カチ … カチ … と、マウスの右クリックの音を部屋中に響かせながら目の前のモニターに写る彼に片手を伸ばす。
「 あ ~ 届きそうで届かない … 本っ当、もどかしいな ~ 」
モニターの画面上に写っているのは俺のファンだ。まだ俺が底辺の底辺だった頃に、初めて自分のファンになってくれて、俺の初めてを全て奪っていった。
「 そんなの、この俺が忘れるわけないだろ 」
「 なぁ、そうだろ。 菊 ? 」
今更逃げるという行為すら微塵もさせる気は無いがな。寧ろ、そんな事をした暁には俺が傍に居ないと駄目な体にしてやろうか … 。
モニターを見つめながら妄想していると、スマホの通知音とバイブの振動がその思考を遮断した。俺は素早くスマホを手に取ると、スマホの画面には “ 菊 “ と表示されていた。
俺は菊に近づく為に、菊と同じく俺のファンと嘘を付き、フォロリクを送ると、直ぐにフォロバが来た。嬉しすぎて、本垢でもフォロリクを送ろうとしたが、それだと菊を巻き込んでしまう。その為、まだ俺と菊の結婚報告を世に報告するのは早すぎる。と判断したのだ。
そこから血眼になりながら、
菊のリア垢,サブ垢,裏垢。全てのアカウントを特定し、俺はこれらの全てを監視している。
俺は言わゆる菊のネトストになっていた。
因みに、菊のリア垢には友達らしき人と写っている写真や、誰かに撮ってもらったであろう菊単体の写真等がほんの僅かに投稿されていた。
それ等は俺を満たすには十分過ぎる材料だった。
名前は以前、握手会に来た時に本名だと明かした。
本当、俺じゃなかったら大変な事になってるぞ、と呆れながら今日も自分の菊への 欲 を少しづつ満たしていく。
手をさっきよりも更にモニターに近づけながら俺は口を開く。
「 嗚呼、本っ当に最高だよ。菊 … 」
俺はもう、善人な
アーサー・カークランド にはもう戻れない。
責任取ってくれるよな、 ?
菊
Continuar .?
コメント
2件
あああやばいやばい好きです!! 本田のことを自分で勝手に好きになったのに責任を全部本田に押し付ける眉毛さんクズすぎてすきです😭