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スミセス🍏年内200人目標中
#ご本人様には関係ありません
ライブの幕が下りた直後、楽屋にはまだ熱気が残っていた。
涼架は、ステージ衣装の羽織だけを脱ぎ、鱗のような煌めきの衣装のままソファに座り込んでいた。
滉斗も、ギターを置くとすぐに、同じように近くに腰を下ろす。
「……お疲れ、涼ちゃん」
かすれた声でそう言った滉斗は、涼架の横顔をじっと見つめていた。
汗で乱れた髪。
濡れたままの襟足。
スポットライトの名残か、涼架の体にはまだ、淡いオーロラのような輝きが残っている気がした。
涼架も滉斗の視線に気づき、静かに笑う。
「……なに、見惚れてんの?」
冗談めかして言ったが、すぐに滉斗がそっと顔を寄せてきた。
鼻先が触れそうな距離。
「……だって、綺麗すぎるからさ」
その囁きに、涼架は思わず息を呑む。
さっきまで何万人もの前で輝いていたはずなのに、今はたった一人、滉斗だけの視線が、体中を焼いていた。
滉斗の指が、涼架のキラキラした胸元をそっとなぞる。
衣装越しに感じる滉斗の温度。
それだけで、涼架の体は震えた。
「……ライブ、めっちゃよかったな」
「うん……」
言葉を交わしながら、いつしか滉斗の手は涼架の頬を包んでいた。
そのまま、引き寄せられるように、唇が重なる。
最初は軽く触れるだけだった。
けれど、すぐに互いに貪るようなキスへと変わる。
ステージの熱が、まだ二人の体に宿っているかのようだった。
「……もっと、涼ちゃんに触れたい」
滉斗の手が、涼架の衣装の裾を乱暴にめくり上げる。
鱗のように煌めく素材が、ざらりと音を立てた。
「……滉斗、ここ……楽屋、だよ……」
涼架が震える声で言う。
でも、それ以上に滉斗の指先が心地よかった。
止めたくても、体が素直に従えなかった。
滉斗は、涼架の耳元に唇を寄せ、熱っぽく囁く。
「大丈夫。……誰にも、見せないから」
滉斗がそう囁いた直後――
涼架はふっと滉斗の胸に手を添えた。
そして、そっと、押し倒す。
「……本気、出していい?」
耳元で、いつになく低く甘い声。
普段は天然で柔らかい涼架が、滉斗だけに見せる、もう一つの顔。
「 今日の俺……頑張ったよね?」
「……ああ、すげぇ綺麗だった」
「なら、ご褒美……欲しいな」
涼架の指先が、滉斗の頬を撫でる。
そのまま喉元をなぞり、胸元へと滑り落ちていく。
滉斗は、自分の鼓動が高鳴っていくのを止められなかった。
ステージよりも、何万人の視線よりも、涼架のこの視線が、一番心臓を震わせる。
涼架は、ゆっくりと指先で滉斗の肌に触れる。
汗ばむ肌に、指先の冷たさが心地いい。
「……ねぇ、もっと、声……聞かせてよ」
甘く、妖しい誘い。
涼架は滉斗の耳たぶを軽く噛み、舌先でくすぐる。
それだけで、滉斗の体がびくりと震えた。
「涼ちゃん……ほんと、ズルい」
「……ズルいのは、滉斗だよ」
そう囁くと、涼架は滉斗の胸にキスを落とし始める。
優しく、でもどこか焦らすように。
滉斗の息が少しずつ荒くなっていく。
涼架は微笑んだ。
こんな滉斗、誰にも見せたくない。
自分だけが知っていたい。
「……滉斗、俺だけ見てて」
吐息混じりの声でそう告げると、涼架は滉斗の唇を塞いだ。
深く、舌を絡めるキス。
さっきまでステージで見せていた神秘的な表情とは違う、もっと、原始的な欲望の顔。
唇を重ね、息が絡まるたびに、涼架の中の理性はどんどん溶けていった。
涼架は滉斗の衣装をはだけさせると、肌に直接唇を押し当てる。
胸元、腹筋、腰骨。
触れるたびに滉斗の体が小さく震える。
「……涼ちゃん、そんなとこ、触ったら……」
滉斗がかすれた声で抗議するけど、涼架はいたずらっぽく笑った。
「やだ、もっと触りたい」
甘えるように言いながら、涼架は自分の衣装にも手をかけた。
キラキラと輝く鱗模様の生地を、滉斗の目の前でゆっくりと外していく。
次第に露わになっていく、白く滑らかな肌。
滉斗の喉が、ごくりと音を立てた。
「……綺麗すぎて、やばい」
思わず漏れた滉斗の声に、涼架は嬉しそうに微笑みながら滉斗の手を取り、自分の肌へと導く。
「触って……滉斗の手、あったかいから」
誘われるままに、滉斗は涼架の腰にそっと手を添えた。
指先に伝わる、体温。
やわらかく、でも確かな存在感。
滉斗をもっと近くに感じたくて、涼架はふいに滉斗の手を引いた。
そして、楽屋の一角――
化粧直し用の大きなメイク台に、滉斗を押し付けた。
「涼ちゃん、ここ……っ」
滉斗が戸惑った声を漏らす。
けれど涼架は答えない。
そのまま、メイク台に置かれたパウダーやブラシ、小物たちを手で一気に払い落とした。
カラン、カラン――
音を立てて床に散らばるコスメたち。
そんなこと気にも留めず、涼架は滉斗をメイク台に無理やり座らせる。
ふたりの姿が、正面の大きな鏡にくっきりと映っている。
「……滉斗、鏡……見てみて……」
涼架がかすれた声で囁く。
滉斗はハッと気づき、視線を上げた。
そこには、
頬を紅潮させ、涙ぐんだ目で涼架にしがみつく自分と、
必死に滉斗を受け止めながら、同じく乱れた涼架の姿が映っていた。
「……こんな顔……滉斗にしか、見せたことない……」
涼架は小さく呟きながら、さらに腰を強く押しつけた。
滉斗もたまらず、涼架の腰を掴み、動きを合わせる。
腰を打ちつけるたびに、机がギシギシと軋む音。
鏡越しに映る、自分たちの乱れた姿。
すべてが、背徳的で、異常なほどに美しかった。
「涼ちゃん……エロすぎ……」
「滉斗だって……顔、真っ赤……」
熱を帯びた視線を交わし合いながら、互いに貪り合う。
滉斗の手が、涼架の背中を撫で、涼架が体を押し上げるたびに、
鏡に映るふたりはさらに淫靡に乱れていった。
互いの呼吸が重なり、熱を孕んだまま、最高潮へと駆け上がる。
「……好き、滉斗……好き、好き……」
「……涼ちゃん、俺の中で、イって……」
甘く誘うような声。
涼架は限界を迎え、滉斗を抱き締めると、そのまま激しく果てた。
滉斗もまた、涼架の熱を感じた瞬間、
涼架の名前を叫びながら絶頂に達した。
鏡の中に映るふたり――
ぎゅっと抱き合ったまま、汗に濡れ、震え、
それでもしがみつくように、お互いを求め続ける姿は、
どんな神話よりも美しく、どんな伝説よりも官能的だった。
メイク台の上、コスメが散らばる足元で、
ふたりはしばらく動けなかった。
滉斗の首にしがみつきながら、涼架は震える声でささやく。
「……滉斗、大好き……」
滉斗も、涼架の髪を撫でながら答える。
「……俺も。ずっと、涼ちゃんだけ」
鏡に映るその姿は、
まるでふたりだけの秘密を、永遠に閉じ込めたかのように、
いつまでも輝き続けていた。
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