒に居てくれたからちゃんと友達だったと思ったんだ。
だから話したんだ。
「俺の目ね!赤と青だろ」
「…あぁ、だな」
「過去が見えるんだぜ!」
「あと傷を癒したり、炎が扱える神だけがもらえる特別な目なんだぜ!」
今思い出せばその時頭ごと視線をずらしたアイツの口元は歪んでいたかもしれない。
夜、灯も灯っていない。月が影って光一つ届かない、風が靡いている気配もない。
湿気が増して雨が降りそうな気配がした。
目を瞑って眠りに着いていた。俺は何も警戒していなかった。
目覚めたのは耳の横で聞こえたカタリという小さな音だった。開けた目に映るのは欲に塗れた殺意が込められた目。
刃先が光るその鋭さに驚き身を縮ませて目を腕で覆った、その腕が一気に熱を帯びて濡れる。直後に痛みが増してくる。
「っ!!」
「な、なんで!!!」
友人だと思っていた人間にそう問いただせば、怒気を含んだ目のまま自分の着物の裾に手を入れて瓶を取り出した。
何も出来ないで硬直していれば、その瓶の中身が揺れて目の前に広がった。
「俺は友達だと思ったことなんか一度もねぇよ!」
「お前なんか友達でもなんでもねぇよ、疫病神」
「邪神ッ!!」
「その魔眼が欲しいんだけだッ!!」
熱が目に広がり焼けるように熱い、口からは苦し紛れの呻き声しか出せない。己の身を守る為に一瞬で周囲に炎を出して囲った。
「チッ!糞野郎」
そう吐き出された声を最後にドタドタと大袈裟な声が聞こえてくる。未だ開けられない目のまま涙をずっと流し続けていた。そのせいじゃ町では記録的な豪雨になったらしいけれども、どうでも良かった。
それから俺はもう、誰も信用しないと誓った。
コメント
3件
四季くん悲しすぎる🥺🥺 ちょっとその人間許しません☆((

四季くんにもそんなに辛い過去がッッ😭 今回もめっちゃ面白かった✨✨ 続き楽しみにしてるね〜!!