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「 婚約 」
りょもき
△ 同性婚が認められてる世界線
今日は涼ちゃんと付き合って8年記念日。
付き合った当初は同性婚とか同性愛が認められてない世の中で、何度も何度も不安になったし、同性と付き合っていることを言った人達には、気持ち悪い、とか、沢山言われてきた。
でもその中で認めてくれた友人は若井だけ。若井は大親友で、バンド仲間、ずっと友達として一緒にいたいくらいだったし、今もずっと一緒にいる。
話は戻るが今日は8年目でデートの約束をしているのだが、婚約指輪がこれでいいのか本当に不安だ。若井のセンスはいいし、僕は涼ちゃんの好みを沢山知っているから涼ちゃんにこんなの嫌い、とは言われないと思う。けど、2人で選んだ方が良かったのか?いやでも2人で選んだら近々プロポーズするってことがバレるのでは…?
もう考えたって仕方ない。センスがいい若井と涼ちゃんのことを知り尽くしている僕が選んだんだ。いいことしかないに決まってる。
婚約指輪と薔薇に高級レストラン…、薔薇は意味があると若井に聞いてすぐに買い出しに行った。ちなみに33本の薔薇を送ることにした。意味は「 生まれ変わってもあなたを愛します 」
というようだ。若井に元貴愛重いしこれが良くね?と言われ買ったもので少し複雑な気分。
あとは服を着替えて髪をセットするだけ。デートの時刻は午後8時。プロポーズで人気なレストランだったから夜景が見えてすっごい見晴らしが良かった。試しに今日の朝こんなレストランいいよね、と涼ちゃんに話しかけると行きたい!!と目を輝かせて言われたので場所はここで絶対に大丈夫。
プロポーズで有名な所とは涼ちゃんは知らないはずだし、まだ何も悟られていない。と思う。
結婚したら結婚報告をするつもりだし、普通にバンドも続けていく。
そこで僕がワクワクしすぎて最近恋愛曲しか書いていなかったから、勘のいいJAM’Sさんからはついに結婚とか?とたまに騒がれていた。
「 …これでいいかなぁ… 」
服装は黒のHarmonyの時のスーツのようなものに、上着というか羽織みたいなのがない服装と、涼ちゃんのメンバーカラーの黄色と僕のメンバーカラーの赤色が混ざっているダイヤ型のピアス。
髪の毛は変に気取ってもな、と思いいつものにしてみた。涼ちゃんはこの髪型好きらしいし。
「 元貴~ ! 準備できたよ~ッ て… 、なんでそんな気取ってんのッ!? 」
「 ん? 今日はちょっと大事な日だから、行こ?笑 」
平然を装って優しい笑顔を作ってみるが緊張しすぎで引きつっているような気もする。
涼ちゃん勘いいし、気づかれないよねぇ…まぁ変なところで抜けてるし大丈夫か、笑
「 えぇ… 僕何時ものだけどいいの…? 」
「 いーの、いつもの涼ちゃんがいいの、!! 」
と口を尖らせて言ってみると、わかったよぉ、と腑抜けた返事をしてきた。
レストランにつくとびっくりしている涼ちゃんを笑いながら予約していた大森です。と店員さんと話す。
ここではプロポーズの時にサプライズとして照明を消してケーキを持ってきたりしてくれるプランがあるらしくて、そのプランも予約しておいた。ケーキのいちごは涼ちゃんに全部あげちゃおう。笑
薔薇は店員さんに預けておいて、プロポーズらへんの時に僕がお手洗いに行くから、その時に薔薇を渡してくれるみたい。
頑張ってくださいね、と店員さんに背中を押されて、少し緊張がほぐれてきた。
「 ん、ほら。行くよ涼ちゃん、笑 」
「 こんな高級なとこ初めてなんだってば… 僕こんな所で食べていいほど食べ方綺麗じゃないし… 」
「 食べ方綺麗じゃん、笑 ほーら、おいでよ。 」
手を差し伸べるとうぅ、と喚きながら僕の手を取る涼ちゃん。 そんなとこも愛おしくて可愛くて…ほんとに来世もずっと一緒にいたい。
「 ごめん、お手洗い行ってくるからお会計とかなんにもせずに待っててね?絶対だよ。 」
お会計まで全部カッコつけて、家に帰ったら結婚指輪を見ながら2人で笑い合いたい。のが今回の僕の願望。なんてね笑
「 んー… わかったよ… 言ってきな、笑 」
「 ん、ありがとう、笑 」
「 ぁ、薔薇って… 」
「 はい、ありますよ、笑 大森さんが向かってる最中に照明消しますね、笑 」
「 はい、お願いします… 」
ほんとにここの店員さん全員人柄いいなぁ…と思いながら感謝して薔薇を受け取り涼ちゃんがいる所へ向かう。
パチッ … 照明が消え、僕の彼女…いや、多分これから奥さんになってくれる人が驚きながら慌てている。
近くによると元貴大丈夫かなぁ…と独り言が凄かった。笑
「 … 涼ちゃん、 こっち向いて。 」
「 ぁ、元貴、! 良かったぁ。停電しちゃったみたい… 大丈夫かな… 」
「 大丈夫だよ…笑 」
振り向いて僕と話す涼ちゃんにたって、とお願いすると不思議そうな目で僕を見つめながら立ち上がる涼ちゃん。
しゃがんで涼ちゃんの手を取った時、暖かい涼ちゃんの体温が僕の手に伝わった。
「 … 僕と結婚してください。 」
婚約指輪をはめて、涼ちゃんの顔を見ると、驚きながらもうるうると目が潤んでいた。
「 はい… ッ 、 」
泣きながらそういう涼ちゃんはすっごく綺麗で、儚くて、こんな僕が涼ちゃんが結婚かぁ、と嬉しくなった。
その瞬間照明がついて、他の人からは拍手と歓声が聞こえてきた。
「 … 笑 あ、あとこれ、薔薇。 」
「 ん、ありがとう…笑 」
泣き笑いしながら涼ちゃんは薔薇と僕と婚約指輪を順番に見つめながら、抱きしめてきた。
「 はいはい、涼ちゃんは甘えん坊ですねぇ…笑 」
少し小っ恥ずかしくて、涼ちゃんに鼓動が伝わらないように平気な態度を装う。
「 ご結婚おめでとうございます、笑 」
ニッコリ微笑む店員さんと、大きなケーキ。ケーキの後ろの席にはプロポーズの瞬間を見たいとワクワクしていた若井が泣きながら座っていた。
さすがに冗談だと思ったのにな…笑
「 あれ若井じゃん…笑 何してんのあんなとこで… 笑 」
「 僕たちのプロポーズ見たかったんじゃない?笑 」
「 あるねぇ…笑 僕呼んでくるッ ! 笑 」
あはは、と笑いながら若井の傍に近づき、一緒にケーキ食べよう、と誘いに行く涼ちゃんと後ろから微笑む僕。呼ばれてこちらの席に来た若井。
運ばれてきたケーキのいちごを涼ちゃんと若井にあげながらつくづく思う。
僕ってほんとに幸せだな、って
終わりー!!多分次の回は家帰ってからのやつです!!