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私の名前は園崎実。(ソノザキミノル)
特に何かある訳でもない普通の女子中学生。
引っ込み思案で、自分から人に関わりにいかないからか、学校では友達はおらずいつも一人教室の隅で孤立している。
つまりは俗にいう陰キャな訳だ。
ゲームが好き。休日も家にこもってゲームばっかり。おかげで視力は死ぬほど低い。(現在眼鏡。)
特に好きなのは…スプラトゥーン…かな。
あのゲームなら一応チャットで話せるから、ネッ友はいるって事でいいのかな…。
朝
「行ってきまーす。」
ガチャ。
そうお母さんに言い、ドアを開けて家を出た。
太陽の光が燦々と照りつける。
ほんとに日の光苦手なんだよな…。
外では小学生や名前も覚えてない同級生が笑いながら、私の目の前を通り過ぎていく。
(今日こそ…今日こそは…せ、先生以外の人と話せるようにしないと…。)
毎日のようにそう考えながら、路地を曲がった瞬間…
ドッ。
鈍い音を立てて体が右に持っていかれる。
左からトラックが来ていたみたい。
気付かなかった。
痛い。体がすごく痛い。体が動こうとしない。
私死ぬの?
………何だろう。嬉しいような悲しいような。
こんなk……いや「自分」から抜け出せるならそれもいいんだけど。
でもやっぱりゲームしたいなぁ。
まだ人と話す努力してからじゃないと、転生してもまた陰キャになる…。
まだお母さんに「友達ができた」って言えてないのに……。
私はそのまま意識を失った。
目が覚めると私はベッドで仰向けになって寝ていた。
知らない天井が目に入る。
あたりは薄暗く、他に人はいなさそう。
どこにそんな力があるのか、私はベッドから降りて部屋を見回す。
何の変哲もない普通の部屋。テーブルやらテレビやら。
でもタンスには見慣れない、けど見たことのある服がかかっている。
スプラトゥーンの世界にある服。
「え…。」
思わず声が出た。
そして早足で窓の近くに行き、外を見た。
モヤモヤが晴れるっていうのはこういう事なんだ、と思ったのはこれが初めて。
外では人……いやインクリング達がそこにいる。歩き、話している。
遠くの方で武器を持ちインクを発射している様子も少し見えた。
多分今の私は他人から見られたら、引かれる程目を開いていると思う。それぐらいに驚きと興奮が入り混じっている。
タンスの中を見た時…いやトラックに轢かれた時から分かってた。気付いていた。
転生。
私はスプラトゥーンの世界に転生した。
「じゃあ…今度こそ友達を作ろう。それから…みんなと…」