〜中庭〜グリム「ッ…ふな?痛くないんだゾ?なんでなん、だ…(グリムを庇って倒れて背中が大火傷の杏の姿を見た)こ、子分?」
ロゼッタ「あははは!!無様ね!アタシに逆らうからよ!あははは!!」
グリム「子分?子分(名前を呼びながら杏の体を揺らしたが、返事がない)嘘なんだゾ…しっかりするんだゾ!子分!子分!目を開けてくれ!子分、子分!!」(杏の体を揺らしながら叫んだ)
杏「…っ…う〜…」(目を開けた)
ロゼッタ「え…?」
グリム「ふな⁈子分…?」
杏「う〜…グリ、ム…?うっ…」(ゆっくり上半身のみ体を起こした)
グリム「ふ、ふな〜!子分!!よかったんだゾ〜!」(泣いて杏に抱きついた)
杏「…心配かけてごめん」(優しく抱きしめ、グリムの頭を撫でた)
ロゼッタ「なんで…なんでよ!本当なら背中の火傷で済まないはず!」
杏「本来はそうだね。でも、私には今付けてる右手のグローブにより緩和されたから背中だけで済んだんだ」(魔法石の吸収量が限界だったから背中の火傷で助かったのか…)
ロゼッタ「そんな…」
オルト「アンさん!」(空から駆けつけた)
杏「オルト…」
オルト「凄い傷…どうして…」
杏「説明は、うっ…後、だな」(ゆっくりふらふらしながら立ち上がった)
グリム「子分…大丈夫じゃないんだゾ…もうやめるんだゾ!」
杏「でも!」
ジャック「こっちだ!」
ラギー「こっちから匂いがするっス!」
レオナ「お前ら、草食動物は近いぞ!」
少し遠くから声と足音が聞こえて来た
杏「ッ!」
グリム「子分…」
杏「…オルト。すまないが、ここを頼む。私は別の場所に移動する…」
オルト「うん!分かった!」
杏「グリム…。貴方は私の護衛として守って欲しい。お願いできる?」
グリム「もちろんなんだゾ!」
杏「んじゃ、うっ…(まだ痛む)行動開始!」
オルト、グリム「了解!/了解なんだゾ!」
杏とグリムはその場をゆっくり離れようと動き始めた
ロゼッタ「⁈何よ、逃げる気⁈こんな時に人任せ?根性ないわね!」
杏「…私は君から逃げたんじゃない。最善の道を選んだだけさ」
ロゼッタ「ッ!」(怒りで自分の拳を強く爪が食い込むぐらい握った)
杏「行こう、グリム」
グリム「おう!」
フロイド「あ!いた〜!!」
アズール「見つけましたよ!監督生さん!」
杏「ッ!」
ツイステメインキャラが揃った
ジェイド「⁈何故貴女がここに…」(ロゼッタを見た)
ロゼッタ「そ、それは…彼女に虐められたのです!本当です!信じてください!」
グリム「ふな⁈アイツまだ懲りねぇのか?💢」
杏「グリム、大丈夫だよ。オルト!お願いね」
オルト「うん!」
杏「グリム、いまのうちに」
グリム「お、おう!」
杏とグリムは急いで逃げようとした
エース「あ!」
デュース「アン!!」
エースとデュースは杏を捕まえようとした
グリム「!ふな〜!!」(杏が捕まりそうな瞬間、青い炎を吹き、通せんぼした)
エース、デュース「⁈」(青い炎を避けた)
杏「グリム!」
グリム「行くんだゾ!俺様も後を追うんだゾ!」
杏「!…分かった!」(ゆっくりその場を離れた)
ジャック「あの怪我で動いたら…」
エペル「ッ、監督生サ、わ⁈」(青い炎を避けた)
グリム「ふな〜!!ふな〜!!」(周りを青い炎の海にして杏を追いかけた)
