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いわだて
岩本side
「…ん、いいんじゃない?」
『…だね、ありがとう笑』
風呂上がりの舘さんがドライヤーを貸してくれと言ったからどうせなら俺が乾かすと言って彼の髪を乾かした。なんかカップルっぽいことしてんな、と思う反面艶やかな黒髪が自分の手の中で踊っているのが不思議で面白かった。ふと時計を見ればそこに表示された数字は2:06AM。しっかりがっつり深夜。家のカーテンは遮光性がめちゃくちゃ高いわけでもないから光が漏れるのが何となく嫌で電気の明るさを1段階下げるとだいぶ薄暗くなった。
『ところでさぁ、照のパジャマってこんなでかいの?笑』
「俺が着たらそんなでかく見えないんだけどな、…舘さんちっちゃいから」
『ちっちゃくねえし。照含めて周りがでかすぎるだけなの』
10cmも変わらないのに袖が余ったり首周りが妙に開いていたりと少しだぼっとした服を着ている彼は珍しくて思わずじっと見てしまう。じろじろ見ていたせいかでかいだなんだと言って笑っていた顔から一変、怪訝な顔をして此方を見てきているが、それさえも可愛い。もうなんか何してても可愛い。シルバニアとかさ、そういうちっちゃくて可愛いものが好きなのは人間に対しても一緒みたい。パジャマでかいって言ってるし違うの着せようかなとか俺が持ってる全ての服一旦着てみて貰おうかなとか色々考えてみたけど引かれそうだからやめておくことにした。
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渡辺side
「彼シャツ…って、いいよね」
【…は?】
「いやだから、彼シャツっていいよね」
【…照変なもん食った?】
「食ってねえよ」
照がなんかおかしい、リーダーまでイカれちゃったらどうすんだよこのグループ。照がおかしくなったら誰が纏めんの?この動物園。そうなったら俺がやるしか…無理だな。いやそんなことはどうでもよくて、なんかほんとに照がおかしい。日常生活で急に彼シャツのこと語り出すような岩本照なんて俺知らねえよ、ひーくんでもいわもっさんでも照でもねえじゃん。新しい人格出てきた?
【なんで急に彼シャツ?あと俺が好きなやつ俺よりでかいからそんな夢見れねえんだわ】
「っふ、どんまい笑 いやでもやっぱさ、自分より小さい人が自分のシャツ着てんの可愛くない?」
【いやまあ可愛いかもしれんけど】
「だよな、今度仕掛けてみようかな~…」
仕掛けるって誰にだよ、てか何回も言うけど俺にその話題持ってこられても共感できねえんだって。佐久間以外みんな俺よりでかいからどの人が俺のシャツ着ても前閉まってないか丈足りないかなのよ。くそ、想像したらムカついてきた。あー渡辺イライラしてる
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岩本side
いつもより少しだけ舘さんが小さく見えて錯覚かと思っていたらちょっと縮こまってたみたい。寒いのかと彼が縮んでいる理由に気が付けば毛布もといブランケットを持ってきてふわりとかける。ありがとう、なんて笑う彼がどうしようもないくらい愛おしくて。そのまま手を握ったら
“どうしよっか”
とは、言えなかった。手を握ってから数秒の沈黙があってから彼の困惑したような表情が目に入る。そりゃ困惑もするだろうな、と変に冷静になると誤魔化すような言葉もさらっと出てくるようで
「…手冷たいね、まだなんか欲しいものあったら言って」
一応泊まって帰るとは言ったものの彼はソファで寝ると言って聞かず、別々で寝て朝起きたらもう部屋に彼の姿はなかった。律儀に置き手紙を置いてほんの数分前に出ていったらしく、まだ暖かいココアと朝ごはんまで用意していってくれていた。好きじゃないなら、期待させるようなことすんなよ。彼の手料理は美味しかったけど少しだけしょっぱいところもあった
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宮舘side
《”ほんまに?!ええん???ほな今夜お邪魔します、初めて作るやつやから変な味になっても全部一緒に食べてや笑”》
『”もちろん笑 てか俺居るし見てないとこで調味料とか足さない限り変な味にはならないでしょ笑”』
《”確かにそれはそーや…”》
愛しの彼から料理を教えてほしいというLINEが来て食材を買うために照の家を出た。”愛しの彼”とも照ともなんか関係があるって思われがちだけどどっちも友達だよ、今はね。さてさてのんびりしている暇はない。今からいいお肉を使ったローストビーフを作るための材料を買いにいかなきゃいけないんですからね。愛する関西弁の子犬みたいなフォトボーイくんのために。宮舘、金使いまーす