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真っ先に目に飛び込んでくるのは白。

それ以外はひとつもない、整えられた、それでいてどこか圧迫感のある、そんな空間。

ここには果てしなく続く白と俺だけ。

誰かが視界に入るたび、“ひとりぼっち”なんだと強烈に自覚し湿った地面を見つめていた。

それが今はどうだ。

寂しい、そんな感情が少しも出てこない。

集団のひとりは寂しいけど、ほんとうのひとりは寂しくないんだ。

開放感があって体が軽い。

この整えられた、少々圧迫感のある白い世界が俺には心地よかった。

ただただ立ち尽くすのも何か違う気がして自然と俺の足は前へと進み始める。

どこかに終わりがあるのではないかという好奇心、あるいはなにか本能的に感じ取ったのかもしれない。

この”白”が終わるとき_それすなわち冥界への旅立ちだと。


もう歩いてどれだけ経っただろうか。体は何も疲れていない上、体調も悪くない。

それだけが今俺がいる世界は”現世”じゃないという証拠だ。

このままこの世界に溶けていくように俺は消えるのだろう。

足を止めて大きくひとつ伸びをする。

息の根を止めようと容赦なく心臓を鷲掴みにされるような痛みも心のどこかにぽっかりと穴が空いたような孤独感もない。

白はどこまでも優しく俺を受け入れてくれる。

「あとちょっと、かなぁ」

また俺は進みだす。




イブの夜、息を切らして冬空の下を走る。腕には瘦せた男の子を抱きかかえているが余りにも軽すぎる。

慎重に、それでもできるだけスピードをあげ、ここじゃないどこかへと運ぶことしか、俺にはできない。

救急車は早くても2時間後、頼れそうな知り合いもいない。どうやらクリスマスイブ大渋滞が都心で多発したらしい。

事故の対応に救急車は追われて忙しいのだろう。救急電話なんて初めてだったせいで嚙みまくりだったのもあるかもしれない。

運が悪いのは仕方ないとしても我ながら情けない。

弱り切って衰弱したこの子を裏路地で見つけたときの驚愕と悔しさ。

世の中にこんなにも苦しんでいる人がいるということ、それすら気付かなかった。物語でしか見ないような架空の話だと

思っていた。箱を開ければほんの少し手を伸ばせば届く距離にあったのに。

目の前にこんなにも弱った子どもがいるのになにもしてやれない自分が嫌になる。もっとはやくに気付いていれば、

何か変わったのだろうか。

自己嫌悪も、反省も全部後だ。今は取り敢えずこの冷たい体温が温かいぬくもりになるようにどこか、ここからそう遠くない

場所にこの子を連れてていく、それが俺にできること。

足を更に早める。

風に逆らうようにして一歩踏み出し、見当もつかないどこかへと向かう。





どうでしょうか!実体験も混ぜてやってみると

リアル感増すかなぁなんて挑戦してみました!

この小説を読んでおぉそれっぽい!ってなってくれたら嬉しい限りです!!

聖なる夜に祈りを

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57

コメント

11

ユーザー

あー、dnちゃん諦めないで!どんなときも!(は?) mfくんは悪くないよ〜!

ユーザー

この時点で既に涙腺に少し…🥲 次のお話も楽しみにしています😌✨

ユーザー

天才

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