いつの間にやら日付は変わり、今日は僕の誕生日。
誕生日には家族や愛しのメンバーに囲まれて、沢山の祝いの言葉とプレゼントを貰える。だけじゃなくて、生きててよかった。って実感出来る日でもある。
でもなんで歳ってとるんだろうとも思う。
もう背は伸びないくせにさ。
本業はアイドルでWWH。世界のイケメンとして顔の良さや肌の治安を維持していかないといけないし、なんせ激しい振り付けを踊り抜くためには体力を失いたくないな、って正直思う。
小学生の時は誕生日が楽しみで楽しみで仕方なかったけど、成人したらもう誕生日が嫌になってくる。みんなそうでしょ?
話は冒頭に戻って、改めて今日は僕の誕生日。
誰から1番先に連絡が来るかな~と期待を膨らませる。
誰でもいいし嬉しいんだけど、欲を言えば僕の好きな人がいいかな?やっぱり。
あ、僕の好きな人っていうのは、同じグループ内にいて猫みたいでツンデレで肌が白い僕のルームメイトだよ。
もう分かったかな?すぐばれちゃうよね。
時刻は00:01分。流石にそろそろだなってドキドキしていると、1件の通知が入る。
「大好きなジンヒョンお誕生日おめでとうございます~!!!今日は僕の奢りでハンバーガー食べに行きましょう!!約束ですよ!」
1番乗りはジョングガ。予想通りだ。
あいつはいつも真っ先に祝ってくれる。朝起きてすぐに部屋に押しかけてくる。誕生日に限らず僕のことが好きなのかってくらい気を使ってくれるしくっついてくる。
ユンギじゃなくて残念だなーという気持ちを隠しつつ返事をする。
「愛しのジョングガ、ありがとう。」
その後もほかのメンバーから沢山カトクが来て心が満たされたような気分になる。
それでもユンギからのカトクは来ない。
いつもなら祝ってくれるのに、今回は祝ってくれない。
理由は僕にあるんだけどね。
少し前、作業しているユンギの元に頼まれたご飯を運びそのまま帰ろうとしていた僕。ユンギに頑張れと応援の一言を残し立ち去ろうとした瞬間、ユンギが僕の手を引いて
「帰らないで、ここにいて」なんて言うから心臓が破裂するかと思った。
ユンギが引き止めてくるなんて珍しいから、なんかあったんだろうという長男の勘を働かせ最大限に優しい声で
「なんかあった?優しいヒョンが話を聞いてあげるよ!」と言ってみた。
「ジンニョンは、、好きな人、いますか?」
え、え、ええーーー!!?
今目の前にいる人なんですけどー!!てか今聞く!?今聞く!?飛んだ爆弾発言をされたもんだよもう!!
でも、、仮に告白するなら今のチャンスしかないのか?
あのユンギが僕に好きな人聞いてくるとかビックリだし、最近砂糖だし…少し脈あるのかなって思ってたけどやっぱりあったのかな…??
よし、振られても実っても今日しかないし勇気をだして告白してみよう!!
「い、いるけど、」
ユンギ、食いついてくれるかな?
期待を胸に言葉を発してみる。
「誰ですか??ジンニョンの好きな人。」
うわーーっ!!人生初の告白、こんなに緊張するもんなんだね…。でもWWHならできる!!
「それはね、ユンギだよ。僕の好きな人はユンギ。」
「あーー、やっぱり俺なんですね、薄々気付いてはいました。」
失敗した。直感でそう思った。
しかも何?その反応、あからさまに嫌がってるよね、僕のこと。今すぐ泣き出しそうなんだけど?
「ごめんね?急にこんな事言って、びっくりしたよね。でも返事くれると嬉しいな、ずっと待ってるから。」
なんでこんな時に限って僕も返事を求めるんだ?
絶対嫌がってるはずなのに。
「あー、分かりました。飲み物取ってきますね。」
ユンギが椅子を立ち飲み物を取りに行く。
これは避けられた。完全に引かれた。
失恋ってこんなに辛いもんなんだ、昔友達が言ってたことが今やっとわかったよ。
僕はいてもたっても居られなくなって、ユンギが戻ってくる前に部屋に戻った。
そんなことを思い出し、自暴自棄になる。
やっぱりユンギからはメッセージが来ない。
そりゃそうだよね、あんな事言ったんだもん。引かれたし。
何かの手違いで好きになってくれないかなってつくづく思う。運命は変えられるって言うけど、僕にはできっこないって思う。僕がこんなに臆病じゃ無ければな。
あの後ユンギに避けられて、僕からも避けてみたりしたけどやっぱりユンギがいない所は空気が薄くて。
あー、僕ユンギ無しじゃ生きられないなって実感して。
なんであんなこと言ったんだろうってまた自暴自棄になる。
「グガ愛してる~~~~!!!」
「ジェイホォーープー今日もハンサムだね!!!」
とかくだらない話は思いつくのに、ユンギには上手く伝えられない。それが理由でユンギも仲間はずれみたいに思っちゃってたのかな、本当に自分のことが嫌。
僕に愛はわからないけど、好きって言う言葉の痛みには詳しいかもしれない。ユンギに教えてあげて、味わって欲しいけど味わうのはきっと僕だろう。確実にね、
ひとりよがりな気持ちでユンギに自分勝手にユンギに気持ちを伝えて困らせて、君にたった一言言って欲しいだけなのに困らせてしまう。
朝起きて、ユンギとホソク以外のメンバーが部屋に押しかけてきた。
ここまで避けてくるのか、しかもなんでホソク?
僕の頭に疑問は浮かぶばかりで寝起きの頭は回らない。
回っていても、きっと考えたくなくて分からないふりをするだろう。
「今日はジンヒョンに大切なお話があります。」
ホソクがユンギと恋人繋ぎをして僕の部屋に入ってきた。
あーあ、そっか…やっぱりそうだよな、
「実は僕とユンギヒョン、付き合いました。
他のメンバーには言ってあったんですけど、ユンギヒョンがジンヒョンにはまだ言いたくないっていうので、今日伝えさせてもらいました。」
僕はありったけの祝福の言葉をかけ、2人をお祝いした。
今日は僕が祝われる日なのにな。
メンバー全員が出ていったあと、僕は泣いた。
泣かないわけが無い。ホソクと手を繋ぐユンギはとても幸せそうで、まるで本当の運命の相手みたいだった。いや、絶対本物の運命だろう。僕はユンギの運命になれなかった。
ユンギはホソクに、ジンニョンにはまだ言いたくないって言ってたみたいだけど、あれもユンギなりの不器用な気遣いなんだと思うと涙がまた頬を伝う。
ハッピーバースデー、片想いの僕。
おまけ jkside
ジンヒョンが部屋で泣いてる。多分、いや絶対失恋したんだな…。
ヒョンは昔からユンギヒョンが好きで、アタックも沢山してたけどやっぱりホビヒョンには勝てなかったみたい。
僕ならこんなに愛してあげられるのに、全然気付かないんだもん。はやく僕にしちゃいなよ、?
コメント
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なんだこれはァ!え、なんでこんなに素晴らしい作品が有名になってないの…? もう、すごく良かったです!私もjnsg好きなんですけど、こんなに大人っぽくて、切なくて文が美しいやつがここで読めると思いませんでした! 私切ないやつ好きなんです〜( *¯ ꒳¯*) いやぁ、素晴らしかった!!これからも頑張ってください!