今回、このアカウントでは初めての長編作品です!!!
是非お楽しみください。
それでは、
どうぞっ。
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彼女は人気なアイドル。
所属していたのは無名事務所だったのにも関わらず、彼女が全て自分でプロデュースした曲は全て流行り、月間チャートで数多くの1位を獲得。
また、デビュー年の新人賞は彼女が受賞し、彼女の事務所は瞬く間に大手事務所の一つとなった。
人は彼女を“無名事務所の奇跡の人材“と呼んだ。
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人気が無い街頭だけが頼りの川沿い。
昨日降り積もった雪は寒風にさらされて、硬い氷のようだった。
街灯のオレンジの光が赤と白の対比を目立たせ、その中心にいる彼女自身をも目立たせる。
こんな人気の無い場所でも、彼女はバレてしまう。
彼女に気がつき名前を呼ぶ人、
スマホで動画を撮る人、
何の人混みか分からずとにかくそこにいる人、
そして、赤いサイリュウムの光が白を照らす。
彼女の側には1人泣きながら名前を呼ぶ人がいた。
その異様な冷たい空気がこの作品を物語っている。
彼女は人気なアイドル。
どんな時でもファンを愛し、
どんな時でもファンサービスを心掛ける。
彼女は車に運ばれていく。
多くの人を残して。
カメラが彼女を最後まで追いかけて、誰も彼女を見ないで。
それでも、彼女は最後まで笑みを貼り付けて。
彼女はアイドル。
いや、
彼女はアイドルだった。
愛を感じ、愛を伝えて。
日々誰かに愛されて、日々誰かを愛して。
愛が彼女を殺したなんて、誰も思わずに。
“アイ“という名の孤独。
“哀“という名の病気。
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