セベク「ッ!逃げられてしまった…」
リドル「君達1年生は監督生とグリムを!僕達は彼女を捕らえる!」
ロゼッタ「⁈」
1年生達「はい!」(行った)
ロゼッタ「なんで…?なんで⁈私が被害者なのに!アイツが犯人なのに!なんで私を捕まえるの⁈ねぇ!ねぇ!」
レオナ「チッ、まだ悪あがきするか」
アズール「全く、無様です」
カリム「もうこれ以上監督生を苦しめさせない!」
ヴィル「覚悟なさい」
ロゼッタ「…ハァ?てか、証拠あるの?アイツが被害者って証拠。合成とかじゃないの?」
リリア「それがお主の本性か…」
オルト「証拠はある!」
皆がオルトを見た
イデア「オルト。本当なの?」
オルト「うん、兄さん。これを見て!」(スクリーンみたいに壁に映像を映した。先程の杏とロゼッタの乱闘も)
トレイ「監督生が魔法を使ってる⁈」
ケイト「すご⁈」
ラギー「でも、監督生くんは魔法か使えないんじゃ」
ジェイド「あの右手のグローブで魔法を使ってる?」
フロイド「小エビちゃんすげ〜✨」
ジャミル「しかし…」
ルーク「まさかムシュー・毛むくじゃらを庇って重傷…」
シルバー「そんな…早く保護しないと命が危ない」
マレウス「…」(人の子…)
〜2F 外廊下〜
グリム「ふな〜、子分〜。どこなんだゾ〜」
どこからか途切れ途切れの歌が聞こえた
グリム「ふな!この歌は…」
{グリムの回想}
〜オンボロ寮 アンの部屋〜
杏「グリム。寝るよ〜」
グリム「ふな〜、眠くないんだゾ〜」
杏「あらあら。んじゃ、ベッドに横になって。私の世界の私にとっての子守唄を聞かせてあげる」
グリム「…おう」(ベッドに横になった)
杏「〜♪」(歌い始めた)
グリム「…なんか、優しくて、暖かいんだ、ゾ…」(眠った)
杏「ふふっ。おやすみ、グリム」
{回想終了}
グリム「…ふな!こっちなんだゾ!」(聞こえた方に向かった)
〜教室〜
倒れていた杏がいた
グリム「ッ!子分!」(杏に駆け寄った)
杏「…グリ、ム?うっ(少し痛みが走った)…よかった。気づいて、くれて…」(ゆっくり体を起こした)
グリム「子分…」
杏「持ってきておいた薬を飲んで少しは痛みとか和らいだから大丈夫だよ。それより、早くここから離れない、うっ!」(立ちあがろうとして少し痛みが走った)
グリム「子分!無茶するんじゃねぇんだゾ!」
杏「あははは、大丈夫だよ。ゆっくり歩くから。親分、サポートお願い」
グリム「もちろんなんだゾ!」
杏「ありがとう」
〜2F 外廊下〜
杏「うっ…」(よろけながら歩いてる)
グリム「子分…無理するんじゃねぇんだゾ…」
杏「ッ…うん…。ん?あれは…」(オルトが見せたスクリーンを遠くから見た)
グリム「オルトがやったんだゾ」
杏「…オルトの小型ドローンのおかげね。これで、彼女はここにいられない。可哀想だけど、罪を償う時が彼女には来た…」
グリム「お!ロゼッタの奴、腰を抜かしたんだゾ!にゃっは〜!ちゃんとアイツら、ロゼッタを捕まえたんだゾ!」
杏「…そうだね」
1年生達「あ、いた〜!!」
グリム「ふな⁈来たんだゾ!」
杏「ッ!早くここから、え?」(手すりみたいなのから手が滑り、中庭の方へ落下した)
グリム「子分!」(杏に飛びかかり、杏と同じように落下)
杏「グリム⁈」(ダメ!このままだと…グリムだけでも守らないと…!)
