「どこにいくの」
私は思わずあたりを見渡した。
ずっとここにいたから気付かなかったけど、たしかにもう薄暗く、ひと気もない。
私が大人しくなると、彼はため息をついて肩から手を外した。
気まずさに俯いた時、突然バイブレーションの音がした。
佐伯(さえき)はスマホを取り出し、少し迷った後で耳に当てる。
横柄(おうへい)な彼が丁寧語で話をしているから、相手は偉い人なんだろう。
「……7時からですか。 行けます。じゃまた後で」
通話はそこで終わり、次に佐伯は電話で運転手さんを呼んでいた。
「あんたを送らせるから、迎えが来るまで少し待って」
憮然(ぶぜん)とする私を横目に、佐伯は勝手に話を進めていく。
それから彼は駐車場の端にある自販機に向かい、 なにかを手に戻ってきた。
「これ」
差し出されたのはミルクティーの缶。
それを見て、私は「え」と呟いた。
まさかくれるだ************************
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