テラーノベル
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episode.1
僕らは目が覚めた。
なんだか、体がふわふわする。
毛布でもかけられているのだろうか。
にしても、ここはどこだろう。
、、、さっきまでの記憶が全くない。
、、、寒い。
今は夏なのに、なんでこんなに寒いんだ。
「おっ、目を覚ましたか?」
急に、僕らのいる部屋のドアから、おじさんが入ってきた。
年齢はおそらく、70代後半ぐらいだと思う。
「いやぁ、よかった、よかった。
死んでたらどうしようかと思ってなぁ、」
おじさんは安心しきった顔でそういった。
「あ、あの!助けてくれてありがとうございます」
蓮芯が礼を言う。僕も頭を下げていった。
「ありがとうございます」
おじさんは満足げに頷きながら、言った。
「そうじゃ、これ、冷えるから、飲め、」
その表情に悪いものは一切感じなかった。
が、それはそれで怖かった。
「えっ、でも、、、」
僕たちはためらう。
人からもらった食べ物を食べられるわけがない。
それに、ここはどこかもわからないところだ。
もしかしたら、黄泉の国みたいなところで、
食べたら、もう帰れないのかもしれない。
「大丈夫じゃ、何にも入れとらん、」
それでも、僕らはためらう。
が、
『ぐぅー』
お腹がなってしまった。
「ほれ、」
そういって、おじさんはスプーンを3本持ってきて、
僕のスープを少し飲んでみせた。
「なーんも、いれてねえよ」
ニコニコしながら言っているのが少し怖いが、
ここまでするなら大丈夫なのかもしれない。
「、、、食べる?」
恐る恐る聞く。
少しだけ戸惑いながら、小さく蓮芯は頷いてくれた。
よし、食べよう。
そっと、スプーンでスープを掬い、口に持ってくる。
「おっ、おいしい」
とろとろしていて、甘い。
キノコはあまり好きじゃないが、
これだったら、いくらでも食べれそうだ。
「じゃろう。このキノコ、森で採ってきたんじゃ。」
おじさんが顔を少し曇らせながら言った。
「へー、俺たちも採集しに行こうぜ!」
のりのりで、蓮芯はそう言った。
すると、おじさんは急に顔を暗くした。
「行くか、行かないかは自分で決めることじゃが、、、
危険じゃよ、、、危ねえもんがある。」
話し方的に、本当のことで、命を落とすぐらい危険なのだろう。
僕は気になったことは聞くことにした。
さっきまでの話と全く関係がないこと。
聞かないとモヤモヤして嫌な気分になるから。
「あの、、、僕たちってどこで見つけましたか?」
少しだけ、虚無の時間が生まれる。
10秒ぐらい経ってからやっと、おじさんは口を開いた。
「あぁ、外に倒れてたんじゃ。
それで、服装的に違う世界からきた
奴だと思ったんだが、、、違うか?」
おじさんの言っていることは全て正解だった。
もしかしたら、おじさんも、違う世界から来たのかもしれない。
「そうです、俺たち、なんか、、、ングっ」
蓮芯の言葉はおじさんに抑えられた。
「なんですか!?急に。」
うるさい。蓮芯。
「言ったらダメじゃ、わしにもそれ以外の人にも」
「、、、」
「いいたいのはこれじゃろ。」
そう言って、本を指差した。普通の本だったけど。
「!あなたも、、」
蓮芯は少しだけ嬉しそうだった。
僕はなんのことを言っているのか、わからなかった。
だが、蓮芯が何かを知っているのはわかった。
「そうじゃ、あの本のタイトルを口にしてはいかん。
口に出した瞬間に死んだ奴がいるからな。
それより、、お前らこれからどうする。
危険な目にあったり、命を落としてでも帰りたいと言うなら、
わしは否定せんよ、じゃが、ほぼ99%の確率で死ぬと思う。」
「もし、お前らが、死にたくねえって言うんなら、ここに住め。」
「、、、あの、おじさんは15歳以上で、森も通れるのに、
なんで、行かないんですか?」
「ああ、それはなあ、15歳以上は、なのをどう足掻いても、
出る道がないんじゃ。
わしもここに来た時、13歳で、出ようとして、
もう少しというところまで行ったが、敵に見つかって、
逃げた。そんで、この家があったから、
ここで住むことにしたんじゃ。もう、それからは二度目の挑戦なんてもんする気はなかった。が、俺の弟が来てな。
一緒に出ることにしたんじゃ。その時わしは18歳ぐらいじゃった。道は覚えとったから、すらすらいけた。まあ、今はもう、
忘れちまったがなあ、、、そんで、なんとか自分の本当に生きている世界と繋がっとる、扉を見つけてな。
そんで、開けたんじゃ、扉は白色じゃったかなあ、
んで、わしらは入ったじゃがな、わしだけ、追い出されたんじゃ。何回も入ったが、無理じゃったよ。
じゃから、、、弟だけ生かせた。
あいつが今無事に幸せに生きとることを願っとるよ。」
おじさんはそういって、少し悲しそうにした。
「そうなんですね、、、」
おじさんの話は正直興味がない。
が、15歳までに絶対に出ないと
一生帰れないというのは、おそらく本当なんだろう。
あれ、?なんの証拠もないのに、
なんでわかるんだ。15歳ってそれに、なんか納得してるし、、、
おかしいな、、、ここにくるまでの記憶も、、、
「ま、おまえらが、もし、行くんだったら、、、
もし、見つかってここに帰って来れたら、、、
ここで、住んでもいいからな、、、
が、もう、何十年も立ってるもんだから、
もっと、突破が困難になっているだろう。」
「教えてくれてありがとうございました。
少しの間でしたがお世話になりました。
さようなら。」
どうやら、蓮芯はここから出ることを決意したらしい。
僕も早く出よう。この部屋、タバコ臭いし、
ずっと居られない。
「ありがとうございました、さようなら」
にっこにこで言った。
我ながらにめちゃくちゃ性格が悪いのかもしれない。
「お、おぉ、またこいよお」
おじさんも笑顔で言った。
僕みたいな笑みではなく、心からの笑みだった。
ドアを開けた瞬間。
冷たい風が来た。
「さむっ」
そういうと、おじさんがあったかそうな服を持ってきてくれた。
「これ、新品じゃから良かったら使え」
「!ありがとうございます」
二人でお礼を言って、着た。
あったかい。
「最後までありがとう!さようなら!」
僕も、お礼だけ言って、でた。
「森はこっちだな、、、」
そういった、蓮芯の目は、まるで、死んだ魚のようだった、、、
コメント
1件
うわあ第2話、一気に不穏な雰囲気になってきたね…!😳💦 おじさんの「本のタイトルを口にしたら死ぬ」って台詞、めっちゃゾッとした…。あのキノコスープあったかそうで美味しそうだったのに、蓮芯くんの最後の「死んだ魚の目」が切なすぎるよ〜😭 この世界のルールと15歳のリミット、ちゃんと伏線っぽくて続きが気になりすぎる!! 偽善者さんの世界観、引き込まれる…✨ 次話も楽しみにしてるよ!🌸