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「誕生日」

もう既に付き合ってます

投稿遅れたけど一郎の誕生日前だと思ってください!!!!!!!!!




最近、綾斗さんに避けられてる気がする。


「綾斗さん!」


「おー、一郎」


「今から帰りですか?俺も一緒に帰りたいです!!」


「あー悪ぃ、今日予定あんだわ」


「そうですか…残念です」


「また今度な」


「はい…」


こんな感じで、何かと理由を付けて裂けられてる気がする。

ここ一週間ずっとそう。

何かしたかな、俺。

ようやく付き合えたのに…

もしかして飽きられたのかなぁ。

確かに、俺なんかより良い人なんてこの世にいくらでもいる訳だし。

もう俺誕生日なのにな…

忘れられた?その前にもう飽きられた?

誕生日に別れ話とか、嫌だなぁ…


「…」


綾斗さんに断られた後、公園に来てブランコを漕いでいた。

虚無。

もう虚無でしかない。

こんなに必死に追いつこうと思って、やっと付き合えたのに。

考えるのが嫌になってきたなぁ…。


「あれ、兄ちゃん?どうしたの、大丈夫?」


学校帰りの二郎に声をかけられた。

弟に心配されるって、俺、ダメな兄貴だな。


「平気平気。久しぶりにブランコ乗りたいなーって思ったから漕いでただけだよ。すぐ帰るから、二郎は先に帰っててくれ」


二郎の頭をぽんぽんと叩き、先に帰した。

さて…どうすっかな。

このまま帰っても態度に出ちゃいそうだし、二郎や三郎に迷惑をかけたくない。

はぁ…。


「一郎」


「ぇ、綾斗さん?、今日は一緒に帰れないんじゃ…」


「帰りは無理だっただけ。今日ウチ泊ってく?」


「泊まりたい!……です」


一瞬嬉しくなったけど、さっきまで何してたんだろう。

まぁけど…いっか。

嬉しいし。

綾斗さんが適当に俺の事をあしらう訳が無いし。

だったらなんか理由があったんだろ、分かんないけど。

まだ別れたわけじゃねぇし、別れ話切り出されたら病めばいいか。


「…」


綾斗さんに手を引かれて、そのまま暗くなった道を歩いた。

じめじめして熱い帰り道。

最近綾斗さんの傍にいられなかったから、嬉しい。


「ん、ついた。ただいまー」


そのまま家にあがらせてもらって、ソファーに座った。

勢いで着てきたはいいけど、話す事が無い。


「えっと…綾斗さ」


「ごめん」


「へ?」


え、なに、本当に別れさせられる?

前置きのごめん?態々家に呼んで?

そういう律義な所も好きだけどさ…

ここで別れようって言われたら泣く自信しかない。

誕生日前にこんなこと起こるか?普通。


「最近一緒に帰ったりとか、一緒に居る時間あんまりなかったじゃん」


「そう、ですね、」


「寂しい思いさせてごめん」


「いや全然大丈夫ですよ?!」


「…今日は一緒に寝てもいい?」


へ?

今まで絶対俺をベットで寝かせて自分はソファーで寝てた綾斗さんが?!

俺を誘ってくれた?!


「勿論!最近あんまり付き合ってる実感なかったから、恋人っぽい事できて嬉しいです」


「ぽい…ってか、恋人じゃないの?」


そう言って綾斗さんが俺の前にかがんで目線を合わせて来た。

くッッッッ!!!!!!あざとい!!!!!!!!

咄嗟に顔を逸らして、手で顔を隠してしまった。

顔面偏差値の暴力すぎる、直視したら溶けるぞこれ。


「…違う?」


ちらっと視線を送ると、心配そうな顔をして俺の顔を覗き込んでいる綾斗さんの顔が。

可愛いしカッコイイし行動がいちいち律儀で好き。

何もう、ほんとさ、好きじゃん。


「恋人、です。ずっと好きだったから、」


顔を見ようと思ったら火力100%でぶん殴られたから下を向いて言った。

顔がよすぎるんだよな、顔が。

前世でどんな徳を積んだらそんな顔面国宝になるのか。


「俺も好き。風呂入るか」


満足そうに言うと、立ち上がって俺の頭を撫でてくれた。

ハァ~??????????????????

何今の、カッコよ。行動のひとつひとつから尊さを滲み出してくるの本当に何?

思考回路がショート寸前でフリーズしていると、綾斗さんがパジャマを投げて来た。

しかも綾斗さんがいつも使ってるやつ。

俺は何回も綾斗さんの家に押しかけてるから分かる。

これいっつも寝起きの綾斗さんが着てる奴だ。


「えっと…?これ使って良いんですか?」


「いーよいーよ、今日新しいの届いたから。それ前に欲しいって言ってたじゃん、だからあげる」


過剰なファンサービスに俺の体中の細胞が歓喜を隠せない。

大好きだが????

ンハーーーこの距離でも分かる良い匂い。

誕生日プレゼントって事かな?!


「ほら、入るぞ」


「はーいっ!」
















そっからはもう、あんまり覚えてない。

気が付いたら布団の中に入ってて、綾斗さんに抱きしめられてた。

今何時?

丁度0時になったところらしい。


「一郎」


「はぃっ?!」


やばい、緊張しすぎて変な声出た。


「誕生日おめでとう」


「へ」


それを言う為にわざわざ泊めてくれたのか?

その瞬間、スマホの通知が一斉に鳴りだした。


「今年は俺が一番最初に言ったからな」


エー?!今日わざわざ一番に言ってくれたの?!

そんなん綾斗さんにならいつ言われても嬉しいのに。


「生まれて来てくれてありがとう。一緒に居てくれてありがとう。愛してるよ」


抱きしめられて逃げ場がない状態で、しかも耳元で言われた。

即死トラップですか?

耳孕むわこんなん。


「ありがとうございますっ!」


「…最近一緒に居れなかったのはさ、色々準備してたのもあって」


「準備?」


「一郎の事盛大にお祝いしてくて、一人で頑張って計画練ってたから、最近そっけなくなってたかも」


「ごめん」


と、もう一度謝られた。

そんなのもういいのに…

ただ誕生日を祝ってくれて、一緒に居てくれただけで満足なのに。


「そういうとこ大好きですよ、ほんとに」


「俺も。明日祝い倒してやるから、今はゆっくり寝ろよ」


「はいっ!おやすみなさい!」


「おやすみ」


今年の誕生日が、世界で一番幸せだと思う。









次の日の朝からぶっ通しで祝い倒されましたとさ

(遅れてスマーーーーーーーーーーーーン)

夜倭綾斗×山田一郎短編集

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