「ゲームなんかじゃない」
『―――幼馴染みです』
波の音に混じって届いたのは、意外な一言だった。
(幼馴染み……)
世の中は広いようで狭い。
もしかしてあいつの恋人かと疑いもしたけど、その答えは全くの想定外だった。
俺は不自由とは無縁に育った。
物や金、勉学や女に至るまで、困ったことはなにもない。
父の息子だというだけでちやほやされ、加えて見た目も良く産まれてきたため、 迎合(げいごう)されて当然だった。
それに慣れ過ぎていた頃、偶然見つけたのがあの写真。
父と 松永侑(まつながゆう)、そしてその母親を眺めているうちに、ふとある疑問がよぎった。
同じ父の息子の、こいつはどうかと。
『 佐伯(さえき)』という名前があるだけで、俺は光に当たる場所にいる。
その陰にほかのだれかがいると考えた時、初めて言いようのない苦さを覚えた。
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