テラーノベル
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夜の街は人々で賑わっていた。まあそんなことは毎日のことで街は常に人で溢れている。
なぜだろうか今日はいつも以上に人手が多く、街は人でごった返っている。
どうしたって聞こえてくる騒音と眩しい光から逃げるように裏路地の奥、うずくまって目を伏せる。
このまま寝れたらいいのに。一生起きなくったっていい。眠りを妨げるようにお腹がぎゅるぎゅると鳴り、空腹を示唆する。
、、最後にまともなご飯を食べたのいつだっけ。
お腹が、空いた。何かを食べるにも無力な俺にはどうすることもできない。酒場の裏に捨てられた残飯なんかを食べられたら、
その日はすごく運がいい。でもそんなご馳走はなかなかなくて、食べ物を求めて毎日のようにゴミ袋を漁る。
食べても、食べてもお腹が空く。だから俺はありったけの願いを込めた夢を見る。
目を開けたら、清潔な服を着ていて、腹いっぱいのご飯が食べられて、誰かに「愛してる」と抱きしめられて。
そんな幸せな夢。瞼を開けるたびにもし叶っていたら、と期待をする。だけど、現実は厳しく夢の終わりを告げる。
いつもと少し違うのは店と店の隙間から見える街路樹にイルミネーションがちかちかと光り、赤と緑に街が染まっていること。
視界に入ってくるのはどれも人、人、人。通り過ぎる人達はみんな、笑っていて、楽しそうで。
俺には、ないもの。きっとこれからも俺にないもの。
いつもは思い出さないようにしていた現実に直面して、ぐちゃぐちゃとした何かが胸のあたりを渦巻いている。
視界がだんだん歪んでいく。頬を伝っていく涙はぬるく、拭っても拭ってもとめどなく溢れる。
「っひっぐ、、っひ」
狭い路地裏に小さく嗚咽が鳴る。喉はからからで声を出すのも苦しい。
どれだけ俺が泣き喚いたって、どれだけ俺が苦しくて挙句の果てに倒れたって、俺に手を差し伸べてくれる人はいない。
俺に気付く人は誰もいない。いや、見て見ぬふりをしている人もいるかもしれない。
それでも、俺とは違う世界を生きる人々なのだと思わずにはいられない。
何年も前からここに暮らしてるんだ。俺の声が届かないことくらいわかっている。
それでも、願ってしまう。ここから出たいと、目の前を通り過ぎていく人々と同じ暮らしをしたいと。
路地裏の奥、明るい外の世界へと手を伸ばす。届かない、届かない。そんなのわかりきったことなのに。
「たす、け、、て、、」
どうしても、人はないものねだりをするんだ。
伸ばした手は空を切って湿ったアスファルトへと落ちてゆく。
とん、と手が地面に着いた。痛くはない。だけど、諦めるには十分な痛みだった。
次の瞬間、唐突に身体が重くなる。苦しくて仕方が無い。
瞼は重く、今にも閉じようとしている。瞼を閉じること、それが一番手っ取り早く楽になる方法なのだと気づかされる。
ずっと、待ち望んでいたことだった。それでもいつまでも体は必死に抵抗している。なぜだろうか、涙まで出てくる。
、、、もう、放してよ。
「クリスマスイブに悲しんでいい子供なんていないのに、、。もう少しだけ、耐えてて」
人の声が聞こえる。幻聴だろうか、それも物凄く近い距離で。
頬になにか、暖かいものが触れる。どこか懐かしい温かくて優しい、ぬくもり。
ふい、と体が軽くなる。何かに支えられてる感覚がする。お迎え、かなぁw
もう、終わりか。ちょっと名残惜しいな。
瞼はより重くなり、諦めたのだろうか身体もだらんと力を抜いている。
そこで俺の意識はプツリと切れた。
「はぁっほんとに急がないとっ、、!もう少しだから頑張れよ!」
聞こえる声に耳を傾ける余力は、なかった。
どう、でしょうか!!めっっっっちゃ頑張りました!
褒めてください~泣
コメント
10件
天才.....?だな。 最高!
えええええ!もうこれは何書いてなくてもmfdnだわ…( 最高。mfくん?めっちゃ必死なのイケメンや
すごい⋯!ちゃんとクリスマス要素が入ってる!今やっと「今日ってクリスマスイブなんだ!」って思ったww( 悲しい!私が助けるよ!(