マレウスが空中で杏をキャッチした。グリムは杏に飛びかかった後、杏に抱きしめられて落ちた為、杏の腕の中にいて無事
〜中庭〜
マレウス「無事か?人の子」(ゆっくり着地した)
杏「…ッ…マレ、ウ、ス…」(安心した為、マレウスに抱えられたまま気絶した)
マレウス「ホッ…」
リリア「安心して気絶したか」
エース、デュース「アン!グリム!」(1年生達がマレウスの近くに駆け寄った)
グリム「ッ…ふな⁈子分!」(杏の腕の中で目覚めた)
シルバー「大丈夫だ。監督生は生きてる。今は安心して寝ている」
グリム「ふな⁈降ろせ!子分に触るんじゃねぇんだゾ!」(少し暴れ始めた)
セベク「なっ⁈若様に対してなんていう無礼だ!!貴様!!」
グリム「そんなの関係ねぇんだゾ!子分を泣かせた奴らに子分を触れさせたくないだけなんだゾ!」
マレウス「ッ…」
クルーウェル「俺ならいいか?仔犬」
エース「!先生…」
グリム「!…クルーウェルならいい。きっと、子分もそう言う…」
クルーウェル「ありがとう。ドラコニア、仔犬を渡してくれ」
マレウス「…(少し間を空けたが、素直に杏をクルーウェルに渡した)人の子を頼む…」
クルーウェル(受け取った)「ああ。仔犬共、自分の寮に戻れ。監督生の事は俺がなんとかする」
クロウリー「では、残りの教師達は彼女を連れて行きます」(クロウリー、トレイン、バルガス、サムはロゼッタを連れて行った)
クルーウェル「…グリム。行くぞ」
グリム(杏から降りた)「ふな…」
クルーウェルは杏を抱えながら、グリムと共にオンボロ寮に行った
〜オンボロ寮 アンの部屋〜
クルーウェル「応急処置とかしたか?」(杏の手当てをしてる)
グリム「してないんだゾ。子分の奴、痛み止めを飲んで痛みを無くしただけなんだゾ」
クルーウェル「そうか…。出来た。(手当て完了)ゴースト達を呼んで来てくれ。彼女の着替えを頼みたい」
グリム「おう!」(談話室に向かった)
〜オンボロ寮 談話室〜
グリム「ふな?なんで、いないんだゾ?」
ゴーストA「グリ坊〜。助けてくれ〜💦」(玄関から聞こえた)
グリム「ふな!玄関の方なんだゾ!」(玄関に向かった)
〜オンボロ寮 玄関〜
グリム「どうしたんだゾ?ってお前ら!なんでここに⁈」(駆けつけたら、目の前にはツイステメインキャラ全員と侵入を止めるのに困ってるゴースト達がいた)
ゴーストB「グリ坊、ごめんよ〜」
ゴーストC「止めたんだけど、強引で〜」
グリム「ッ!お前ら、帰れなんだゾ!今更何だゾ⁈謝っても子分も俺様も許さないんだゾ!💢」
エース「頼む!アンの側にいさせてくれ!」
デュース「取り返しのつかないことをしたのは分かってる。けど、償いたいんだ!」
グリム「それで許せるもんじゃねぇ!!子分は、子分は!泣いていたんだゾ⁈お前らに嫌われる覚悟を持っていたとしても、辛くて、苦しくて、それでも子分は!お前らに弱い所を見せなかった!お前らは何も知らないくせに…子分の事、何も知らないくせに!!知ってるように言うんじゃねぇんだゾ!💢」
ジャック「ッ…」
エペル「グリムクン…」
グリム「…うっ、うっ…ふな〜!!ふな〜!!」(大泣きし始めた)
クルーウェル「何事だ⁈(やってきた)ッ…仔犬共、何故ここにいる?」
リドル「クルーウェル先生!僕達にも何か出来る事がありませんか?」
クルーウェル「…グリムから何か言われたんじゃないか?」
トレイ「ですが、俺たち監督生に償いをしたいんです。なので、お願いします!」(綺麗な謝罪のお辞儀をした)
皆「お願いします!!」(同じように謝罪のお辞儀をした)
グリム(しばらくして泣き止んだ)「…子分の部屋に入らないならいいんだゾ。子分の部屋に入っていいのは親分である俺様やクルーウェル、オルトだけなんだゾ!」
