ミセスの活動休止からしばらく経ったある日、元貴が突如とんでもない発言をする。
「……俺、ムキムキになりたい。」
「え?」
「は?」
涼架と滉斗が同時に絶句する。
「いやさ、最近ライブ中に思ったんだよね。もっとさ…パワフルなボディで“青と夏”歌いたいって。」
「いやいやいや、それ青じゃなくて“筋と夏”になるよ!笑」
涼架が爆笑しながらツッコむ。
「筋って…笑」
滉斗は顔を覆う。
「でもさ、元貴が言い出すとほんとにやりそうで怖いんだよな…」
そう言ってるうちに、元貴はもうパーソナルトレーナーに連絡を取っていた。
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【1ヶ月後】
ジム。汗だくの3人。
「うおおおおおお!!!あと10回!!!」
叫ぶ涼架。
Tシャツの袖からのぞく上腕二頭筋が、もはやピアノじゃなくて冷蔵庫持ち上げそうなレベル。
「筋肉は…裏切らねぇ!!」
滉斗はバーベルを担ぎながら、完全にスポ根漫画の住人。
そして元貴はというと…
「……俺の肩に…翼が生えそう…」
そう呟きながら、鏡の前で三角筋を誇らしげにチェックしていた。
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【3ヶ月後】
ミセス、再始動。
「元貴、それ…まさか今日の衣装?」
元貴が持ってきたのは、黒のピタピタタンクトップ。
しかも、あきらかに破け待ち仕様。
胸元には、控えめに「MGA」とプリントされているが…布の張りに負けて文字が歪んでいる。
「うん。これ着たら、曲にも筋肉にも魂こもる気がしてさ。」
「いやいや、もはや“衣装”っていうか…“武装”だよ!」
涼架が苦笑しながら元貴の上腕を指でつつく。
「ふん…俺も今日は、限界までパンプアップしてきたからな…!」
滉斗は自前のプロテインシェイカーを振りながらドヤ顔。
「よし。今日は“音楽”と“筋肉”の融合ステージ、いくよ。」
3人は手を重ね、いつもよりゴツい拳で気合を入れる――。
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【ステージ開幕/インフェルノ】
暗転した会場に、赤い火柱が立ち上がる。
爆音と共に「インフェルノ」のイントロが流れ、ステージ中央に浮かび上がる影――。
光が差し、現れたのは、ムキムキに鍛え上げられた3人の男たち。
「うおおおおお!!!」
会場がどよめく。
元貴がマイクを握りしめ、声を張る。
「俺たちは!鍛えた!!!でもそれでもまだ足りない!!!今日は筋繊維が千切れるまで、燃え尽きるぞぉぉぉ!!」
まさかの筋肉煽りMCに観客もヒートアップ。
滉斗のギターが鳴るたび、腕の血管がビキビキ浮き上がる。
涼架はキーボードを叩きながら、腹筋をこっそりチラ見せしてドヤ顔。
そして元貴の声は、胸筋の振動とシンクロしてマイクに乗っていた。
まさに“筋と音のシンフォニー”だった――。
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【筋肉チェックタイム】
曲間のMCが始まった瞬間、元貴が笑顔で提案する。
「……ちょっと、みんな聞いて。今日だけの特別タイム、いってもいい?」
会場「えーー!?」
「“筋肉チェックタイム”!!!」
\ヒューヒュー!/\キャーーーー!/
まさかの歓声。
元貴がステージ中央に仁王立ちし、ゆっくりと胸を張る。
「いっくよ?せーのっ!」
\ボンッボンッボンッ/
(胸筋の独立リズム運動)
涼架「ちょ…俺もできるようになったんだけど!」
「見て!」と言って、ポーズを決めると、
ピアノ腹筋(鍵盤っぽく割れてる)を披露。
滉斗「俺はギターの音に合わせて…上腕トレモロぉぉ!!」
\ビクンビクンビクン/
と腕が謎の動きに。
観客
「(爆笑)」
「(歓声)」
「(なんかもうすごい)」
音楽のライブという概念を軽く超えていった瞬間だった――。
⸻
【筋肉VSフルオーケストラ】
そのとき、スクリーンに現れた謎の文字。
「我々こそが、真の音楽。」
登場したのはスーツに身を包んだ――筋肉ダルマたち。
バイオリンを担ぐ姿がまるで弓道の構え。
トランペットを吹く腕は、ダンベル持ってるかのように震えている。
「貴様らに…音楽の真髄を見せてやる…!」
リーダーらしき男がクラリネットを構える。
「なら見せてやるよ!!俺たちの、“筋と旋律”の本気をッッ!!!」
元貴の声が響くと、ステージはバトルステージに早変わり。
演奏が始まり、ギターとバイオリンがぶつかり合う。
ドラムのリズムに合わせて、滉斗が腕をうならせ、
涼架はキーボードの音に、肩甲骨のダンスを重ねた。
「さあ行け!!筋肉!歌え!!!」
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【ラスト/上裸エンディング】
曲のクライマックス。
会場が絶叫する中、元貴が叫ぶ。
「この熱さを届けるには…もはや、これしかない!!!」
バリッ!!!
元貴のタンクトップが破れる!
それに続いて、涼架、滉斗も迷わず脱ぎ捨てた!
3人の鍛え抜かれた上半身が、スポットライトを浴びて輝く――
「燃えろ!!俺たちの、筋音楽ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
火柱と共に鳴り響くサビ。
観客は泣いた。
笑った。
混乱した。
でも、確実に言えることはひとつ――このライブ、二度と忘れられない。
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【エンディング/楽屋】
元貴「…なんか、筋肉見せすぎたかな。」
涼架「いや、見せるために鍛えたんでしょ?」
滉斗「俺、筋肉でギター弾けるって言ったけど、さすがに指は普通に使ったわ。」
マネージャー「……で、次のツアーのタイトルなんですが、
“筋爆ツアー2026〜シックスパックで会いましょう〜”でいいですか?」
「「「最高かよ!!!!」」」
END笑
コメント
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深夜に見るもんじゃないです!!!笑いすぎてマッチョになりました。見ろ!!この俺の筋肉!!!( お腹ぴくぴく ) 筋と音のハーモニー???なにそれ見たいじゃないですか!!