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ふと、ポットで湯を沸かしてる時みたいな空き時間に昔のことが蘇ること、あるよな。


今がそれ。なんなんだろうな、この現象。しかも蘇る思い出は大体惨めで最悪なやつ。

なんで鳥の鳴き声と湯の沸騰してる音と火の音聞きながらため息吐かなきゃいけないねーの?今から大学いくのに、1年生だろ、しっかりしろ。

しかもここキッチンの床。椅子くらい置けよ、俺。クソが….尻痛くなんぞ。

正直脳を取っ払うのも、ロボトミー手術受けるのも厭わないくらいこの時間が嫌なのだがそれでも嫌な思い出は止まらず溢れる。


これはある日、好き”だった”女の子に告白された時のことだ。…一番嫌な思い出だ、最悪だ。まだ好きなマンガのネタバレ食らった方がいい。


それは小学生の時、6限目が始まる前だったかな。

ソイツと俺は列は違うが同じ席で、授業が始まる2分前、教科のセンコーが来るのを待ってた時だ。

ソイツはモエって名前でとにかく普通の子。それと同じくらいとにかく優しかったんだ。

ソイツとの会話がすごく楽しかった、話に入りたくて姉ちゃんのやってたゲームの内容を無理やり切り出した。姉ちゃんのゲームを奪ってやったりした。


それくらい好きだったんだよ。


でもある日、嫌いになったんだ。

ふと思っちまったんだ。コイツともし付き合えたらケッコンとかするのかな、キスとか、エロいこととかすんのかな。 とか、思っちまったんだ。

マセガキだよな、そんな長続きガキの俺らが出来るわけねーのに。

でも俺、今も昔もバカだから思っちまったんだよ。んで悩んじまった。

俺本当に出来るかな、とかよ。考えてたら、そんな 自信なくてそれがソイツへの嫌悪にクソ変換されたのかは知らんがその日からソイツが気持ち悪くなった。


だから、クソみたいなやり方でフっちまった。

勇気出してソイツが「好きだよ、付き合って。 」言ってくれたのに即答で「無理」なんて言っちまったの。

人の勇気なに踏みにじってんだよ、ソイツがどんな思いして言ってくれたと思ってんだよ。

そしたらソイツ、笑顔で言ったんだ。「やっぱり?」冗談ぽいくせに、明るい声だったくせに、声が震えてた。精一杯の強がりと思いやりだったんだろう。

昔の俺はダチから言われる、一瞬で広まった告白のフったワケへの質問にくだんない言い訳で保身にまわった。本心を言ったら批判されるって自覚はあったんだな。


そうこう言ってたら湯が湧いてた。

ぶくぶく泡立てて沸騰してる、急いで先にインスタントコーヒーの粉を入れてたマグカップに湯を注ぐ。眠気の覚めるカフェインの香りがする。


存分理性的になった俺の頭でも、頭に残るのはコーヒーと思い出のこと。 今、時間が巻き戻るのならフり方を変える。

コーヒーを飲んでもまだ残るしぶとい眠気に耐えながらボロいこのアパートから出る。一人暮らしなんてもっと先にすりゃ良かった。 自炊なんて実家でも出来るし、一人暮らしで出来るのは無駄な出費。

駅まで行って同じ学生と荒んだ目をしたスーツのおっさんで溢れた人混みをかき分ける。

すると後ろから声をかけられた、家の鍵でも落としたかな。と思ったけど掛けられた言葉で俺の頭は一気に覚めた。 遅れてカフェインでも届いたのかってくらいすごくクリーンだ。

「レンくんだよね、びっくりしちゃった。覚えてる?私レンくんに昔告白したモエだよ。」



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