ケイト「てことは監督生ちゃんの部屋に入らなければ、どこでもオッケーなの?」
グリム「そうなんだゾ!子分は見られたくないものは自分の部屋にしかないから他の部屋とかは大丈夫なんだゾ」
ラギー「了解ッス!」
ゴーストA「決まったかい?」
グリム「おう!」
グ〜(凄いお腹の音)
ジャック「この音…」(セベクを見た)
セベク「し、仕方ないだろ!くっ、醜態を晒してしまった…!」
ゴーストB「んじゃ、晩御飯にしようか。足りるか分からないけど、用意してあるよ」
エペル「わ〜。ちょうどお腹空いていたんだ」
ゴーストC「んじゃあ、皆。談話室に移動しよう」
皆、談話室に移動した。クルーウェルのみアンの部屋に戻った。
〜オンボロ寮 談話室〜
レオナ「お!肉があるじゃねぇか」
ヴィル「レオナ💧アンタ、少しは野菜を摂りなさいよ」
レオナ「ハァ?命令すんな。ヴィル」
何故かヴィルとレオナがバチバチし始めた
ルーク「おー!ロア・ドゥ・レオンとロア・ドゥ・ポアゾンが美しい喧嘩をしている!喧嘩するほど仲がいいのはいい事だ」
ラギー「いや、止めないとダメでしょ⁈」
グリム「騒ぎや面倒事を起こしたら今度こそ外に放り出すんだゾ」(めっちゃ怒りのオーラ出してマジトーンで注意した)
レオナ、ヴィル「ッ…」(黙った)
フロイド「アザラシちゃんすご〜い」
ジェイド「ええ、お見事です」
グリム「…俺様は子分の真似しただけなんだゾ。子分は怖いはずなのにお前らに反抗した。だから、俺様は親分として強くなる為、やっただけなんだゾ」
皆(グリムが毒舌な事を言ってる…💧)
カリム「ん?(山盛りのツナマヨおにぎりを見つけた)グリム。これなんだ?」
グリム「それは子分が俺様の為に沢山作ってくれたツナマヨおにぎりなんだゾ」
エース「へー。ちょっとだけちょうだい」(ツナマヨおにぎりを取ろうとした)
グリム「!ダメなんだゾ!(ツナマヨおにぎりにガードした)これは子分が、ッ!」
{グリムの回想}
ー昨夜 杏がグレイに電話した後ー
〜オンボロ寮 アンの部屋〜
杏「グリム。無事終わったら、宴しよ?流石にアジーム先輩みたいに派手には出来ないけど、終わった区切りをつけたいんだ。どう?」
グリム「ふな⁈それにツナマヨおにぎりはあるのか?」
杏「ふふっ、相当気に入ったんだね。あるよ。山盛りに用意しよう」
グリム「やった〜なんだゾ!」
杏「グリムも少しお手伝いしてね?そして皆で一緒に食べよう」
グリム「おう!一緒に食べるといつもあったかいんだゾ!」
杏「そうだね。ふふっ、明日が楽しみだね」
グリム「おう!」
{回想終了}
グリム「…」(子分…)
デュース「グリム?」
グリム「…(ツナマヨおにぎりの山から1個取ってエースに渡した)…どうぞ、なんだゾ…」
エース「!(受け取った)おう。サンキューな、グリム」
グリム「ふん!お前の為じゃねぇんだゾ!まだ俺様は許してねぇんだゾ。けど…けど、子分ならそうすると思ってやっただけなんだゾ…」
ジャミル「ツンデレだな」
グリム「本当なんだゾ!」
オルト「グリムさん。アンさんにどんな事を教えてもらったの?」
グリム「ん?ああ、子分はいつも言っていたんだゾ。忙しくても出来る限り一緒にご飯を食べようって。ご飯を一緒に食べる事は当たり前じゃなく、大切な事だって。それに一緒にご飯を食べると胸があったかくなるんだゾ。それを教えてもらったんだゾ」
オルト「!…素敵な教えだね」
グリム「おう!」
リリア「では、皆仲良く食べよう!腹が減っては戦は出来ないからのう」
グリム「あ、子分も言ってたんだゾ」
マレウス「ほう。人の子は博識なんだな」
グリム「はく、しき?」
イデア「物知りだねって事…」(生身の体)
