太宰side
ヒ「貴方に人助けなど出来るのでしょうか?友人も助けられなかった、いや、友人を殺した貴方に。」
太「ッ!!」
なんで、そのことを知っているんだ。
ヒ「皮肉なものですね、貴方の異能力も。異能無効化の異能。どんな強い異能も、どんな化け物も、貴方が触れると唯の人間になる。では、貴方を人間にするのは一体何なのでしょう?どれだけの人を人間にしても、貴方は永遠に普通の人間にはなれない。」
なんで、
だめだ、
もう、やめて。
ヒ「貴方はずっと化け物の儘、」
やめろ、
ヒ「いや、」
違う、
ヒ「貴方は、」
やめろ、
ヒ「人間失格。」
太「ヒュッ、」
違う、違う、違う!私、ワタシハ、なんでなんで、違う、違う!!私は、人間失格なんかじゃ、やめて、違う、私、私は!
?「太宰さん!」
敦side
ヒ「貴方は、人間失格。」
太「ヒュッ、ハッ、ちが、ケホッ、ハーハー、カヒュッ、やめ、ヒューヒュー、ハッ、ハッ、ゲホッ、ヒュハッ、」
ッ!不味い、過呼吸だ!
敦「太宰さん!」
太宰さんに駆け寄る。
太宰さんは、苦しげに何かを呟いている。
敦「太宰さん!吸いすぎです!息を吐いてください!」
太「ヒュハッ、ハッ、ハッ、ヒュー、カヒュッ、ケホッ、」
駄目だ、声が届いてない。
どうする、どうすればいいんだ!
乱「太宰。」
敦「乱歩さん!?」
乱歩さんは、ハンカチを太宰さんの口に当てた。
太「やめっ、ヒュハッ、くるし、ハッ、ケホッ、」
太宰さんは抵抗しているが、あまり力が入っていないのか、意味をなしていない。
乱「太宰、大丈夫だから。ゆっくり息を吐いて。」
流石乱歩さんだ。背中を擦り乍ら、声をかけている。
太「ハッ、ハー、ケホッ、ハー、ハー、ッ、ハー、」
太宰さんの呼吸もだんだん落ち着いてきたみたいだ。
太「らん、ぽさ、すみません、もう、大丈夫です。」
よかった。
それにしても、太宰さんがあんなに取り乱すなんて…
敦「太宰さん、あの、」
太「敦君。もう大丈夫だよ。皆も、変なところを見せて申し訳ないね。」
太宰さんが声をかけると、皆も戸惑いながら集まって来た。
福「太宰、もう大丈夫なのか。 」
谷「申し訳ないだなンて、そンな、」
ナ「心配しましたのよ?」
鏡「大丈夫、?」
賢「落ち着いたようでよかったです!」
与「大丈夫かい?」
国「太宰、その、なんだ…、」
国木田さんの云いたいことはよくわかる。そして、言い淀むのも。
何時もお道化ている太宰さんの、秘密。
太宰さんが何かを隠しているのは、薄々気が付いていた。
でも、太宰さんは自分のことをあまり話したがらないし、何か聞くべきではないような気がして、聞けなかった。
でも、 今は、
敦「太宰さん。話してくれませんか?太宰さんのこと。」
きっと、怖かったんだ、踏み込むのが。
決定的な何かが変わってしまうかもしれないことが。
でも、今、覚悟が出来た。
太宰さんの、全てを受け入れる覚悟が。
鏡「私も、聞きたい。」
賢「話して欲しいです!」
与「あンたは自分のことを話したがらないからねェ。」
国「太宰、話してくれるか?」
皆、聞いていいのか迷いつつ、少しでも話して欲しいみたいだ。
太「…。」
乱「大丈夫だ。皆、太宰に頼って欲しいんだよ。無理に聞こうとはしないよ。話したくないんだったら、話してくれるまで待つだけだしね。でも、話してみてもいいんじゃない?僕も、聞きたいんだ。」
太宰さんは、少しだけ考えてから、口を開いた。
太「では、私のお話、聞いていただけますか? 」
敦「はい。」
乱「うん。」
国「あぁ。」
鏡「( . .)“コク」
賢「はい。」
谷「はい。」
ナ「はい。」
与「あァ。」
福「あぁ。」
やっと、太宰さんの話が聞けるんだ。
ずっと聞きたかった。でも聞けなかったこと。でも、もう逃げないって決めたから。
コメント
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うは!! 癖に刺さりますぅう!!過呼吸太宰さん...もう美味しいの領域✨ 探偵社の皆優しいの大好きです!! 次のお話も楽しみにしてます!