長尾「はーっ…てか、俺いたら怖がると思うから帰るわ」
弦月「や…」
ヒナタ「大丈夫ですよ」
甲斐田side
甲斐田「え」
ヒナタ「それしか方法がなかったんですもんね?」
足音もなくそこに立つそれは、やはり目に生気がない
全身に力が入りにくいのか柱を支えにし、今にも倒れてしまいそうだ
弦月「っ…」
ヒナタ「僕はどうしたらいいんですか?」
甲斐田「え」
ヒナタ「家に帰 して貰えない、迷惑かけっぱなしで家事もさせてくれない…身体で払えってことですか?」
甲斐田「ちがっ…」
そう言いながら甚平の紐をするりとほどき、上半身があらわになる
ヒナタ「どうぞ、好きにしてください」
甲斐田「ヒナタっ…」
ヒナタside
あれ、違ったのかな
みんなこれすれば喜ぶのに
なんで弦月さんは泣いてるの?
なんで長尾さんは下を向いてるの?
なんで、甲斐田さんは、そんな顔するの?
あ、下もか
そう思い下も脱ごうとすると止められる
甲斐田「脱がなくていいんだよ」
ヒナタ「?着たままするんですか?」
甲斐田「っ…しないよ…」
ヒナタ「??」
甲斐田「いいから、服着て…」
ヒナタ「?はい」
長尾「ごめん、」
ヒナタ「??」
甲斐田「とりあえず座って」
ヒナタ「はい」
甲斐田の隣に座る
甲斐田「家に帰さないのは、ごめん、君のことを調べて、家で虐待を受けてるんだよね?」
ヒナタ「??」
弦月「お母さんに、殴られたり、襲われたり、してるんだよね?」
ヒナタ「?はい、え?ダメなんですか?」
甲斐田・弦月「え?」
ヒナタ「え?親に殴られたり、襲われたりするのは、愛情じゃないんですか?」
長尾「は…」
あれ、なんか、間違えてる?
なんで3人は顔を見合わせてるの?
ヒナタ「??」
甲斐田「本当は、それは」
弦月「ハルくん…」
弦月さんが甲斐田さんの肩を触り首を横に振る
甲斐田「っ…とにかく、僕たちがヒナタくんにここにいて欲しいんだよね!」
ヒナタ「なんでですか?」
甲斐田「君を、助けt」
ヒナタ「帰ります。」
弦月「え…」
ヒナタ「ただの同情で僕を縛り付けるだけなら、そこら辺のおじさんと変わらないので」
長尾「は、」
ヒナタ「むしろ、そこら辺のおじさんの方がましです」
甲斐田「なんっ…」
ヒナタ「ことが終われば帰してくれるので」
ヒナタ「じゃあ、また後日お礼しにきます」
ヒナタ「ありがとうございました。」
甲斐田「まって!!」
ヒナタ「…」
甲斐田「せめて、家まで送らせて…」
ヒナタ「….嫌です」
ヒナタ「そういうの、本当にいらないんで」
甲斐田side
拒絶だ
もう、受け入れてもらえない
僕たちの言葉はもう彼には響かなかった
つづきます
コメント
2件
ああああ!!!見てると悲しい!!けどみちゃう……!
あ…ヒナタくん…履き違えてるよ…!