グリム「おう、なるほど」
シルバー「ん?(グリムのリボンに付いている魔法石を見つけた)その魔法石はなんだ?」
グリム「あー、子分が作ってくれたんだゾ!俺様と子分、オルトとお揃いなんだゾ」
皆「え…え〜⁈」
ケイト「ずる〜い!なんで⁈」
グリム「だって出来た時、まだ子分は悪役にされていて渡せる訳ないんだゾ。まず子分がお前らの分が作られているか分からないんだゾ」
ケイト「ぐっ…正論…」
トレイ「綺麗だな。見せてくれないか?」
グリム「いいけど、俺様のは自分で取れないんだゾ」
オルト「僕のを見せてあげる!僕のはネックレスだから取りやすいよ。ほら」(ネックレスを外し、トレイに渡した)
トレイ「ありがとう(受け取った)…これはオルトの髪色と瞳の色のグラデーションか。綺麗だな」(返した)
オルト(受け取った)「でしょ〜?アンさんが僕みたいだからってくれたんだ〜」
リドル「てことは…(グリムの魔法石を見た)グリムのはその毛並みの色と瞳の色の魔法石なのかい?」
グリム「おう!子分のはピンクと黄緑色なんだゾ」
デュース「ピンクと黄緑色?てことは、アンの魔法石は髪色だけ?」
グリム「おう。子分はその色の組み合わせが 1番お気に入りらしいんだゾ」
エース「なんか思いがあんのかもな」
クルーウェル「仔犬共。今は夜だ。静かにしろよ?」(アンの部屋から戻って来た)
グリム「クルーウェル!子分は?」
クルーウェル「…まだ目覚めてない。今回のは前回よりも酷い火傷の重症だからなのか目を覚ましてない。恐らく何日間か寝たきりになるかもしれない」
グリム「そんな…ッ!」(アンの部屋に向かった)
オルト「あ!グリムさん!」
ガチャ(アンの部屋の扉の鍵の音)
クルーウェル「仔犬の奴め、鍵を閉めたか」
オルト「でも、1番アンさんを心配してるのはグリムさんだよ。グリムさん、今回の件で何か傷ついたみたいだし…」
マレウス「…それは人の子が庇ったからではないか?人の子はあいつを庇い怪我をした。それが負い目になっているんだろう」
リリア「うむ。それなら納得がいくのう。今はそっとしておくのが得策じゃな」
エース、デュース「…」(アンの部屋の方を見た)
〜オンボロ寮 アンの部屋〜
グリム「子分…子分…」(泣いている)
杏「…うっ…グリ、ム…?」(うっすら目を開けた)
グリム「!子分!痛くないか?大丈夫かなんだゾ?」
杏「私は…大丈夫…。グリムは…怪我…ない?」
グリム「ないんだゾ。…ごめん、なさい、なんだゾ…」
杏「?…なん、で?」
グリム「…俺様、親分なのに子分を守れなかったんだゾ。俺様、親分失格なんだゾ…」(涙が溢れそうになった)
杏「…ッ…」(なんとか左手を伸ばし、グリムにとっての右頬に手を添えた)
グリム「?子分?」
杏「…貴方は、悪くない。私が考え無しで飛び出した結果が、このザマなんだ…。だから、グリム。自分を追い詰めないで。それに貴方はもっと、強く、素敵な、大魔法使いに、なれるよ。その時は、私を、守ってね?親分…」
グリム「!…(自分の涙を拭いた)もちろんなんだゾ」
杏「うん…。グリム、私ね、また、眠ると、思うの。次はきっと、ちゃんと、起きるから。その時は、いっぱい、話そう、ね…」(寝落ちした為、グリムの右頬から左手が落ちた)
グリム「ふな⁈子分⁈」
杏「…スー…スー…」(寝息)
グリム「ホッ…」(安心した)
コンコン(扉がノックされた音)
グリム「!誰なんだゾ?」
オルト「僕だよ。オルト・シュラウド」
グリム「!」(扉に近づき、鍵を開けた)
ガチャ(扉の鍵が開いた音)
オルト「ありがとう」(扉を開けた)
グリム「オルト!どうしたんだゾ?」
