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♪
「何この音…?」
朝6時、謎の音と共に起きた。
「これは、目覚ましの合図だよ」
結衣も目を覚ましていた。
「そういえば彩、今日才能選別の日だよね?」
「うん、何すればいいの?」
「え~、内緒☆」
「1つアドバイスするとしたらー 」
「死ぬな(^^)d」
「アドバイスになってないよ、それ」
「どういうことや」
「去年は10人行って、4人しか帰ってこなかったんだよ~」
「大事じゃねえか!」
「まだ死にたくないよ~」
「ま、大丈夫だよ!私が保証する!」
「心配しかないわ」
「そういや、結衣は何の才能が開花したの?」
「彩が生きて帰ったら教えてあげる~」
「勿体ぶらないでよー」
結局、結衣は教えてくれなかった。
それを知るためにも絶対に生き残らなくては。
ついに、才能選別の時間になった。
「いってら~」
結衣にそう背中を押され、部屋へ入った。
その部屋には私を含めて20人、今年は人数が多いらしい。
初めの試験は、自分の武器を決める。
メインの武器1つに、サブの武器2つ、
それは自分で選び、変更はできない。
私はもう、決まっている
決めた武器を手に取り、申告台へ向かう。
そして、宣言した。
「私は、メインの武器を包丁、サブの武器を
針と己の力にします!!」
申告が通され、他の受験者を待つ。
第一試験、無事終了。
次は、自分に合う環境タイプを見つける。
火、水、草、土、石、雷、雪、風、毒
の中にそれぞれ入り、合うものを探す。
どうやら毎日飲まされていた水に 才能を
効率化させる作用があったため、自分に合った環境内では苦しくならないらしい…
ということは…合わなかったら苦しいのか、
憂鬱な気分のまま、最初のドアに入る。
「あ゛ーーーづーーい゛ぃーー」
「?!」
サッ
突然ワープした。先程の傷が治っている。
次の部屋へ移動したようだ。
(ここは、水の部屋か…)
数分後
(やばい、息が…苦し…)
サッ
謎の浮遊感がある。下は…バラ?!
「い゛やだーー!刺゛さるー! 」
「あれ?」
「痛く…ない?」
サッ
(何ここ…暗、)
(てか、動けない)
数分後
(呼吸ができなくなってきた…)
サッ
(…ここも動けない…)
(ていうか、息すらできない…)
(このまま耐えるしか、、)
数分後
(苦しい…私ここで死ぬのかな、)
サッ
「はっっ、ここは…?」
「ギリギリ助かった…」
外なのにすごく暗い、
「?!」
雷が近くの木に落ちた。
(まずい、ここは雷の部屋だ…!)
と気づいた頃には遅かった。
ドゴーーン
私は雷に打たれてしまった。
ただ、幸いなのか、意識があった。
こんな状況では意識がある方が辛い。
「痛゛っ、、苦じ…」
(もうこればかりは無理かも、ここに倒れてたらまた雷が落ちる)
(私、一人で死ぬのか…結衣の才能、聞きたかったな)
「…っ」
(あれは…?)
タッタッタッ シュッ
少し気を失ったが、目を覚ました。
(ここは、屋根の下…?)
(何で…?)
サッ
「ハッ、ここは…って寒!」
「死んだかと思ったな、でも…なぜ?」
(あの時、明らかに倒れた場所とは違った…)
(じゃあ、誰かが…?)
「ウッ…」
上から吹き付ける雪が痛い。
冷たすぎて体が震える。
(少しでも暖まらなきゃ、)
体を丸めて待った。
サッ
「ふぅ、何とか切り抜けた…」
「ここは、平原みたいだけど…」
そのときだった、強い風が吹き付ける。
「やばい、、飛ばされ…ない?」
痛くもなかった。
竜巻の中に居るというのに、何ともない。
「もしかして、、」
サッ
(…密室?)
「痛ッ…?!」
何かが目に染みるような感じがした。
(これは…毒ガスか…)
(なら、息を止めていれば…)
数分後
サッ
最初の部屋に戻ってきたようだ。
(最初の部屋、ということは…)
「よく戻ってきたな、2人目だ」
試験官が言った
(戻ってこれたんだ…生きて、)
(良かった…)
第二試験、無事終了。
次で最後の試験らしい、最後は…
自分のお供を決めるようだ。
色んな動物たちが居るという、ハウスへ入る。
(鳥や哺乳類、魚、虫、、とにかく色んな動物がいる)
周りを見ると、他の被験者達もいた。
がむしゃらに追いかけ回す人、縄で強制的にとらえようとする人、動物に近づけない人、
それぞれの性格が垣間見える気がする。
とりあえず、私は森のような場所に来た。
草村を覗くと、1匹の狐が罠にかかっていた。
罠を外してあげると、左前足を怪我したようなので、自分のポーチから包帯を取り出し、木の棒と固定してあげた。
(誰か近づいてくる…?)
嫌な予感がしたのでその子を抱え、木陰に身を潜めた。
壊された罠を見て、その男は
「チッ、クソが」
と言って走り去っていった。
すると狐の群れが通っていたので、その子を放してあげた。
その子は一度振り向き、仲間の元へ行った。
仲間と戯れてるのを見ていたら、その子がこっちへ来た。
「?」
その子は咥えていたものを私の前に置いた。
「これは…2本の紐?」
その子はうなずいた。
(認めてくれたのかな…?)
紐を1本持つと、首を前に突き出してきた。
その子に紐を首輪のように着け、残りの1本を自分の首に同じように着けた。
「行こうか」
その子を抱え、また探索へ向かった。
あれから時間が経ち、夜になった。
(今、木が揺れたような…)
ホー
上を見るとフクロウがいた。
(獲物を狙ってたのかな?)
そのまま進もうとすると、
バサッ
フクロウが前に降りてきた。口には、狐の子がくれた紐と似たようなものが2本あった。
でも、明らかにあれより短い。
私が固まっていると、フクロウは肩に止まり、
私の手首に紐を落とした。
(なるほど、手首に着けるのか…)
「私でいいの?」
すると、早く着けろと言うように軽くつついてきた。
私は、紐を落とされた右手首に紐を結んだ。
そして、フクロウの右足にも。
私のお供は1羽と1匹になった。
「ここって無限に続いてるのかなー?」
とても広すぎてくたびれ、何気に聞いてみた
バサッ
すると急にフクロウがどこかへ飛んで行く。
「あっ、どこ行くの!」
走ってついて行くが、分かれ道で見失ってしまった。
「どうしよう…」
ウォフ
すると狐の子が左を向いて吠えた
「左?」
ウォフ
タッタッタッ
すると扉が見えてきた、横の木にはフクロウがいた。
「ここに案内してくれたの?」
ウォフ/ホー
「じゃあ、開けるよ…」
ガチャ
「よくお戻りになられましたね」
そこには、実験関係者らしき女性がいた。
「お供さんは、こちらで一時的に預からせていただきます。」
と言って、お供は引き取られた。
「お疲れさまでした。」
「こちらへどうぞ」
サッ
場所が変わった。
「ここは…」
サッサッサッサッ
「彩~お帰りー!」
「わっ、結衣!?」
「お疲れ様ー!部屋に色々用意しといたからゆっくり休んでね」
ガチャ
「わー!ふかふかの布団だぁ!」
ドスッ
「お菓子とかもあるから食べてねー」
「おやすみー」
「おやすみ」
(とても大変だったけど、生きて帰ってこれて良かったー、とりあえず寝よ)
そのまま祝福の眠りについた…