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ふかいわ
深澤side
夜も更けてきた頃だから開けっ放していた窓を閉めて、鍵を掛ける。11時頃にスマホが鳴って誰かから通知が来たことを知らせた。ぶっちゃけめんどくせえけど見てみたらちょっと吃驚、照からだった。何の用かと思ったら今日楽屋に忘れて帰っていたメガネを彼が持っているらしい、そういや収録前に外してどっか置いて帰ってきたわ。ジム帰りに届けに来てくれるらしいからオフの照に会える喜びを噛み締めながら1時間何をして待とうかと考える。誰かに電話でもしてみようか。そうだなぁ、今掛けても良さそうなのは
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向井side
今11時過ぎやぞ、誰やこんな時間に電話掛けてくんの。なんだなんだと首を捻りながら画面を見てみるとふっかさんやった。
【もしもしー、なんやどないしたん?】
「次の用事までに時間あるから暇潰し付き合ってくんねーかなって」
【なるほどな笑 ええよ付き合うわ、て言うか次の用事てこっからまた仕事あるん?】
「いや、これからちょっと来客がね~」
【てるにいやんな?メガネがどうちゃら~言うてぼやいとったし】
「そうそう最近物忘れ酷くてやべえわ…わら」
ふっかさんは多分てるにいの事が好きなんやと思う。夫婦やらなんやらて言われとって、メンバーの中で結婚するならって質問来たらお互いにお互いを指名するくらい仲ええしな。せやから俺いわふかは両想いやと思っててん。ほんでもな?ふっかさん的にはなんかちゃうと言うか、てるにいは別の人が好きやとか言うとる。ほんでそう言っていつも切なげな表情浮かべるんよな。周りからも公認で夫婦って言われて、それがきっかけでは無いとは思うけど本気で好きになって、それでも相手からは本気にして貰えんくて。なんだかんだ言うてこん中でふっかさんが一番辛い恋愛しとんとちゃう?やっぱシンメに恋してもーたら色々狂うししんどいねんな、ようわかるわぁ。そんなこんな話しとったら電話越しにチャイムの音が聞こえた気がした。
【てるにい来たんとちゃうん?】
「来たっぽいわ。まじで康二ありがと、今度なんか奢る」
【ありがとう笑 ほな頑張ってな、何かあったらまた連絡してや】
「ん、ありがと~」
この電話と共に、彼らの縁も切れてしまわんかったらええんやけど
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深澤side
康二との電話が終わってから2時間くらい経った。12時頃家に来た照と話し続けて1時間。やっぱり会話は尽きないし話していてずっと楽しい、幸せだ。1時間もぶっ通しで話し続けていたらやはり喉が渇くもんでテーブルの上に置いているグラスを取ろうとしたら彼も同じタイミングで手を伸ばしたせいで手と手が触れた。氷がカランと音を立てて溶けた。
『あ、ごめん俺のこっちか笑』
「なんでわざわざこっち手伸ばしてきたんだよ笑 ほんと俺のこと好きだよな~笑」
『なんでそうなるんだよ笑 そりゃメンバーとしては好きだけどな? 』
「ほら好きなのには変わりないじゃーん」
『まあまあ…ね』
またこの顔だ。俺と会話してるのに別の誰かのことを考えてるみたいな、微妙に目が合わないこの感じ。誰かのことを好きだ、って話を始めたらいつも彼はこうなる。その誰かになりたかったのになれなかった。それでも俺はやっぱり
“君の彼氏になりたい”
…なーんてね。心では言えるどころか叫べる程に思っている。けど、肝心なところで勇気は出ないし彼はうちに泊まるつもりは端から無さそうで
『じゃーな、もう忘れて帰んなよ』
と残して帰っていった。彼がいなくなった部屋は、いつもと一緒な筈なのにとてつもなく広く感じた。あー寂しいんだ、俺。誰かに会いたいな、誰かに…あ、
「”急にごめん、すげえ迷惑なこと言ってんのはわかってんだけど後で会えない?”」
阿部ちゃんの気持ちを弄びたい訳じゃないし悪いとは思ってる。でも今は照の代わりでいて、沈み込んだ俺の心を照らしていて。
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岩本side
ふっかはいいやつだし彼にも言ったとおり好きではある。でも恋愛対象として見ることはこれまでもこれからも絶対にない。だって俺には
『”もーどうせなら泊まってけばいいじゃん”』
《”ほんとにいいの?じゃあせめて晩御飯くらいは作らせてね”》
『え、まじ?逆にいいの?』
《まあ場所提供して貰ってるしねぇ、お礼と言ってはなんですけど》
明日の仕事は舘さんの家からかなり離れたところにあるスタジオでの撮影のため、俺の家に泊まっていってもらうことにした。夕飯も作ってくれるみたいだし俺からしたらただのご褒美じゃん。嬉しくて嬉しくて、修学旅行の前日くらい眠れなかった