オルト(扉を閉めた)「きっとグリムさんまだ食べてないと思ったから少しだけど、はい(皿にいっぱいのツナマヨおにぎりを見せた)持って来たんだ」
グリム「ふな!ありがとうなんだゾ!」
オルト「僕がアンさんを見てるからグリムさんはおにぎり食べてな?」
グリム「おう、ありがとうなんだゾ」(食べ始めた)
オルト「中々アンさん起きないね…」
グリム「さっき起きたんだゾ」
オルト「え⁈んじゃあ、なんで教えてくれなかったの?」
グリム「それはアイツらには言いたくなかったからなんだゾ!俺様はまだアイツらを許してないんだゾ。だから、教えなかった。安心するんだゾ。オルトやクルーウェルには言うつもりだったからな!」
オルト「…そっか。んじゃ、僕からこっそり先生達に教えるね」
グリム「ありがとうなんだゾ」
ー2日後 朝ー
〜オンボロ寮 アンの部屋〜
杏「…んっ、ん〜(ゆっくり起き上がった)あら?」(目の前では杏の右手にはグリム、杏の左手にはオルトが手を握っていた)
グリム「…ふな〜(あくびした)…!子分!おはようなんだゾ!」
オルト「ん〜。おはよう、アンさん」
杏「おはよう。グリム、オルト。さて、朝御飯食べに談話室に行こうか」
オルト「あー、それなんだけど…💧」
杏「?」
オルト「実はね…」(どれくらい寝たのか、今の状況はどうなのか説明した)
杏「なるほど。今はそういう感じなんだね」
グリム「そうなんだゾ。扉の前にはエースとデュースがなんでかいるし、アイツら談話室をほぼ占領して自分の寮に帰らないし、色々とあり得ないんだゾ!」
オルト「皆、アンさんに謝りたいのと許さなくても償いはしたいからだって」
杏「状況は分かったとしても厄介だね」
グリム「ふな〜。どうするんだゾ?」
杏「まずは少しだけご飯、こっちに持って来れる?正直お腹空いちゃって💦」
オルト「んじゃあ、アンさんは眠ってるフリをしてて。僕とグリムさんで取ってくるよ」
杏「ありがとう」(早速眠ってるフリをした)
オルトとグリムは談話室に移動した
〜オンボロ寮 談話室〜
トレイ「お!起きたか。おはよう」
オルト「おはよう!トレイ・クローバーさん」
グリム「…」(お辞儀した)
トレイ「あははは、相変わらず嫌われているなぁ」
オルト「今日も何個か持って行くね」
トレイ「ああ。あ!シチューも持って行ってくれ」
オルト「はーい」(シチューと唐揚げとかおかずを何個か持って行った)
グリム「…」(同じように持って行った)
〜オンボロ寮 廊下〜
エース「お!オルト、グリム。アンは目を覚ました?」
グリム「…」
オルト「まだ覚ましてないんだ…。だから、今日もこれ持って行くんだ」
デュース「そっか。起きたら教えてくれ」
オルト「うん」(アンの部屋に向かった)
グリム「…」(同じく向かった)
〜オンボロ寮 アンの部屋〜
しっかり扉を閉じた
グリム「子分〜」
オルト「持って来たよ〜」
杏(起きた)「ありがとう、2人とも。お〜!シチューとかある!」
オルト「トレイ・クローバーさんが作ったんだよ」
杏「なら、絶対美味い!んじゃ、皆で食べよ。そこの小さなテーブルに置いてくれる?」
オルト「うん!」
グリム「おう!」
オルト、グリムは小さなテーブルに持って来た食べ物を置いた
杏(椅子に座った)「さぁ、2人も椅子に座って」
オルト、グリム「はーい/おう!」(座った)
杏「んじゃ」
杏、グリム「いっただきま〜す!」(食べ始めた)
杏「ん〜、久しぶりのご飯美味しい〜」
グリム「…まぁまぁなんだゾ。子分の方が美味いんだゾ」
杏「いやいや、私にはあのパティシエの息子さんとかには勝てないよ。料理そんなした事ないから上手くないし」
オルト「ふふっ。実はグリムさん対抗してるんだよ」
杏「え、対抗?どういう事?」
オルト「グリムさんね、皆がアンさんを悪役にした事、まだ許せないんだって。だから、いつも皆に何か聞かれたら無視の上、何があってもアンさんが1番だって聞かないんだ」
杏「…ぷっ、何それw。でも、その分、グリムが私をよく思ってるって感じれるよ。ありがとね、グリム」
グリム「おう!」
オルト「でも、これからどうするの?このままじゃ、君の望み通りにいかないよ」
杏「ええ、分かってるよ。……オルト。皆の配置分かる?例えば、クローバー先輩はここら辺にいるとか」
オルト「えっと、エース・トラッポラさんとデュース・スペードさんはご飯の時間以外は必ずアンさんの扉の前で門番みたいにいるよ。トレイ・クローバーさんとラギー・ブッチさん、ジャミル・バイパーさんはオンボロ寮のキッチンにいて、他の人は別室だったり、外にいるよ。セベク・ジグボルトさんとシルバーさんは玄関の前にいるね。門番やってる」
グリム「セベクとシルバーなら分かるけど、エースとデュースはなんで子分の部屋の前で門番してるんだゾ…」(呆れてる)
杏「なるほど。大体は把握した」
グリム「けど、どうするんだゾ?」
杏「一応考えがある。聞いてくれる?」
オルト「もちろん!」
グリム「おう!」
杏はオルトとグリムに作戦を話した
グリム「ふな?上手くいくのか?」
杏「大丈夫だと思う。オルト。貴方にまた頼るようだけど、お願い出来る?」
オルト「もちろん!僕に出来る事なら手伝うよ!」
杏「ありがとう。んじゃ、準備してから作戦開始よ!」
オルト、グリム「うん!/おう!」
ー数時間後ー
グリム「ふな〜⁈オルト、何するんだゾ⁈」(アンの部屋の窓から大声で叫んだ)
皆「⁈」
エースとデュースがアンの部屋に突入した
エース「グリム!どうした⁈」
グリム「子分がオルトに攫われたんだゾ!」
デュース「はぁ⁈(アンの部屋の窓から顔を覗かした)いた!」(空中に浮いてるオルトを指差した)
オルト「はーはっはっ!アンさんはいただいたよ!さらばだ!」(オルトの手には白い大きな布に被さった何かを持って校庭の方へ行った)
エース「はぁ⁈ちょっ⁈」(追いかけた)
デュース「お、俺も⁈」(同じく追いかけた)
トレイ、ラギー以外の皆はオルトを追いかけた
グリム「…いいんだゾ、子分」
杏(クローゼットから出て来た)「ぷは〜!よし、作戦成功!グリム、やるよ!」
グリム「おう!」
用意した白い布で繋げた紐みたいな物をアンの部屋の前の裏庭に行ける窓から下ろした
杏「よし。グリム、体力育成の時みたいにやって」
グリム「おう!」(杏の背中に乗りおんぶみたいになった)
杏「しっかり掴まっておいてよ?」(白い布で繋げた紐を縄みたいに上手く使い降りた)
グリム「お〜!子分凄いんだゾ!」
杏「アニメの知識が活かされるとは…。とりあえずオルトが引き離してる内に行こう。今日は目一杯楽しむわよ!」
グリム「おう!」
杏とグリムは校門まで走った
〜校門〜
グリム「ハァ、ハァ…。子分、この後どうするんだゾ?」
杏「バスに乗って街に行くの。ポートフェスト以来、街には行ってないでしょ?ならこの機会に街を探索するのもいいんじゃない?」
グリム「おー!確かになんだゾ!」
杏「せっかく学園長からいっぱいお小遣い貰ったから少しお買い物もしよ?」
グリム「おー!なんだゾ!」
プップ〜(バスの音が聞こえた)
杏「あ、来た!グリム、乗るよ」
グリム「おう!」
杏とグリムはバスに乗った。その間に杏はオルトにメールで連絡した
ーその頃のオルトはー
〜校庭〜
リドル「待ちなさい!オルト!」
オルト「へっへ〜ん!待たないよ〜!」
リドル「ぐぬぬぬ…💢」
ケイト「リドルくん、落ち着いて〜💦」
オルト「ふふっ、お!」(杏からのメールを一瞬見た)
“作戦は無事成功。捕まったら種明かししていいよ。でも、私達の居場所は内緒よ? 杏より”
オルト「よかった〜。とりあえず行けたんだ」
マレウス「何がだ?」(オルトの目の前に現れた)
オルト「わ⁈マレウス・ドラコニアさん⁈」
リリア「ちょっとすまんのう!(オルトが持っていた白い布を取った)な⁈枕じゃと⁈」
皆「⁈」
オルト「そう!僕は囮!枕をアンさんだと思わせただけ!本物のアンさんはここにいないよ」
レオナ「ッ!オンボロ寮に戻るぞ!」
ジャック「⁈うっす!」
レオナ、ジャックを先頭に皆もオンボロ寮に戻った
〜オンボロ寮 廊下〜
トレイ「お!おかえり。凄い汗だな」
エース「アンとグリムを見てないっすか⁈」
トレイ「え?見てないが、どうした?」
デュース「オルトがアンを攫ったのは演技だったんです!なんでか分からないんですけど、今本物のアンを探してて!」
ラギー「もしかして…逃げたんじゃないッスか?」(外から声が聞こえた)
アズール「?どういう事ですか?」
ラギー「これ見てくださいッス」
〜オンボロ寮 裏庭〜
皆がやってきた
皆「⁈」(見つけたのは白い布で繋げた紐みたいな物を見つけた)
ジェイド「まさか布を紐にして降りた?」
ラギー「そう考えるのが妥当ッスね」
ジャミル「!」(何か気づいてオンボロ寮のアンの部屋前に行った)
カリム「ジャミル⁈」
ジャミル「…!(白い布で繋げた紐みたいな物を柱に結んで窓に下ろしたものを見つけた)間違いない…!(窓から顔を出した)監督生は間違いなくこの紐みたいなので降りた!恐らくオルトはアンとグリムの脱出の為に俺たちを引きつけたんだ!」
ヴィル「嘘でしょ⁈よくこんな事思いつくわね、あの子ジャガは」
フロイド「でも〜、俺たちの前で悪役を演じてたし〜、ここまで小エビちゃんが思いつくのはありえんじゃね?」
ルーク「確かにフロイドくんの言う通りだね。彼女は予想をつかない事を考えられる。だからこそ、あり得るね」
エペル「でも、なんでそんな事を…?」
イデア「…悪役を演じたい、から…?」(生身の体)
皆「え?」(一斉にイデアを見た)
イデア「ヒィ!あの、えっと、その…」
セベク「どういう事だ!!分かりやすく説明しろ!」
シルバー「セベク、落ち着け。イデア先輩。先程の言葉、どういう事ですか?」
イデア「あ、ほら。監督生氏は拙者達があの子に騙されてる事ぐらい分かってた。けど、あの子が来て約5日であの子は監督生氏により裁かれた。おかしいでしょ?証拠があるならさっさと裁けばいいじゃんって」
リドル「!確かにそうなりますね」
イデア「だからさぁ、思うんだ。監督生氏はあの子が監督生氏を悪役にさせようとするのを逆手にとって悪役を演じてそのまま誤解を解消させないで許しを貰わずにしようとしているんじゃない?拙者達が誤解した事を謝罪する事に対して避ける為に」
トレイ「!確かにそれなら悪役になりたいって考えにはなるな」
ケイト「けど、なんで?仲直りしたいのに」
イデア「そ、それは拙者には分からないよ。多分悪役になる事で監督生氏のメリットがあると思う。個人的なメリットを…」
レオナ「ハァ…面倒事を相変わらず持ってきやがる。確実にあの草食動物には協力者がいる。あの毛玉以外にもカイワレ大根の弟や教師達、ゴーストはグルだろ」
アズール「確かに納得できます。では、監督生さんの捜索チームと聞き込みチームに分かれて行動しましょう」
ヴィル「確かにそれが名案ね」
ルーク「ウィ!では、中で作戦会議をしようか」
皆はオンボロ寮の中に入った
オルト「…」(空から見てた)
〜to be conteneu〜
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